理事長ブログ 心と体を癒やす

健康とは「健体康心」の略語です。体が健やかで心が康らかな状態を指します。心身の健康をセルフケアする方法を紹介しています。

円心五法の真髄328 心身を温める円心五法

2012年02月27日 | Weblog
「心身を温める円心五法」という本が出版されました。会員の方でしたら既に「寒河江 徹」先生が編み出された円心五法をご存知だと思います。今回は協会の副会長「寒河江 秀行」先生が会員の皆様から寄せられた声にお応えして出版された本です。

「寒河江 徹」著の円心五法は私たちのバイブルとしてはとても大切な素晴らしい著書なのですが、手軽に持ち運びながらいつでも手軽に見るには難しく、会員の方から「いつでも手軽に持ち運べるように内容を小分けにした本として出版して欲しい」という多くの声を頂いていました。

まだ、円心五法にふれたことのない方にもこの内容の素晴らしさを体感じて頂ける著書と確信しております。円心五法は単なる健康法を伝えるものではありません。円心五法の実践を通して自分自身の健康が維持出来るだけでなく、人としての成長にもつながり、幸せな人生を送ることにもなるでしょう。

それではこの本の内容に触れてみたいと思います。

円心五法の誕生のきっかけになったのが陰陽五行説です。この双方の関係を説明しながら円心五法の実践法の一つひとつが説明されています。

簡単にいくつかの項目をまとめてみました。五行の「木」に相当するのが「食物」・「幼児期」・「食養法」、「火」に相当するのが「運動」・「少年期」・「自強健美体操」、「土」に相当するのが「精(性)」・「青年期」・「円心道」、「金」に相当するのが「精神」・「壮年期」・「養氣法」、「水」に相当するのが「休息」・「老年期」・「足操術」となります。

これを一日史としてみたり、または一生史としてみて、その時期に何を大切にしなければいけないのかが、分かってくるのです。

今回は一生史の点を取り上げて説明します。人として生まれ、成長していく中で最も大切にしたいのが食べ物です。その食べ物から作られるのが血液で、血質にも影響します。いい食べ物を摂り、いい血液を作りたいものです。

人生のスタートである幼児期には「食は生命なり」といわれるようにこの時期には食のしつけを徹底して行うようにしましょう。三才までにその子の食に対する考え方ができ上がり、同時に味覚もできてくるのです。

いい食べ物を摂り、いい血液ができたら、この血液を全身に巡らすことが大切です。そのためには運動が必要になります。一生史では少年期に相当し、この時期の子供は徹底して体を動かすようにしましょう。

体を動かすことで怪我などから自然に体を守る反応や体のバランス感覚が育ち、感性も豊かになってきます。少年期には自然の中で自由に遊ばせることが大切です。

運動をすることで全身の血液循環が良くなり、末端の細胞まで充分に血液が行き渡れば「精」エネルギーが湧きだしてきます。このエネルギーを充分に蓄積し、上手に発散することが大切です。

青年期に入るとエネルギーが満ち満ちています。この時期にはエネルギーをどの様に発散するかが問題です。負の状態での発散が暴力行為であったり、無差別殺人のような凶悪な事件になることもあります。青年期にはエネルギーを上手に発散し、溜めないようにすることが大切です。

エネルギーが上手く発散できると心が安定してきます。一生史では壮年期に当たります。この時期は気の持ち方や気のコントロールの方法を身につけることで精神的に落ち込んでいても氣をコントロールすることで、プラスの状態に持っていくことができるようになってきます。

壮年期は人生で一番充実している時期です。どんなに辛く、大変なときでも、氣をコントロールして前向きな気持ちを取り戻しましょう。壮年期は精神的な充実感を味わうことを最優先しましょう。

精神が安定し、心の充実感で満たされれば夜の睡眠にもスムーズに入ることができます。円心五法の「休息」は一生史では老年期になります。生涯青春という気持ちを持つことはとても大切ですが、肉体的な老化は確実に進んでいます。この時期には充分な休息を取ることを最優先しましょう。

私がくどくどと説明するより、本を読んで頂くのが一番です。円心五法の入門編としてとても分かり易く編集されていますので、お勧めです。

「心身を温める円心五法」寒河江秀行著 春秋社 1,680円(税込)

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄327 原因別、眠りトラブル対処法

2012年02月20日 | Weblog
日経ヘルスが眠りのトラブルを原因別に6つに分けて説明していました。眠りに関する悩みを抱えている方にはとても参考になりますので、抜粋しながら紹介しましょう。

長時間寝ても疲れが取れないのは、「良い質で」ぐっすりと寝ることと「眠りの時間」を確保することが重要です。そこで6つのタイプに分けて眠りのタイプとその対処法を説明しましょう。

1.ストレス眠りタイプ

日経ヘルスのアンケートでは「寝ている途中で目が覚める」が4割、「中々眠気がこない」が2割います。この主な原因はストレスと思われます。フットを勉強している人はすでにお分かりだと思いますが、仕事などのストレスで寝る時間になっても交感神経が優位の状態で、中々副交感神経優位に切り替わってくれないためです。

