モーセ以前と以後の違い。血統主義かどうか。
モーセ以前は、ノアの息子セムからヨセフに至る直系の血統が主役だ。「 神聖さとは、自分の体内を流れる血のこと 」 だったというロバートソン・スミスの説 ( 「 セム族の宗教 」) の通りにゃ。
これが、モーセになると、変わってくる。モーセは貴族の子孫とされているが、先祖がだれなのかはあいまいだ。次のヨシュアもそう。血統ではなく、神に選ばれた人間なのかどうかが重視される。イスラエルの初代の王サウルなどは、くじ引きで王に選ばれている。
モーセは、政治的・軍事的指導者、祭司、預言者の三役を兼ねていたが、これらは時代が下るにつれて分離していき、祭司だけが世襲制になるのにゃ。