理事長ブログ 心と体を癒やす

健康とは「健体康心」の略語です。体が健やかで心が康らかな状態を指します。心身の健康をセルフケアする方法を紹介しています。

円心五法の真髄285 妊婦さんいらっしゃい

2011年04月25日 | Weblog
妊娠とは嬉しい事でもありますが、女性にとっては大変な仕事です。特に初産の時は初めての経験ですから多くの不安もあることでしょう。私は男性ですから本音の部分は分かりませんが、嬉しさ半分、不安半分なのではないでしょうか。

命が体の中に宿り、その生命を育んでいくのは大変な仕事になります。つわりで苦しんだり、体形が変化して、むくみもひどくなったりと体の変化と同時に精神的にも初めての経験による不安が募ってくることでしょう。

この様な方々に「妊婦さんいらっしゃい」と呼びかけてフットセラピーを行っています。リフレクソロジーでは妊婦さんへの施術は禁忌事項になっていて、妊婦さんはお断りをしているお店がほとんどです。

確かに反射区への刺激が妊婦さんに負担になってしまうことが考えられます。

しかし、フットセラピー(足操術)の主な目的は脳の緊張を取り、深いリラックスした状況を作り、自律神経の働きやホルモンの分泌が正常に行われるようにしようというものです。

通常のマッサージが直接、筋肉などにアプローチするのに対して、フットセラピー(足操術)は足の筋肉を緩めることで全身の筋肉も緩み、脳の緊張が取り除かれて、ゆったりとしたくつろぎを味わうことができるのです。

フットセラピーがなぜ、妊婦さんに安全かという理由が少しはお分かり頂けましたか。

むくみがひどく、精神的にも不安を抱えた妊婦さんの感情はお腹の胎児にも影響を与えていきます。妊娠中に夫婦喧嘩ばかりをやっている夫婦に生まれてきた子供は疳の虫が強いとか、夜泣きがひどいなどとよく耳にします。

妊娠中の妊婦さんの精神状態がいい状態にあるのか、悪い状態にあるのかでは胎児に与える影響も大きく変わってきます。妊娠中にフットセラピーを勉強された会員さんがいらっしゃいますが、その方々が口をそろえて言われる言葉が「出産がとても楽だった」「子供がとても育てやすい」と言われています。

これは妊娠中にフットセラピーを授業の中で常に受けてこられた結果ではないかと思われます。施術を行ったり、施術を受けたりと練習する中でとてもリラックスでき、精神的にも安定した結果、母親にも胎児にもいい影響が出たものです。

但し、妊娠初期は絶対に避けるべきです。安定期に入れば是非、フットセラピーを受けられることをお勧めします。

自分で行うセルフケアでは体制が負担になりやすくなりますので、フットセラピストの施術を受けられることをお勧めします。

セラピストの方に具体的な方法を説明しましょう。

お腹が大きくないときはベッドに仰向けになって受けて頂いてもいいのですが、大きくなってくると仰向けの体制は負担になります。リクライニングチェアなどがいいでしょう。足を乗せるオットマンがあればこれを使います。

オットマンに足枕を置き、右足を乗せます。セラピストは右足の横につきます。始める体制ができましたので、早速始めましょう。

1.第1趾と第2趾の間に右手の親指を差し込み軽く持ちます。左手は軽く足首を持ち、足首を回します。30回ほどまわしたら、逆方向にも30回まわします。これを2~3セット行います。時間があれば多くまわします。

2.足裏に手の平を当て深い呼吸に合わせて息を吐きながらアキレス腱を伸ばすように足首を膝の方に倒していきます。妊婦さんに確認をしながら負担がかからない範囲で行います。3回。

3.足趾を手のひらで包み込むように持ち、前後に手首を振るようにして足趾の関節を緩めます。続いて足の趾先を滑らせるように心地よい刺激を行います。

4.足裏の人文字ができるところの「湧泉」を押します。親指と手の平で挟むように押します。呼吸に合わせて3回。

5.土踏まずの中央の「足心」を同じ様に押します。この後通常では「失眠」を押しますが、妊婦には踵周辺の施術は行いません。

6.足裏を踵に近い土踏まずの方から、手の手根部(手の平の手首よりのところ)を押し込みようにしながら足趾の付け根まで少しずつ移動して足裏全体を押します。3回。

7.セラピストの体制を妊婦さんの顔を見る向きに変え、足首を両手で包み込むように圧迫します。少しずつ移動して膝下まで圧迫していきます。これを5回繰り返します。

8.足を変え、左足にも同様に行います。

注意する点は妊婦さんが不安を感じるようなことは行いません。踵周辺は生殖器の反射区が集中しているので行いません。膀胱経の経絡は婦人科に関係していますので外踝周辺や第5趾、ふくらはぎの裏側への施術は行いません。足裏の叩きなど衝撃を与えたり、ゆらしなどは避けます。

