お彼岸を過ぎたら、本当に秋らしくなってきました。「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったものです。連日の熱帯夜で寝苦しかった夜も、ぐっすり眠れるようになってきました。しかし、不眠などで悩んでいる方が全国で3000万人もいるそうです。
確かに、「眠れない」という方の話を聴く機会が多くなりました。私自身、寝つきが早く、朝までぐっすりと休めていたのが、最近、歳のせいか、夜中にトイレに起きることがたまにあります。年齢のせいで仕方のないことだと言われますが、熟睡できないのは辛いです。
今回の「ためしてガッテン」でグッスリ朝まで眠る術というテーマで放送されていました。その中で取り上げられていた一人の方の話を紹介しましょう。本人の話と、一緒に寝ている奥さんの話では全く違うことを言われています。
奥さんの話では横になったら、すぐにいびきをかきだし、朝まで寝ているので7~8時間は寝ているはずだ、と言うのです。ところが本人の話ではとても眠りが浅く、ぐっすり寝たきがせず2~3時間くらいしか寝ていない、朝から疲労感があり、仕事に影響しているというのです。
これを専門家が調査したところ、脳波や筋肉の活動からは“確かに寝ている”とい判定結果が出ているのです。それではなぜ、本人は寝ていないというのでしょうか。単なる気持ちの問題なのでしょうか、脳波を詳しく分析してみると、寝てはいるが、何度も脳が覚醒していることが分かってきました。
周りから見ると寝ているように見えるのに、本人は眠っていないと感じる原因が“古い脳”の覚醒にありました。古い脳とは原始脳といわれ、爬虫類などはこの脳が大半を占めていて、生きるために働いている脳なのです。
眠れないために、早く寝ようと寝床に入って横になるのですが、中々寝付けず、毎日繰り返していると、ますます睡眠への不安が増してきて、寝床に入ったとたん「今日も眠れなかったらどうしよう」と無意識にこの思いが出てきて、ストレスになっていたのです。
ここで原始脳についてもう少し詳しく見てみましょう。原始脳の中枢は視床と視床下部になります。要するに間脳が原始脳の中枢なのです。ストレスがかかると視床下部に影響し、自律神経は交感神経優位の状態になります。
寝床に横になることがストレスになっていたのであれば、眠ろうとすればするほど、ストレスとなり、古い脳が覚醒するということは交感神経優位の状態になっているということです。テレビの中では古い脳の覚醒を抑える方法として「筋弛緩法」が紹介されていました。
筋肉はゆるめようとしても最初から緩めるのではなく、一度、緊張させることが大切なのです。筋肉を硬く緊張させ、瞬間に力を抜くことで筋肉がゆるんできます。テレビで紹介された方法だけでなく、次に紹介する方法も試してみてください。
寝床で横になって行うのがいいのですが、横になることが無意識に緊張を与えるのであれば、最初の頃はイスに座って行いましょう。
イスに座り目を閉じます。背筋を自然に伸ばし、頭に意識を集中させていきます。吸う息に合わせて首から上が硬く緊張すると自己暗示しながら、実際に首から上を硬くします。吐く息に合わせて、瞬間に力を抜き「ゆるむ、ゆるむ」と自己暗示を行います。
次に両腕に意識を持っていき、同様の方法で両腕をゆるめます。次に胸、お腹、腰、背中全体に意識を持っていき、同様に行います。最後に両脚に意識を集中して、吸う息に合わせて硬く緊張させ、吐く息に合わせて両脚をゆるめます。
全身がゆるんだところで「全身の筋肉がすっかりゆるんで、とても気持ちがいい」と自己暗示しながらポカ〜んとしていると眠くなってきます。すぐに寝付けそうなら、寝床に入り休むと自然に眠りに入っていけることでしょう。
それでもダメなら、フットセラピーを行ってあげましょう。筋弛緩法で筋肉がゆるみ自律神経は副交感神経優位になっていますので、確実に深い睡眠に入っていけるはずです。
