あの大哲学者・ハイデガーって、「超訳霊言」といって、霊言集が出されてるんでしょ。どんなのなの? なーんて疑問もってる人、いませんか?
幸福の科学の大川隆法先生は、『超訳霊言 ハイデガー「今」を語る 第二のヒトラーは出現するか』(幸福の科学出版)で、そのハイデガーの霊の言葉(「霊言」)を、次のように紹介しておられます。
第一次大戦後のドイツ人の落ち込みっていうか、ショックというか……。
まあ、「優秀な民族である」という自覚を持ってたのは、みんなもご存じだと思いますし、カント以降、偉大な人がたくさん出ていますからね。十九世紀は、はっきり言ってドイツの時代ですよ。二十世紀初頭もそうだったと思うけど、ドイツには、そういう偉大な国家である誇り、栄光があったのでね。
それが、戦争に敗れて灰燼に帰したけれど、ドイツ人は、「それを、もう一回、復興させたい」っていう気持ちを持っていた。(中略)
そういう、民族主義的なものではあるけれども、「そこにある存在」としての国民には、それによって勇気づけられる面があるんでねえ。「そこにある存在」としての国民には、やはり、自分らを輝かせるというか……、まあ、彼らを勇気づけ、立ち上がらせるっていうことが、基本的に大事だね。
「そこにある」というのは……、ああ、今日は「超訳」をやらなければいけないんだな。「そこにある」というのは、つまり、「ドイツという国に生まれてしまって、そこでグローアップして(大人になって)しまったのだから、ここで職業に就いて、何かお役に立たねばならん」ということであり、その現実自体は否定できないのよね。
「そこにある自分、ドイツという国に生まれた自分が、これをどう克服するか、どう乗り越えていくか」ということについては、過去を振り返ってもしかたないので、未来に向けて、「投企」と言ったら、また難しくなるから、うーん……、つまり、「未来の自分にかけよ」ということだな。そういう意味なんだ。「過去ばかり見て滅入っていてはいけない。未来のドイツの建設のために、自分たちの人生をかけなさい」と。
これが、私のメインテーマだね。『存在と時間』でデビューした私のメインテーマは、そういうことです。
まあ、言葉を換えれば、それは、実存主義にもつながるものではあるけども、当時は、まだ、私の霊的自覚が十分でなかったから、「人間は、なぜ来たか。どこから来たか」について、明確に語ることはできなかったけども、「運命の流れのなかで、今ここに、浮き沈みしている自分たちがある」ということ自体は否定できないでしょう?
だから、私は、「運命の川の流れのなかで、浮き沈みしている自分たちがいるけども、力強く未来を切り拓いていくべきだ」という教えを説いた。(中略)
この思想の一部を、ヒトラーが使ったわけだ。
(38~41ページ)
「そこにある存在」としてのドイツ国民は、ドイツという国に生まれ、そこで大人になってしまったのだから、ここで職業に就いて、何かお役に立たねばならないという現実自体は否定できない。
これをどう克服するか、どう乗り越えていくかについては、過去を振り返ってもしかたないので、未来のドイツ建設のために自分たちの人生をかけなさいというのが、『存在と時間』でデビューした私のメインテーマである。
「運命の川の流れのなかで、浮き沈みしている自分たちがいるけども、力強く未来を切り拓いていくべきだ」という教えを説いたのである──。
ハイデガーをちょっとかじってみると、「そこにある存在」とか「投企」、「被投性」などなど、なんだかよくわからない言葉だらけで、とってもハードルが高い感じです。
でも、それをハイデガー自身が現代日本語で解説すると、こんなに分かりやすくなるというのは、やはり驚きです。
思想の核の部分を本当に分かっている、まさにその思想を打ち出した本人だからこそ、ここまでかみ砕くことができる、という実例なのでありましょう。
哲学書に取り組むことになって、その難解さに悩んでいる人は、まずは本書を最初にひもといてみるべきではないかと私は思っているのです。
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『超訳霊言 ハイデガー「今」を語る 第二のヒトラーは出現するか』
大川隆法著
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