本山健治の円心五法の真髄

「円心五法」の真髄を中心に健体康心についての気づきをお届けしています。

円心五法の真髄363 足操術の足相観察法

2012年10月29日 | Weblog
フットセラピーを勉強した人は足の観察のポイントを学んできましたが覚えていますか。少し復習しましょう。足の甲の色からどの様な臓器に影響を与える可能性があるのかを観察し、冷えの状態から体に与える影響を見ました。

次に甲の厚みから骨太タイプか骨細タイプか骨格系を観察し、東洋的な実証タイプか虚証タイプかの体質を観察します。また、筋肉の厚みから足の使用頻度を見たり、魚の目やタコなど皮膚の状態から靴や歩き方から体のどこに影響しているのかを観察します。

次に足裏を押しながら硬直やしこりを確認します。硬直やしこりの場所がどこの反射区かを見ることで、どの臓器に負担があるかなどを知ることができます。

最後に足趾の変形を観察することで、各足趾には6経絡が流れてきているので、どの趾に変形があるかによって各臓器への影響を知ることができたり、性格までも分かってくるのです。
このような従来の観察法に加え、足操術独自の観察法を紹介しましょう。

従来の観察に加えて、五行や経絡の観察をすることで、どの経絡に氣の滞りがあるのか、また、どこの骨格系に異常が起きやすいかも観察できます。氣の滞りがどの経絡に起きているのかで、ストレスの掛かりやすい臓器などを判断することも可能になってきます。

お客様の満足度を高め、信頼関係を深めることにつながることでしょう。

それでは足相観察法を紹介しましょう。足趾の爪の角には6経絡の井穴があるのはフットセラピストの方はお分かりですよね。当然、足趾の変形はその趾に流れる経絡に影響を与え、この経絡に関連する臓器に影響を与える可能性があります。

井穴による観察の外に足趾を第一趾から順に「木」「火」「土」「金」「水」と見ていきます。例えば、第一趾には脾経と肝経の経絡の流れがあり、この趾の変形はこの二つの経絡に影響を与え、関連する肝臓や膵臓の機能を低下させる可能性があります。

そして第一趾は「木」に当たるので肝経や胆経に関係していると見ます。第一趾が変形したり、力なく貧相に見えているようなら、関連する臓器に影響を与えるだけでなく、日々の行動にも影響を与えていきます。

何か行動を起こそうとしているのに、一歩が踏み出せないで悩んでいる人はいませんか。その人はまず、第一趾を見てみましょう。変形していたり、元気がなさそうに見えませんか。そのような時は、第一趾をしっかりと揉んでみましょう。

今まで中々行動に移せなかったことが嘘のように一歩を踏み出す勇気が湧いてくるのを感じることができるでしょう。第二趾から第五趾までも観察法がありますが、今回は第一趾のみ紹介しました。

もう一つは足裏を五つのブロックに分けていきます。足趾の部分は「木」、趾の付け根から土踏まずの上までを「火」、土踏まずの上半分を「土」、土踏まずの下半分を「金」、かかとを「水」と見ていきます。

例えば、かかとがカサカサでヒビが入っているような人は腰が悪かったり、女性の方は生理痛や生理不順など婦人科の悩みを抱える方が多いものです。同時に水は「流れる水は濁らず」というように綺麗な状態を保っていますが、流れず、滞っている水は淀んで汚れています。

私たちの体も同じで、大掃除役の腎臓に大きく負担をかけてしまいます。また、体への影響だけでなく、氣の滞りが人間関係などのトラブルにもつながってきます。かかとがカサカサの人には家庭や仕事上での人間関係で悩んでいる人が多いようです。

その時はかかとのカサカサを削り取ってしまうのではなく、お風呂に入った時に足用のやすりで表面を軽く削り、その後はブラッシングで血行を良くし、出たら、綺麗にふき取った後にオイルかクリームを塗って保湿します。一度に削り取らないで、毎日少しずつ行うようにしましょう。

カサカサがなくなる頃には体調も良くなり、いつの間にか人間関係も良くなっていることに気がつくことでしょう。

今回は足相観察法の一部を紹介しましたが「足は病を語り、性格を語る」というように多くの情報が現れてくるのです。同時に「満足とは足の満ちていること」とも言われます。満足相の足を目指したいものです。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄362 顔に集中する経絡