そこで大切なのが、ストレスをベッドまで持ち込まないことです。休む前にぬるめのお風呂(40℃以下)に半身浴を中心に入り、肩が冷えたら全身浴にして、これを繰り返しながら、のんびりと入ります。同時に呼吸も半身浴をしながら、腹式呼吸を行うようにしましょう。途中で、湯船から出て体を洗うときにフットセラピーを行うのも効果的です。

2.眠り軽視タイプ

「仕事ややることが多くて、寝るのがもったいない」とか「明日こそ早起きして“朝活”しよう」などのガンバリ屋さんに多いタイプです。その為、睡眠時間が削られ、朝起きられないとか、日中眠気が取れない、集中できない、イライラするなどの不調が現れます。

医学的には『睡眠不足症候群』といわれ、睡眠の悩みを訴える人の中で一番多いのが、このタイプだそうです。自分に適した睡眠時間を知るには連休などで好きな時間に寝て自然に起きる生活を4~5日続けた時の睡眠時間が理想の睡眠時間だそうです。
睡眠時間を削って日中ボーとしたり、集中力が欠けてしまったのでは意味がありません。自分に合った睡眠時間は充分に取った方が効率的になります。

3.冷え性タイプ

今回の日経ヘルスのアンケートでも5人に1人は手足が冷たくて布団に入っても中々寝付けないという悩みを抱えていました。お布団に入ると手足がポカポカしてスーと眠れるのは体温が上がっているのではなく、実は熱を逃がして放熱している状態で、体内の体温を急激に下げることで深い眠りに入っていけるのです。

冷え性の人は手足の血管が拡張しないために放熱がうまくいかず、体温が下がらないのです。ストレスでも血管が委縮しているので、ストレスのところで説明した、休む前にぬるめのお風呂にゆっくりと入るようにしましょう。

4.リズム崩れタイプ

「寝る直前までテレビやパソコン画面を見ている」とか「眠くなるまで携帯をいじっている」という人が増えています。しかし、これはもう一つの睡眠リズムを崩す原因なのです。夜になると体内の体温を下げて眠りモードに導くホルモン「メラトニン」の分泌が増えます。

ところが光を受けることでこの分泌が抑えられ、体内時計も乱されてしまいます。交感神経も優位な状態なので、中々寝付けないのです。部屋を暗くし、テレビやパソコン、携帯も早めに消して眠りの体勢を作りましょう。

5.枕や寝室の問題タイプ

アンケートでは「枕に不満がある」という人が4人に3人もいたようです。枕や寝具で悩んでいる人も多いようです。枕は大きめで頸椎が真直ぐになるもので、掛け布団は寝返りがうてるような軽い物を選ぶようにしましょう。

6.体の不調タイプ

眠りに関する病気は107種類もあるそうです。代表的なものが「睡眠時無呼吸症候群」で深い睡眠が取れず、日中の強い眠気や集中力の低下、頭痛、高血圧などを招いてしまいます。この他にも居眠りを繰り返す「ナルコレプシー」やうつ病が原因のこともあるので、気になる方は睡眠専門のクリニックを受診してみましょう。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄326 子供の「脳」は肌にある

2012年02月13日 | Weblog
「赤ちゃんタッチセラピー」の講座を開催する際に色々な本を参考にさせて頂いきました。その中の1冊に「山口 創」氏が記した『子供の「脳」は肌にある』という本はとても興味深く、触れることの大切さや、触れることがいかに脳を活性するのかが分かりやすく記されていました。内容の一部を抜粋して紹介しましょう。

以下、本からの抜粋

イヌやウマといった哺乳類は、出産してまず初めに、赤ん坊の全身を舌でなめる。これは、赤ん坊の皮膚の表面についた羊水などを拭うのと同時に赤ん坊の全身に舌で刺激を与えてマッサージをしているのだそうだ。

赤ん坊の循環器系、消化器系、泌尿器系、免疫系、神経系、呼吸器系などあらゆるシステムを正常に作動させるために必要なことなのである。全身を舐められることで赤ん坊は正常に呼吸し、排泄できるようになる。

人間の場合は、母親は赤ん坊を舌で舐める代わりに、出産のときに子宮の中でマッサージしているのだという学者もいる。長時間続く陣痛による子宮の収縮が、胎児の全身に皮膚刺激を与える。すると胎児の皮膚の末梢の感覚神経が刺激され、それが中枢神経に届き、自律神経系を経てさまざまな器官を刺激するという。ゆえに産道を通らずに帝王切開で生まれた子供は、後に情緒不安定など、情動面での問題が生じる可能性が高いとの指摘さえある。

この早期の皮膚への接触が、いかに重要であるかについて、1995年に心理学者のシャンバーグはラットを用いた実験で確かめた。ラットの赤ん坊を母親から離すと、赤ん坊の成長ホルモンや免疫システムを正常化するのに役立つオルニチン脱炭素酵素(ODC)が約半分に低下してしまった。そしてODCの低下が原因で、心臓や肝臓その他の器官の働きが低下してしまうのであるが、母親のもとに戻してやると、それらは正常に機能し始めるのだった。