それでは、本日はこの辺で。
NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士
確かに、「眠れない」という方の話を聴く機会が多くなりました。私自身、寝つきが早く、朝までぐっすりと休めていたのが、最近、歳のせいか、夜中にトイレに起きることがたまにあります。年齢のせいで仕方のないことだと言われますが、熟睡できないのは辛いです。
今回の「ためしてガッテン」でグッスリ朝まで眠る術というテーマで放送されていました。その中で取り上げられていた一人の方の話を紹介しましょう。本人の話と、一緒に寝ている奥さんの話では全く違うことを言われています。
奥さんの話では横になったら、すぐにいびきをかきだし、朝まで寝ているので7~8時間は寝ているはずだ、と言うのです。ところが本人の話ではとても眠りが浅く、ぐっすり寝たきがせず2~3時間くらいしか寝ていない、朝から疲労感があり、仕事に影響しているというのです。
これを専門家が調査したところ、脳波や筋肉の活動からは“確かに寝ている”とい判定結果が出ているのです。それではなぜ、本人は寝ていないというのでしょうか。単なる気持ちの問題なのでしょうか、脳波を詳しく分析してみると、寝てはいるが、何度も脳が覚醒していることが分かってきました。
周りから見ると寝ているように見えるのに、本人は眠っていないと感じる原因が“古い脳”の覚醒にありました。古い脳とは原始脳といわれ、爬虫類などはこの脳が大半を占めていて、生きるために働いている脳なのです。
眠れないために、早く寝ようと寝床に入って横になるのですが、中々寝付けず、毎日繰り返していると、ますます睡眠への不安が増してきて、寝床に入ったとたん「今日も眠れなかったらどうしよう」と無意識にこの思いが出てきて、ストレスになっていたのです。
ここで原始脳についてもう少し詳しく見てみましょう。原始脳の中枢は視床と視床下部になります。要するに間脳が原始脳の中枢なのです。ストレスがかかると視床下部に影響し、自律神経は交感神経優位の状態になります。
寝床に横になることがストレスになっていたのであれば、眠ろうとすればするほど、ストレスとなり、古い脳が覚醒するということは交感神経優位の状態になっているということです。テレビの中では古い脳の覚醒を抑える方法として「筋弛緩法」が紹介されていました。
筋肉はゆるめようとしても最初から緩めるのではなく、一度、緊張させることが大切なのです。筋肉を硬く緊張させ、瞬間に力を抜くことで筋肉がゆるんできます。テレビで紹介された方法だけでなく、次に紹介する方法も試してみてください。
寝床で横になって行うのがいいのですが、横になることが無意識に緊張を与えるのであれば、最初の頃はイスに座って行いましょう。
イスに座り目を閉じます。背筋を自然に伸ばし、頭に意識を集中させていきます。吸う息に合わせて首から上が硬く緊張すると自己暗示しながら、実際に首から上を硬くします。吐く息に合わせて、瞬間に力を抜き「ゆるむ、ゆるむ」と自己暗示を行います。
次に両腕に意識を持っていき、同様の方法で両腕をゆるめます。次に胸、お腹、腰、背中全体に意識を持っていき、同様に行います。最後に両脚に意識を集中して、吸う息に合わせて硬く緊張させ、吐く息に合わせて両脚をゆるめます。
全身がゆるんだところで「全身の筋肉がすっかりゆるんで、とても気持ちがいい」と自己暗示しながらポカ〜んとしていると眠くなってきます。すぐに寝付けそうなら、寝床に入り休むと自然に眠りに入っていけることでしょう。
それでもダメなら、フットセラピーを行ってあげましょう。筋弛緩法で筋肉がゆるみ自律神経は副交感神経優位になっていますので、確実に深い睡眠に入っていけるはずです。
それでは、本日はこの辺で。
NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士