富谷教会ホームページ・礼拝説教

富谷教会は宗教法人の教会です。教会は礼拝室と二つの茶室からなる和風の教会です。ゴルフ場に接する自然豊かな環境にあります。

「思い煩いは、神に任せなさい」ペトロの手紙一、5章1~11節

2023-02-13 17:56:32 | キリスト教

  ↑ だから、神の力強い御手の下で自分を低くしなさい。そうすれば、かの時には高めていただけます。 思い煩いは、何もかも神にお任せしなさい。神が、あなたがたのことを心にかけていてくださるからです。(ペトロ一5:6-7)

〒981-3302宮城県富谷市三ノ関坂ノ下120番地12 TEL:022-358-1380 FAX:022-358-1403

日本福音教団 富 谷 教 会    週  報

降誕節第9主日  2023年2月19日(日)  午後5時~5時50分

                            礼 拝 順 序                    

                司会 斎藤 美保姉

前 奏             奏楽 辺見トモ子姉

讃美歌(21) 464(ほめたたえよう)

交読詩編     63(神よ、あなたはわたしの神)

主の祈り   93-5、A

使徒信条   93-4、A

司会者の祈り

聖 書(新共同訳)  ペトロの手紙一、5章1~11節(新p.434)

説  教   「思い煩いは、神に任せなさい」 辺見宗邦牧師

祈 祷                                                  

聖餐式    78(わが主よ、ここに集い)

讃美歌(21) 493(いつくしみ深い)

献 金

感謝祈祷              

頌 栄(21)  27(父・子・聖霊の)

祝 祷             

後 奏

〇オン・ラインで礼拝に参加できます。090-3365-3019

 (辺見牧師)に、申し込み下さい。

          次週礼拝 2月26日(日)  午後5時~5時50分

          聖 書 イザヤ書43章1-7節

          説教題 「わたしの目にあなたは価高く、尊い。」  

          讃美歌(21) 462 78 149 交読詩編 100

本日の聖書 ペトロの手紙一、5章6~11節

 5:1さて、わたしは長老の一人として、また、キリストの受難の証人、やがて現れる栄光にあずかる者として、あなたがたのうちの長老たちに勧めます。2あなたがたにゆだねられている、神の羊の群れを牧しなさい。強制されてではなく、神に従って、自ら進んで世話をしなさい。卑しい利得のためにではなく献身的にしなさい。3ゆだねられている人々に対して、権威を振り回してもいけません。むしろ、群れの模範になりなさい。4そうすれば、大牧者がお見えになるとき、あなたがたはしぼむことのない栄冠を受けることになります。 5同じように、若い人たち、長老に従いなさい。皆互いに謙遜を身に着けなさい。なぜなら、「神は、高慢な者を敵とし、謙遜な者には恵みをお与えになる」からです。6だから、神の力強い御手の下で自分を低くしなさい。そうすれば、かの時には高めていただけます。 7思い煩いは、何もかも神にお任せしなさい。神が、あなたがたのことを心にかけていてくださるからです。 8身を慎んで目を覚ましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたける獅子のように、だれかを食い尽くそうと探し回っています。 9信仰にしっかり踏みとどまって、悪魔に抵抗しなさい。あなたがたと信仰を同じくする兄弟たちも、この世で同じ苦しみに遭っているのです。それはあなたがたも知っているとおりです。 10しかし、あらゆる恵みの源である神、すなわち、キリスト・イエスを通してあなたがたを永遠の栄光へ招いてくださった神御自身が、しばらくの間苦しんだあなたがたを完全な者とし、強め、力づけ、揺らぐことがないようにしてくださいます。 11力が世々限りなく神にありますように、アーメン。

本日の説教

 この手紙は、受難のキリストを模範とし,苦難のなかにあってもキリス ト者としての振舞いを勧めることを主題としています。その内容は,二つに区分できます。 第一部(1:3 – 4:11)の主たる内容は,バプテスマを基盤とした教えと生活上の勧告です。第二部(4:12- 5:11)では迫害下への励ましと慰めについて語られています。

 

 1章1節に記されている手紙の宛先であるポントス、ガラテヤ、カパドキア、アジア、ビティニアとは、一~二世紀のローマ帝国の四つの属州の名であり、現在のアジア側トルコの大部分の地域です。この手紙は広範囲に分布する不特定多数の読者に向けた「回状」と思われます。

