理事長ブログ 心と体を癒やす

健康とは「健体康心」の略語です。体が健やかで心が康らかな状態を指します。心身の健康をセルフケアする方法を紹介しています。

円心五法の真髄434 「春眠暁を覚えず」だが…

2014年03月17日 | Weblog
長い冬でしたね。昨日あたりから春らしい気温になってきました。「春眠暁を覚えず」という季節が近づいています。夜明けに気が付かないほどぐっすりと寝てしまいそうです。ところが、こんなにいい季節にも関わらず、不眠で悩む人が大勢います。今日はこの不眠を取り上げましょう。

不眠の原因によって対処法が異なります。不眠の主な原因から見ていきましょう。

何らかの身体の疾患が原因で起きる不眠症があります。例えば、アトピー性皮膚炎で寝ようとしてもかゆみで眠れない方や脚の筋肉が頻繁につるようになり、寝ていても痛みで目が覚めてしまい、不眠症になってしまう方などは不眠症を治す前に、根本の病気を治すことを優先するしかありません。

また、アルコールが原因の場合もあります。アルコールはよく眠れるようなイメージがありますが、少量のアルコールであれば、体温を下げ副交感神経優位になり睡眠に入っていけます。しかし、量が増えてくると3時間後にはアセトアルデヒドに分解され、交感神経を刺激し体温が上昇する為、目が覚めてしまいます。

また、アルコールの量が多くなると解毒して排泄しようとして尿を溜めていきます。その為、尿意をもよおし、夜中に目が覚めてしまい不眠の原因になります。アルコールはほどほどがいいですね。

最近多いのはストレスが原因で不眠症になってしまうことです。過度のストレスが常にかかる状況にあると常に交感神経が優位の状況にあり、自律神経が中々副交感神経に切り替わらなくなります。副交感神経はくつろぎの神経といわれるように筋肉や神経の緊張を緩めてくれます。

しかし、過剰なストレスを受け続けると交感神経が常に優位の状況にあり、床に入って寝ようとしても活動型の交感神経が働き、体温も高く、神経は興奮状況でとても眠れる状況にありません。ストレスと不眠からうつ病を引き起こすことにもなりかねません。

身体の疾患やアルコールは自分の自己管理でコントロールできるものですが、ストレスは自分自身で中々コントロールできないものです。その結果、不眠症で悩んでいるようです。それでは過剰なストレスが原因で起きる不眠症の解消法を探っていきましょう。

私たちが生活していく中では程よいストレスは必要ですが、過剰なストレスは問題です。物事の捉え方によってはストレスを軽減することができますが、「こうすれば軽減することができます」というような簡単なものではありません。

しかし、それを手軽にコントロールできる方法があるのです。それが「呼吸」です。日々の呼吸に次のようなやり方を取り入れてみませんか。

ご存知の腹式呼吸です。できるだけゆっくりと長く息を吐きます。この時、下腹を凹ませながら吐きます。次にゆっくりと息を吸います。下腹まで吸い込むようにイメージしながら下腹が膨らむように吸います。下腹に意識を持っていって、最初は意識的に膨らませたり凹ましたりして行います。

この腹式呼吸を数回繰り返していると気持ちがとても落ち着いてきます。自律神経は副交感神経優位の状態になりますので、眠りを誘います。イライラしたり、集中力が落ちたり、気持ちが落ち込んだりした時にこの呼吸を数回繰り返してみてください。気持ちがとても落ち着き楽になります。

初めの頃はできなくても構いません。何度も繰り返しているうちにできるようになり、いつの間にか習慣になっていることでしょう。

さて、自律神経やホルモンバランスを整える経絡といえば「心包経」と「三焦経」があげられます。五行では「火」と見ることが多いのですが、私たちは中心に位置し、全ての五行に関わると見ています。円心五法でいえば中心は「呼吸」なのです。この点からも呼吸がこの経絡の調整役ともいえます。

「心包経」は胸から始まり腕の内側中央を通り、中指の井穴「中衝」につながります。中指につながる途中から薬指に流れ三焦経の井穴「関衝」につながり、「三焦経」は手の甲側中央を通り、腕の中央から肩を通り、耳から眉尻の「絲竹空」につながっています。

両方の経絡が腕を通っていますので、今回はハンドセラピーを行いましょう。基本的なハンドセラピーを行いながら、次のポイントを加えると効果的です。

① 手の平側の手首の中央にある「大陵」に左手であれば右の親指で軽く押し、外側に軽く腕を回します。そのまま中指の「中衝」の方に流すようにします。(3回)その後、「中衝」を3回押します。

② 薬指の井穴「関衝」を3回押します。その後、手の甲側の手首の中央にある「陽池」を右の親指を当て軽く押し、外側に軽く腕を回します。そのまま肘の方に向かって流すようにします。(3回)

「春眠暁を覚えず」心地よい春の眠りを楽しみましょう。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

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