基本は妊婦さんがゆったりとくつろげることです。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士


円心五法の真髄284 亀田メディカルセンター視察研修セミナー

2011年04月18日 | Weblog
千葉の鴨川にある日本一と言われる病院をご存知でしょうか?多くのマスコミに取りあげられています。私も何度も行っていますが、なんと素晴らしい病院だろうといつも思っています。

病院のコンセプトが素晴らしいですね。「Always Say YES」が病院内の合言葉となっています。ノーと言わない。どんなことがあろうと、「できない」と言わないのです。解決する方法はないだろうか?どうしたら患者さんの為になるだろうか?と常に考えながら行動することをスタッフ全員が意識されているのです。

※亀田メディカルセンターは亀田総合病院・亀田クリニック・亀田リハビリテーション病院の総称です。

NHK教育の番組に「仕事学のすすめ」という番組があります。亀田総合病院の亀田信介院長が出演されてインタビュー形式で病院の紹介をされていました。インタビュアーは多くの本を出版されている「勝間和代」さんです。

4回に亘って放送されていました。経営理念に基づき、病院の目指す方向を明確にされ、多くの改革を実施され今の亀田メディカルセンターが存在しているようです。その中で強く私の印象に残ったことが「病院は究極のサービス業です」「サービス業でなくて何ですか」と言われていたことです。

今までの医療従事者が医療をサービス業と言われたことを聞いたことがありません。このような発想だから患者様目線で物事を見ることができ、患者さんが喜ぶことは何だろうという視点から病院経営をされている。だからこの病院に来ても今までの病院らしさを全く感じないのです。

私がいくら言葉で説明しても皆さんには実感として伝わってこないのではないでしょうか。そこで、今回、亀田メディカルセンターにおけるセミナーを企画しました。会員の方には会報誌に同封いたしましたのでご覧頂いていることでしょう。

主な内容はまず、院内の視察を行い、続いて病院の最前線で患者様と向き合っておられるお二人の先生に講演頂くことになっております。お一人は疼痛・緩和ケア科の関根先生に日々、ガン患者様と向き合いながら経験された緩和ケアの現状と今後の展望についてお話して頂くことにしております。その後にフットセラピーの臨床データをご紹介しながら、フットセラピーの実践をご紹介します。

翌日はリハビリテーション事業管理部長の村永先生に脚は健康の要というテーマで先生方が開発された「てんとう虫テスト」で推定歩行年齢を測定したり、前回のメルマガでご紹介した美しい姿勢を保つための簡単な運動法などを実際に体験しながら学んで頂く講演会をお願いしており
ます。

村永先生とは共同研究でこの美しい姿勢を保つためにフットセラピーがどの様な役割を果たすことができるのか、実際にフットセラピーを施術する前と施術後でどの様に変化するかのデータを取得していくことにしております。

6月のセミナーでは途中経過の報告になりますが、データをご紹介しながら、この時行ったフットセラピーについてもご報告いたします。

今回のセミナーは会員の方に限らず、一般の方の参加も受け付けております。日本一といわれる亀田メディカルセンターを視察し、学びも沢山あり、夜は講演して頂いたの先生方を交えての懇親パーティで楽しいひと時を過ごして頂くという盛り沢山のセミナーです。

亀田メディカルセンター視察研修セミナーの詳細は

日程:一日目 6月6日(月)13:00~20:30
   二日目 6月7日(火)9:00~12:00

場所:千葉県鴨川市 亀田メディカルセンター

参加費:日本フットセラピスト協会会員 12,000円
     一般 15,000円
※参加費には研修費、宿泊費(朝食付き)、懇親会費、資料代を含みます。

定員:20名(最低開催人数10名)

今回は地震の影響で自粛ムードが強く、開催を中止しようかと検討しましたが、逆に被災された方々は過剰な自粛は経済の冷え込みを引き起こすだけで、こんな時だからこそ自粛をしないで欲しいという現場の声があり、開催に踏み切りました。