 手紙の受け取り人は、キリスト教に改宗する前は、ユダヤ教の生き方に賛同していた異邦人であったと思われます。その多くは社会的地位も低く、奴隷や異教徒の夫を持つ婦人や若者たちがかなり多くいたようです(2・18-3・7、5・5)。著者は実際に起こっていた迫害状況に即して具体的に語っているので、その迫害はローマ帝国による公的迫害というより、ある地方における一般的な中傷や非難であったと考えられます。本書では<長老>のみが教会の職務として記されており、奉仕者や監督についての職制が定立される以前の単純な組織体としての教会であったと思われます。

 以下の【 】内は、学術的な研究内容なので、説教では省略した方が良いでしょう。

手紙の送り手は、伝統的には、使徒ペトロがローマ帝国のネロ皇帝の迫害(64年頃)によって殉教の死を遂げたと言われる直前、当時バビロンと呼ばれていたローマ(5・13)から小アジア地方の諸教会にあてた手紙か、もしくは、その迫害の直後、67年頃に、シルワノ(5:12)がペトロの遺志を汲んで書いた手紙と考えられてきました。<シルワノ>は使徒言行録15:22の「シラス」と同一人物です。聖書として成立したのは紀元67年頃と推定されています。

 しかし、著者をイエスの弟子の使徒ペトロとすることは、多くの研究者が指摘するように,その可能性は極めて低いのです。 その理由として以下の点があげられるます。ネットにも掲載されている、「東北学院大学の研究論文、吉田新『ペトロの第一の手紙』研究(1) ─構造と内容,成立状況について 」、には、次のように記されています。

 ①ペトロの手紙一の本文は、ギリシア語の語彙が豊富であり,修辞的な用法も多用されている。ギリシア語を母語語とする話者によって記されたと考えるのが自然です。アラム語を母語とし、「無学な普通の人」(使徒 4:13)といわれるガリラヤ出身の漁師ペトロが記したとは考えにくい 。

 ② 聖書の引用は,I ペトロ 4:8 以外は、全て70人訳からの引用されている。

 ③ 生前のイエスと関係づけるイエスの言葉の引用はない。また、殉教を示唆する箇所(4:12 以下)、牧者として振舞いを記す箇所(5:1 以下、ヨハネ 21:15 以下参照)以外に,生前のペトロと結び付く箇所もない。

 ④手紙はパウロ書簡を参考にしているが、ペトロがパウロの手紙を参考にしたとは考えにくい。

 ⑤書簡の最後に記されている「忠実な兄弟シルワノ」(5 :12)は,パウロの協力者シルワノかどうかは 不明である。

 以上のように、ペトロの手紙一の著者は不明ですが、著者として想定されるのは,ペトロを師と仰ぐ教会の指導者と思もわれます。成立場所として考えられるの は,5:13 のバビロンを暗号として受け取るならばローマです。成立年代は 90 年代から2世紀初頭と考えられます。また、主たる受け取り手として異邦人キリスト教徒が想定され、彼、彼女らは受洗後まもない人々であり,かつ何らかの迫害下に置かれているのは間違いないでしょう。この手紙は、迫害のもとで苦しんでいたキリスト者の教会に対し、洗礼の恵みを思い出させ、終末の希望を確信させることによって彼らを励まし、キリストの苦難に積極的に参与するキリスト者の生き方をすすめた文書です。(下線は筆者)

  ペトロの手紙一の大まかな構造と内容

1.挨拶(1:1―2)

2.第一部(1:3―4:11)「教え」と「勧告」

3.第二部(4:12―5:11)迫害に対する励ましと慰め

 第二部は、以下のような内容になっています。

「愛するものたちよ」試練の時こそ喜べ(4:12-19)

「私は勧める」長老と若者へ(5:1―6)

  悪魔に備えよ(5:7―10)

  頌栄(5:11)

 結びの言葉(5:12-14) 】

 5章1節~11節は、苦難の中にある教会の指導者(長老たち)に対する最後の勧告と全会衆への励ましです。

 1節。著者は<長老の一人として>、地方教会の指導者と同じ位置に身をおいて、キリストの受難を証しする宣教者として、またやがて終末に現れる栄光にあずかる者として、教会の長老たちに勧めます。長老たちは、教会の指導者たちです。

 2節「あなたがたにゆだねられている、神の羊の群れを牧しなさい。」<神の羊の群れ>とは、教会の信徒たちを指します。その信徒たちを牧することは長老の職務です。使徒ペトロ自身、主イエスからこの職務をゆだねられています(ヨハネ21:16)。強制されてではなく、神が望まれるように、神が喜んで自分の民の世話をするのと同じように献身的に、世話をしなさいと勧めています。<卑しい利得のためではなく>という語から長老が給料をもらっていたことが推測されます。金銭に執着することを厳にいましめています。