2012年10月22日 | Weblog
本日は講座の指導があり、配信が大変遅くなり申し訳ありませんでした。

前回、メリフィック・フェイス・セラピーで経絡を調整してリフトアップしたり、たるみを取ったり、小顔になるというお話しをしました。そこで今回は顔の経絡についてお話ししましょう。

経絡とは私たちの体を流れている線路のようなものです。この線路(経絡)を通して全身に氣を巡らしています。しかし、氣が滞ると体調が悪くなり、その状態が継続すると病気になってしまいます。

経絡に滞りが起きると関連する経穴(ツボ)に何らかの反応が現れてきます。昔からこのツボにお灸をしたり、鍼を打ったり、指圧で押したりしてきました。

東洋的な考え方では氣を全身に巡らすことができていれば健康であると捉えます。この経絡が顔や頭には集中しており、主な経絡は臓腑に直結する12経絡と体の前面の中心を走る任脈と背中の中心を走る督脈の14本があります。

この経絡は単独で存在するのではなく、12経絡がつながり、そして任脈や督脈ともいたるところで接合して身体全身を巡っています。次から次へと経絡がつながる接合点の多くが、顔にあり、この顔や頭の経絡を調整することは全身の氣の流れをよくすることになるのです。

顔に集中する経絡の流れを紹介しましょう。

任脈の「中脘(ちゅうかん)」から手の太陰肺経が始まり、肩、腕の内側(親指側)を通り、親指の井穴「少商(しょうしょう)」につながります。また、途中の「列缺(れっけつ)」から陽明大腸経の井穴「商陽(しょうよう)」に行きます。

「商陽」から、手の陽明大腸経の流れが始まり、腕の甲側(親指側)を通って顔の「迎香(げいこう)」につながり、「迎香」から一旦足の太陽膀胱経の「睛明(せいめい)」を経由し、足の陽明胃経の「承泣(しょうきゅう)」へつながって行きます。

「承泣」から、足の陽明胃経の流れが始まり、お腹を経由し、脚の脛骨の外側を通り、第2趾の井穴「兌(れいだ)」に行きます。

陽明胃経の原穴「衝陽(しょうよう)」から、足の太陰脾経の井穴「隠白(いんぱく)」につながり、「隠白」から、足の太陰脾経の流れが始まります。太陰脾経は第1趾からお腹に行き、「腹哀(ふくあい)」から任脈の「中脘」を通り、任脈の「膻中(だんちゅう)」につながっています。

太陰脾経から「膻中」を経由して手の少陰心経は「膻中」から始まります。腕を通って小指の井穴「少衝(しょうしょう)」につながります。

少陰心経の「少衝」から手の太陽小腸経の井穴「小沢(しょうたく)」につながります。「小沢」から太陽小腸経が始まり、腕の小指側を通り、肩から肩甲骨の上を通って首から顔に流れます。

顔の「顴髎(けんりょう)」から耳の「聴宮(ちょうきゅう)」へのルートと足の太陽膀胱経の「睛明」へのルートがあり、ここから太陽膀胱経が始まります。

太陽膀胱経は顔から始まり、頭を通って背中から脚につながり、脚の裏側を通って第5趾の井穴「至陰(しいん)」に至ります。

「至陰」から足の少陰腎経の井穴「湧泉(ゆうせん)」につながり、ここから少陰腎経の流れが始まります。脚の内側を通り、胸に行き、胸の「神蔵(しんぞう)」から「兪府(ゆふ)」へ行くルートと任脈の「膻中」につながり、手の厥陰心包経につながるルートがあります。

厥陰心包経は「膻中」から「天地(てんち)」につながり、腕の内側中央付近を通り、「労宮」を経て、中指の井穴「中衝(ちゅうしょう)」につながります。

手の少陽三焦経は厥陰心包経の「労宮」から井穴の「関衝(かんしょう)」につながり、手の甲側を通り、腕から肩、首、耳を経由して眉の「絲竹空(しちくくう)」につながります。

少陽三焦経の「絲竹空」から足の少陽胆経の「瞳子髎(どうしりょう)」につながり、顔の側面から肩の「肩井」を通り、体の側面を経由し、脚の側面から足の第4趾の井穴「竅陰(きょういん)」につながります。