鴨川地区は津波の影響も放射能の影響も受けずに病院も多くの患者様が来院されているそうです。安心してご参加頂けます。

セミナーに関するお問い合わせやお申込みは

e-mail: honbu@jfta.net までお願いいたします。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄283 フットセラピーでいつまでも若く、美しく

2011年04月11日 | Weblog
誰しもがいつまでも若くありたい、女性であればいつまでも美しくありたいと願っています。しかし、歳をとらない人はいません。アンチエイジングという言葉が浸透していますが、いい響きではありませんね。

アンチという否定語だからではないでしょうか。アンチではなくウエルなのです。歳はとっても若々しくいつまでも元気で人生を謳歌するウエルエイジングなのではないでしょうか。人間、誰しも歳をとりますが、いつまでも若々しく生き続けることは可能なのです。

月刊致知に松山医院、松山家昌名誉院長の「病気にならない心の持ち方と七つの健康法」という記事がありました。7つの健康法をピックアップしてご紹介しましょう。

1.玄米菜食、自然水と腹式呼吸できれいな血液をつくる
2.足から体を温める(頭寒足熱の温熱療法)
3.毎日の大便で健康状態を知る
4.東洋医学の経絡のツボを活用し免疫力を強化する
5.いつも光り輝く自分の姿と内臓をイメージする
6.生きる目的は「皆さんを喜ばせる」「皆さんが喜ぶことをする」
7.幸せと健康になる遺伝子にスイッチを入れる

私たちが言ってきた「円心五法」の考えそのものです。これが健康でいつまでも若々しく、美しく歳をとる秘訣なのです。生涯青春といった心の若さもとても重要ですが、今日は若々しい姿勢を保つ方法についてお話しましょう。

百歳でも背筋がピンと伸び、歩くときも歩幅がしっかりと取れている方を見ると素晴らしい、このような歳のとり方をしたいと思います。ところが背中が丸くなり、足はO脚気味になり、歩くときもつま先からチョコチョコとした歩き方になってきます。

こうなってからでは遅すぎます。姿勢の要は足にあります。下肢の筋力と柔軟性が美しい姿勢を保つ秘訣なのです。筋力の衰えを防ぐには歩くことが一番です。理想は一万五千歩ですが、一万歩を毎日歩くように心がけましょう。

同時に、美しい姿勢を保つには下肢の柔軟性が大切です。股関節、膝関節、足首の関節、足趾の関節の全てが歩くときの姿勢に関わってきます。頭では理解できても実際にどうしたらよいのか分からない方にお勧めするのが、フットセラピー(足操術)と解緊運動です。

上半身の解緊運動は今回省略し、下肢について紹介します。まず股関節の柔軟性を増すには両足を投げ出し畳や床に座ります。片方の足を両手で持ち、膝を曲げながら足を下腹に息を吐きながら近づけます。次に胸の前で合掌するように足を胸に近づけます。続いて顔の前で合掌するように近づけます。

これを3回繰り返したら、足を持ったまま股関節を緩めるように大きく8回まわし、逆方向にも8回まわし、最後に下腹に足を引き寄せて終わります。逆の足にも同様に行いましょう。

次は膝関節です。手で各々の膝を包み込むように手を置き、中指を膝下の真ん中のくぼみに置き、人差し指、薬指を左右のくぼみに当てます。親指、小指は膝上に当て、5本の指で膝を包み込むようにして外側に8回まわしたら内側にも8回まわします。これを3セット行います。

両手の4本指を片方の膝裏に当て、膝裏を揉みほぐします。委中のツボにも刺激を与えたら、逆の膝にも行います。

次は足首の関節と足趾の関節を緩めるのですが、これは今まで何度か説明してきましたフットセラピーのセルフケアの基本を行いましょう。

各関節の柔軟性は足がしっかりと大地を捉え、大きな歩幅で安定した歩行ができます。これが姿勢を保つための抗重力筋の腹筋や背筋を保つことにつながるのです。

いつまでも若々しく美しい姿勢を保ちましょう。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄282 心と体の冷えを解消するフットセラピー

2011年04月04日 | Weblog
まだまだ、東日本大震災の被災者の皆さんは厳しい避難所生活を強いられて、心も体も疲れきっているのではないでしょうか。早い復興を願ってやみません。