 3節は権威の濫用のいましめです。<ゆだねられている人々>は、長老がそれぞれ責任を分担して任された信徒や求道者のグループを意味していると思われます。長老は信徒の模範になるようにと勧めています。

 4節。そのようにするなら、大牧者キリストが再臨するとき、あなたがたは栄冠を受けることなります、と励まします。

 5―7節は青年に対する謙遜の勧めです。謙遜は指導者にも要求されるキリスト者すべての基本的姿勢です。長老と同じように、<自ら進んで>長老に従いなさい、と勧めます。神が謙遜な者を高めてくれることは、主イエスの教えでもあり、初代教会の確信でもありました(マタイ23:12、フィリピ2:6―9)

 6節。「だから、神の力強い御手の下で自分を低くしなさい。そうすれば、かの時には高めていただけます」と勧めています。

 7節。思い煩いをすべて神に任せなさい。神が、あなたがたのことを心にかけていてくださるからです、と勧めます。神に任せる生き方の姿勢は、積極的に苦難と対決する生き方でもあります(4:19参照)。

 8節。「身を慎んで目を覚ましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたける獅子のように、だれかを食い尽くそうと探し回っています。」<敵である悪魔>とはサタンを意味し、終末に神に敵対する悪の力が猛威を振るうということです。読者が現在受けている苦難の根源はこの悪の力の働きであるという理解が見られます。<ほえたける獅子>のイメージは、詩篇22:14、ヨブ記1:7などからとられたものと思われます。

 9節。「信仰にしっかり踏みとどまって、悪魔に抵抗しなさい。あなたがたと信仰を同じくする兄弟たちも、この世で同じ苦しみに遭っているのです。それはあなたがたも知っているとおりです。」<信仰>、それは神に対する信頼と希望です。その信仰にしっかり踏みとどまり、悪魔に抵抗しなさい、と勧めます。全世界のキリスト者が同じ戦をしているのだと、初代教会の連帯意識を強調しています。

 10節。しかし、あらゆる恵みの源である神、すなわち、キリスト・イエスを通してあなたがたを永遠の栄光へ招いてくださった神御自身が、しばらくの間苦しんだあなたがたを完全な者とし、強め、力づけ、揺らぐことがないようにしてくださいます。」10節は神の計画の確かさの保証です。栄光の永続性に対して苦難の暫時性が指摘され、苦難によって鍛えられたキリスト者の終末における状態が示されます。<完全な者とし>は、苦難に耐えた信徒を更に補強し「ふさわしい者にする」という意味でしょう。

 11節。「力が世々限りなく神にありますように、アーメン。」11節の頌栄は4:11と同じように神の力が強調されています。この勧告は神の力に対する信頼が基礎となっています。

 本日の説教題「思い煩いは、神に任せなさい」は、5章7節の「思い煩いをすべて神に任せなさい。」によるものです。神に任せることができるのは、神があなたがたのことを心にかけていてくださるからです。

 フィリピの信徒への手紙で、使徒パウロは「どんなことでも、思い煩うのはやめなさい」(フィリピ4:6)と命じています。

 「思い煩うな」、「悩むな」という言葉が、聖書の中に出でくるのは、私たちがどれほど毎日、心配し、悩み、思い煩っているか、ということではないでしょうか。「思い煩いをすべて神に任せなさい」とペトロの手紙は勧めています。思い煩いがあれば、いろいろな願いをすべて祈りの中で神にお知らせして、後は神にお任せするなら、恵み深い全能の神は、わたしたちの祈りに応えて、最も良いように解決してくださることを信じることです。イエス様は、「心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい」と言われました。この御言葉に立つと、疑心暗鬼が去り、希望がわいてきて、平安に満たされます。神は、そしてイエス様は、わたしたちのことを、いつも心にかけてくだっていることに感謝しましょう。主にあって生きる人生は、悲しい時、苦しんでいる時、楽しい時、感謝する時、人生のどんな時にも、主が共にいてくださるのです。神はわたしたちの祈りを、無視することなく聞いてくださいます。この神の愛と恵みを思い、心から感謝して、神にお願いするのが祈りです。主のご愛に守られていつも喜んでいる平安な信仰生活をしていきましょう。

 

   書 :栢沼(かえぬま)将夫 教会員                                                           メッセージ: 浜田進      教会員                                                  「聖書一言メッセージ」2 埼玉県所沢市北秋津キリスト教会発行

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