少陽胆経の「臨泣(りんきゅう)」から足の厥陰肝経の井穴「大敦(だいとん)」につながり、第1趾から脚の内側を経て、肝臓のあたりの「期門(きもん)」までつながります。「期門」から肺、「中脘」を経由し最初の手の太陰肺経につながっていくのです。

いかがでしたか、少し分かりにくいところもあったかと思いますが、顔には陽経の経絡が集中し、多くの接合点があります。

最初は難しいことは分からなくても、メリフィック・フェイス・セラピーで顔の経絡を調整していくだけで、嬉しい結果が付いて参ります。是非、お試しください。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄361 九州での勉強会

2012年10月15日 | Weblog
11日から九州に出張で来ています。15日まで長めの出張です。11日は北九州地区の会員勉強会、12日はトレーナー更新講習会、13日は健美体操トレーナー講座と三日間同じ会場で行いました。

この会場が非常に歴史的な建物で会場の入るところから、レトロな雰囲気でタイムカプセルでその時代に一気に戻ったような気持ちになりました。この会館の歴史を辿って見ることにしました。

木造2階建の洋風建築である「高牟礼会館」は建築当初は「高牟礼荘」として、旧有馬藩士の板垣別邸であったらしく、明治33年(1900)頃には国分村役場として使用され、その後、旧陸軍の師団長官舎などに使用されてきました。久留米市長公舎としても使用され、平成8年7月以降は、財団法人久留米文化振興会に委託され、文化施設として市民に開放されています。


歴史を感じさせる素晴らしい建物です。お近くの方は是非、一度見学されてはいかがでしょうか。

そんなレトロな気持になったせいか、卒業した高校が近くにありましたので、13日の帰りに訪問してみました。卒業して45年になります。

卒業後一度も来ていませんでしたので、面影があるのか不安と期待の複雑な気持で門の前に立つと、高校時代に毎日通った門と同じで校庭に入って行きました。校舎もグランドもその当時とほとんど変わっていませんでした。

懐かしい青春時代を思い出すことができ、レトロな会場を選んで頂いた中村先生や鐘ヶ江先生に感謝です。

肝心の勉強会や講習会では新講座のメリフィック・フェイス・セラピー講座を紹介しましたが、想像以上に好評で、女性の「美」に対する興味は男性にはとても理解できないものがあるようです。早速受講したいという方も現れて、皆さんの反応に驚いています。

この講座について簡単にご紹介しましょう。

人は誰しも、いつまでも若く、健康で、美しくありたいと願っています。特に女性はより強い気持ちをお持ちです。そんな思いに応えてくれる講座として誕生しました。若さを取り戻すアンチエイジングテクニックです。

時間の施術で、体験して頂いた方から「顔がリフトアップした」とか、「瞼のたるみが取れて目があけ易い」「頬のたるみが取れ小顔になった」など大変喜んで頂きました。回りで見ていた方はうらやましそうです。

なぜ、そのような効果が出るのでしょうか?私たちは現代の日常生活でパソコンやテレビなどで目を酷使し、疲労している方が多くいます。また、多くのストレスを受け、顔や頭の筋肉が硬直して頭蓋骨のひずみを作りやすくなっています。

本来、私たちの体は何らかの異常が体に起これば、それを正常な状態に戻そうとする働きを持っています。恒常性という機能です。東洋的に言えば自己治癒力といっていいでしょう。ところが頭蓋骨のひずみなどが発生してくると恒常性維持機能が低下してしまいます。

この様なときに顔や頭の筋肉の緊張を取り除いていくと頭蓋骨のひずみも改善され、自然に恒常性維持機能が高まってくるのです。その結果、顔や頭の筋肉は正常な位置に戻ろうとしてリフトアップしたり、たるみが取れた状態を取り戻すのです。

この様な技術は多く紹介されています。血流を良くしたり、リンパの流れを良くしたりすることで同様の効果が現れてきますが、施術後しばらくすると元に戻ってきてしまいます。

しかし、本講座で学ぶテクニックは顔や頭の経絡を調整することで恒常性を最大限に高めて、その機能を維持しようとするものです。元の状態に戻ってきたら、髪を軽くかき上げ、経絡を流していくだけで、また、リフトアップしたり、たるみが取れてくる状態が、1週間ほど継続するのです。