その原因を探るため、シャンバーグらはラットの母親の行動を詳細に観察した。ラットは赤ん坊をあちこちに運んだり、舌で舐めたりしていた。そこで彼らはそれら一つ一つの母親の行動を人の手で実際に赤ん坊にやってみた。すると、舌で舐める行動を真似したとき(実際には絵具の筆を濡らして赤ん坊をなでる)にだけ、ラットの赤ん坊はもとの状態に戻ったのだ。つまり、皮膚への柔らかい刺激が、身体の機能を正常に働かせることに役立っていたわけだ。

この結果はそのまま人の赤ん坊にも当てはまる。新生児の皮膚は全体重の20%もの重さを有し、2500平方センチもの面積を占めている。また「皮膚は露出した脳である」といわれるように、体性感覚(触覚と温痛覚)は視覚や臭覚とは異なり直接脳を刺激していることになる。

以上、本からの抜粋

わずか一節を抜粋しただけなのですが、この様な内容がびっしりと詰まっていて、皮膚と脳の関係を深く知ることのできる1冊です。直接皮膚に触れていくセラピストにとってはお勧めの1冊です。

親子の触れ合いが希薄になってきているように感じてなりません。その原因が、赤ちゃんのときの触れ合い不足にあるともいわれます。新生児のときの触れ合いがとても大切だと痛感させられます。

誕生した赤ちゃんとご両親が素晴らしい家庭を築き、楽しい人生を送って頂けるように、この赤ちゃんタッチセラピーを伝えていかなければいけないという使命感を感じるようになりました。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄325 フランクル博士の楽観主義

2012年02月06日 | Weblog
今日は久々に月刊「致知」で以前紹介された、医師・永田勝太郎氏の記事を紹介したいと思います。この記事を読み、ここまで楽観主義でいることができれば人生を変えることができるのではないかと感動してしまいました。

・・・・・・・以下、「致知」からの抜粋・・・・・・・

今回(東日本大震災)のような文明を引っくり返すような大きなストレスに対し、悲観的な捉え方をする専門家もいます。

けれども日本人は第二次大戦を経験し、広島・長崎の被爆を経験し、その中から立ち上がっていったわけでしょう。

だから僕はそれほど悲観的になる必要もないし、人間はそんなに柔なものじゃない、強かなものだと思っているんです。

それが我々のように実存分析を学ぼうとする人間の最も根底にある考え方です。要するに楽観主義の精神ですね。

フランクル先生ご自身の生き様もそうでして、彼がアウシュビッツ収容所で家族全員を殺され、いつガス室に行けと言われるかもしれない中を生き抜けたのは、基本的に楽観主義者だったということ。

逆に悲観的な人は死んでいったということでしょう。例えば何月何日に米軍が救出に来るという噂が流れる。皆いよいよ助かるかもしれないと心がざわめく。ところがその日が来ても何も起こらなかった時、ガクッときてバタバタと人が死んでいった。

ところがフランクル先生はそんな期待はしていません。例えばこんなエピソードがあります。彼が収容所の中で何かミスをやった。それを見ていたナチスの将校が彼の頬を思い切りぶん殴ったんです。その拍子に眼鏡が吹っ飛んで地面に落ち、レンズが割れてしまった。

その割れた眼鏡を拾い上げながら彼は思った。「もしここを出られて収容所体験を本にできたら、 この割れた眼鏡を表紙にしよう」と。だから彼の初版本の表紙には、その割れた眼鏡の絵が使われているんですよ。

とにかくそのくらいに彼は楽観的で強かだった。またアウシュビッツでチフスに罹った先生は高熱を発しました。本人は医者だから自分の予後が分かる。

今夜もし寝てしまったら、私は明日の朝、死体になっているだろう、と。だから自分の足をつねりながら、眠らないようにしていたというんです。

一方、頭の中では何を考えていたかというと、自分は米軍に救出されてウィーンへ帰る。そして『一精神医学者の収容所体験』という本を書き上げ、それが世界的なベストセラーになってカーネギーホールに呼ばれると考えた。

そのホールを埋め尽くす聴衆を前に講演を終わり、大喝采を受けている自分の姿を想像していたというんです(笑)。今夜死ぬかもしれないという、その最中にですよ。 (中略)

たとえいかなる極限状況に置かれても、人間の心は自由だと。目をつむれば精神は花園に遊ぶことができるとフランクルは述べていますが、そのとおりですよね。

確かに妄想かもしれませんが、最後の瞬間まで諦めず希望にしがみつくことが大事だと思うんです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

如何でしたか、素晴らしいですね。同じ経験をしてもマイナス体験として●丸を潜在意識にインプットするか、○丸としてインプットするかは大きな違いです。一度の人生、楽天主義で楽しい人生を送りましょう。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士