さて、今回から色々な症状に対するフットセラピーの施術の方法をご紹介していこうと思います。

日本経済新聞のWeb刊に『ストレス型「冷え」に注意』という記事が掲載されていました。元々体形や体質的に冷えやすい虚証タイプの人への施術とストレスにより自律神経が交感神経優位の状態が続くタイプでは冷えを解消するフットセラピーの施術の方法は異なります。

虚証タイプのような一般的な冷えの場合は施術が終わった時に指先まで温かいと感じて頂けるような少し痛いと感じる施術を行います。

それでは具体的な施術の方法をご紹介しましょう。

フットセラピストの会員の方は基本の操法に次のポイントを追加して行って頂くといいでしょう。

ベッドで行う場合を説明します。フットセラピーの場合は足枕(バスタオルをフェイスタオルで巻いたものでOK)を使います。受け手に仰向けに横になってもらい、右足の横につき、椅子に座って足首に足枕を置きます。

足首を回す時、かかとがぶつからない位置に置きます。さぁー準備ができました。早速始めましょう。

1. 足首を回します。氣血の流れを良くし、筋肉も緩める効果が高いので多めに回します。左右20回を3セット。

2. アキレス腱を伸ばし、膝裏からハムストリングスまでしっかりとストレッチをかけます。自律神経にも影響を与え、血液の循環を良くします。3回。

3. 足趾の第5趾を付け根から充分に回します。左右10回。次に上下に挟んで付け根から趾先に向かって3点押します。今度は左右から挟み押します。趾全体をグリグリと揉みます。最後に爪の生え際近くにある井穴を押します。全体的に強めの施術ですが、受け手の反応を見ながら、我慢できる範囲で刺激を行います。第5趾は泌尿器に関係する趾なので、しっかりと揉みます。

4. 同様の施術を第1趾まで順番に行います。

5. 足裏の「人」文字のできるところの「湧泉」に親指を当て、甲側に手の平を当て、挟むように押します。ゆっくり息を吐きながら押し、ゆっくり深く吸いながら緩めます。強めに3回。

6. 土踏まずの中央にある「足心」を同じように押します。

7. 足裏全体を叩きます。

8. 椅子から立ち上がり、足枕をかかとに移動し、足首の少し上を両手で包み込むように持ち、筋肉を絞るように圧迫します。これを膝の方に少しずつ移動して膝下まで行います。3回。

9. ふくらはぎ側を走っている膀胱経のツボを押します。足首の少し上を押したら、承山⇒承筋⇒合陽⇒委中の順に中指をツボに押し込むようにします。委中を押したら、その周辺を押し揉みします。3回繰り返します。

10. 8.と同様の施術を行います。

11. 逆の足にも行います。

この施術は終わった時に足趾まで温かくなりますが、ストレスから起きた冷えには不向きです。ストレスのために自律神経は交感神経が優位の状態が続いているので、副交感神経優位の状況をつくることが大切なのです。

この様なストレスから起きた冷えは心の冷えも引き起こしてしまいます。この様な時は深いリラクゼーションを味わって頂くような施術を行います。それでは具体的な方法をご紹介しましょう。

1. 足首回しは同様に行います。

2. アキレス腱は深い呼吸に合わせてゆっくりと伸ばします。3回。

3. 足趾を手の平で包み込むように持ち、足趾を前後に揺らします。続いて趾先を滑らせるようにして心地良い刺激を行います。

4. 「湧泉」を深い呼吸に合わせて押し、深くゆっくりと吸いながら緩めます。3回。

5. 同様に「足心」を押します。かかとのふくらみの中央の「失眠」を1回押し、「失眠」の周りを押します。

6. 足裏のかかとに手根部(手の平の手首に近いところ)を当て、足裏を押していきます。少しずつ足趾の方に移動して、足趾は両手の手根部で挟むように押します。

7. 足裏全体を叩きます。衝撃にならないように手首のスナップを利用して叩きます。

8. 逆の足にも同様に行います。

この施術は強い刺激を入れないように気をつけます。受け手が眠くなるような施術で、交感神経優位な状態から副交感神経優位の状態に切り替えるような施術を心がけます。その為には呼吸がとても重要です。深いゆったりとした呼吸のリズムで施術を行うようにします。

冷え症で悩まれている方に是非、実践してみましょう。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士