まだ、体験されていない地域にも伺って、体験して頂こうと思っています。是非、来て欲しいと思われる方は協会本部までお問い合わせください。

昨日の14日は南九州地区の会員勉強会でも、新講座のテクニックを体験して頂きました。そして本日はトレーナーの更新講習会です。この中でも、喜んでもらえると確認しています。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄360 「伝説のスピーチ」に刺激される

2012年10月08日 | Weblog
家内が「月曜日のメルマガで書く内容は決まっているの」と聞いてきました。まだその時はどんなことを書こうかと迷っている時でしたので、「決まっていないよ」と答えると「これはどう」と見せてくれたのが「セヴァン・スズキ」のスピーチの全文でした。

1992年6月にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された「環境サミット」で世界中の指導者たちを前に、12歳の少女が語ったものです。

私自身、12歳の少女が素晴らしいスピーチをしたというニュースなどは聞いていましたが、全文を読んだことはありませんでした。この全文を読み、大人として恥ずかしい気持ちでいっぱいです。

日本であれば12歳といえば小学6年生か中学1年生の子どもが、地球の環境についてここまで真剣に考え、大人の私たちに訴えてきています。

彼女の勇気のある行動が、多くの大人たちに大きく影響を与え、地球環境を何とかしなければならないという動きが活発になったのではないかと思いますが、その動きはイライラするほど遅く、本当にこの地球を守ることができるのだろうかと思ってしまいます。

彼女のスピーチから20年が経過しました。地球温暖化の原因となっている二酸化炭素を減らそうとして京都議定書を各国で決めたのですが、各国の利害ばかりが出て、最初の目標通りには中々進んでいないのが現状です。しかし、地球の温暖化は待ってくれません。今年は北極の温度が高く、かなりの氷が溶け出しているニュースが報道されていました。

この20年の間に地球環境を取り戻すことができていればいいのですが、反対に温暖化は進む一方だし、熱帯雨林も減少し、砂漠化が進む一方です。スピーチの原文を読み、私たち大人に向けて送ってくるメッセージを感じ取り、未来の子どもたちに残していかなければならないものを、できることから行動しなければいけないと強く感じました。

彼女のスピーチの一部を紹介しましょう。

『なぜあなたがたがこうした会議に出席しているのか、どうか忘れないでください。そしていったい誰のためにやっているのか。それはあなたがたの子ども、つまり私たちのためです。あなたがたはこうした会議で、私たちがどんな世界に育ち生きていくのかを決めているんです。 親たちはよく「だいじょうぶ。すべてうまくいくよ」といって子供たちをなぐさめるものです。あるいは、「できるだけのことはしてるから」とか、「この世の終わりじゃあるまいし」とか。しかし大人たちはもうこんななぐさめの言葉さえ使うことができなくなっているようです。おききしますが、私たち子どもの未来を真剣に考えたことがありますか。』

強烈な言葉です。私たちの子どもや孫たちに安心して暮らせる地球を残していくことが、大人の役割です。地球環境を守るのは国にお任せではなく、自分にできることから始めようではありませんか。

エコにつながることとして節電を心がける。ゴミは分別して出す。リサイクルできるものはリサイクルして使う。極力ゴミを出さない。洗剤が水を汚染しているので洗剤の選択や使用料を抑える。など、身の回りでできることから始めてまいりましょう。

また、セラピストとして地球の環境を守ることのできることは何だろうと考えました。私たちが提供しているセラピーは病気を治すことを目的にはしていません。補完代替医療と呼ばれるように予防医学を目的にしています。健康で病気にならない為の体づくりが目的なのです。

健康な人の健康維持や健康増進にフットセラピーなどのセラピーを行うことで、より健康になることでしょう。また病気ではないが体調がすぐれない方などは、未病の時点でセラピーを行うことで健康を回復することができるでしょう。そして、医療費の軽減にもつながってきます。

現実には医療費がますます増え続けています。薬も大量に使われ、開発や製造に巨額の費用がかかっています。この医療費を抑えることができ、最小限にしか薬も使わなくなれば薬の製造も抑えることができ、エコにつながってきます。

私たちが提唱する「一家に一人のフットセラピスト」を育てることは家庭の医療費を抑えることにもつながり、家族のコミュニケーションが取れ、絆が深まってきます。結果、間接的にはエコにつながっていくものです。

最後に既にご存知の方も多いと思いますが、スピーチの全文を読んでみたいと思われた方は「セヴァン・スズキ スピーチ」で検索すると沢山出てきますし、YouTubeでスピーチの映像を見ることもできます。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄359 食欲の秋を楽しむために

2012年10月01日 | Weblog
昨日は台風が直撃しましたが、寝ている間に通り過ぎてくれました。風の音がすごく窓ガラスをガタガタと鳴らしていて、強化ガラスとはいってもものが飛んできて窓が割れないだろうかと、心配しながら休んでいました。

今回の台風は「風台風」と言われて各地で強風の影響を受け、被害も多く出ているようです。最大瞬間風速60m/sとかなり強力な台風です。皆様のところでは被害は出ていませんか。
今日東京は都民の日ということで、学校はお休みです。10月1日の朝に関東地区を台風が直撃するという予測でしたので、子どもたちの通学がなくて良かったと思っていましたが、早めに関東を通りすぎてくれて、天気も回復したので、いい休日になることでしょう。

今日から10月です。最近まで猛暑が続き、寝苦しい日々が続いていましたが、朝晩は涼しくなり、ぐっすり休めるようになってきました。秋と言えば「収穫に秋」と言われるように美味しいものが沢山出回ります。また「食欲の秋」でもあり、つい食べ過ぎてしまいがちです。

東洋思想の五行論では「秋」は「金」に属し、経絡では「肺経」と「大腸経」に関連します。食事がおいしく、つい食べ過ぎると大腸にも負荷がかかりやすくなります。

そこで、普段から肺経や大腸経の氣血の流れを良くしておきましょう。ハンドセラピーを勉強した人はお分かりだと思いますが、手の経絡について一緒に復習してみましょう。

手の井穴図

手の原穴図

図をクリックすると大きな画像をご覧頂けます。

肺経は陰経の経絡なので手の平側の親指側を走っています。脇の近くから親指の井穴「小商(しょうしょう)」まで流れています。そして、肺経の「列缺(れっけつ)」のツボから大腸経の井穴「商陽(しょうよう)」につながります。

大腸経は陽経の経絡なので、手の甲側にあり、「商陽」から親指側を走り、「合谷(ごうこく)」や「三里(さんり)」を通り、肩から顔の鼻の横の「迎香(げいこう)」につながっています。

今回はこの2本の経絡を使って行うハンドセラピーのセルフケアをご紹介しましょう。

まず、指から肩までの関節を緩めて腕全体の氣血の流れを良くします。

① 両腕を軽く前に出し、伸ばした状態で、親指を中にしてグーを作り、すばやく開いてパーを作ります。これを1回として16回以上行います。指の関節を緩めます。

②両腕を前に伸ばしたまま手首で「横8の字」を書くようにして手首の関節を緩めます。

③左腕の肘を曲げ、前に出すようにします。右手で左手の指先を甲側に反らし、息を吐きながら肘を伸ばし、息を吸いながらそのまま腕を上にあげていき、息を吐くと同時に腕をダラーンと落とすように力を抜きます。2回繰り返したら、右腕に同じように行います。肘の関節を緩めます。

④両腕を曲げ、肩に指先を当てて肩を回して肩関節を緩めます。前後8回ずつ行います。

⑤左手の肺経の井穴「小商」を右手の親指で強めに押します。呼吸に合わせて3回。

⑥肺経の原穴「太淵(たいえん)」を、親指で痛気持ちいい範囲で押します、呼吸に合わせて3回。

⑦次に左手の大腸経の井穴「商陽」を右手の親指で強めに押します。呼吸に合わせて3回。

⑧大腸経の原穴「合谷(ごうこく)」を、親指で痛気持ちいい範囲で押します、呼吸に合わせて3回。

⑨左手の手の平を自分の方に向けるようにして、手首から肘までを右手の指の力を抜き手刀を作り、パラパラと叩きます。3往復します。

⑩手の平を下に向け、同様に手首から肘までを手刀で叩きます。3往復します。

⑪手の平を外側に向け、同様に手首から肘までを手刀で叩きます。3往復します。

⑫右手にも同様に行います。

腕全体の氣血の流れが良くなり、特に肺経や大腸経の氣血の流れが良くなり、これらに関連する臓器の働きを高めてくれます。

臓器の働きを高めたからといって暴飲暴食は避けましょう。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士