本山健治の円心五法の真髄

「円心五法」の真髄を中心に健体康心についての気づきをお届けしています。

円心五法の真髄312 健康の基本は「呼吸法」

2011年10月31日 | Weblog
昨日まで、関西地区の会員勉強会とトレーナーの更新講習会で奈良に行っていました。関西地区の皆さんから元気を頂いて帰ってきました。

今日は呼吸についての記事がありましたのでご紹介します。呼吸が内臓の働きを高めるメカニズムが紹介されています。長くなりますが、参考にしてください。

以下、「日系ヘルス&プルミエ」より

「最も大切な健康法を一つだけ挙げて」と問われたある著名な健康指導者は「呼吸法」と答えたそうです。

呼吸は、健康づくりの基本。でも最近は、浅い呼吸の人が増えています。体にいい深い呼吸とは、どんなものでしょう。答えはお腹の中の筋肉の動きにありました。

「生きる」という言葉は「息する」に由来するという話がある。本当かどうかはわからないが、生きている限り私たちが息をしているのは確かだ。そして死ぬときは「息を引き取る」。呼吸はそれほどに、昔から生命活動の象徴だったのだろう。

文京学院大学准教授の柿崎藤泰さんは呼吸リハビリテーションの専門家。病気で息が苦しい人に深い呼吸のやり方を指導する仕事だが、「最近は病気でもないのに、呼吸が浅い人が本当に多いですね」と話す。

それは、“息する力”が弱っているということ? 「そうです。呼吸が浅いといろいろな不調が生じます。逆に、深くなるだけで不調が消えるケースも多いですよ」ほぉーそれは興味深い。でも、そもそも「深い呼吸」ってどんな状態なのだろう?

■肺を動かすのは周りを取り囲む筋肉

呼吸は、体に酸素を取り入れて二酸化炭素を吐き出す作業。やっているのは肺だ。肺の内部は無数の小さな袋(肺胞)に分かれていて、スポンジのような構造だという。息を吸うと、肺全体が膨らんで肺胞に空気が入り、酸素を取り入れる。吐くときは肺が縮んで、肺胞から二酸化炭素を吐き出すわけだ。

では、肺はどうやって伸縮するのだろう。心臓や胃腸のように筋肉で作られた内臓なら自力で動けるが、スポンジ状の肺には筋肉がない。伸縮させるのは、周りの筋肉の働きだ。

「特に大切なのが横隔膜。これがしっかり働くのが、深い呼吸の条件です」

横隔膜は、胴体内部を横断する膜状の筋肉。ちょうど竹の節のように、胸とお腹の境界線で“仕切り”になっている。すぐ上に肺が接していて、この筋肉が注射器のシリンダーのように上下に動くことで肺を伸縮させる。呼吸に必要な動力の7割は横隔膜が担うというから、文字通り"縁の下の力持ち”だ。

でも「上下に動く」なんてどうやるのだろう。カギは横隔膜の形。リラックスしているときの横隔膜は、筋肉がストレッチされてドーム状に盛り上がっている。肺はドームに押されて上に縮む。これが息を吐いた状態。ここから収縮すると膜がぴんと張られてドームが平らになる。すると肺も下に引き伸ばされ、息が吸い込まれる。なるほど~巧妙な仕組みだ。横隔膜がしっかり動けば、肺の底面は5~10cmも上下するという。

「呼吸の浅い人は間違いなく、横隔膜の動きが悪いですね」。胸やお腹が力んでいたり、姿勢が悪いと、横隔膜の力が抜けず、きれいなドームにならないという。すると収縮するときも力がうまく入らない。結果として肺の収縮が中途半端で、空気の出入りが悪いというわけ。

柿崎さんによると、横隔膜がドーム状に盛り上がるときは、内臓のサポートが大切なのだという。息を吐くときにお腹の腹横筋が縮んで下から内臓を持ちあげるから、横隔膜が押されて盛り上がるのだ。吸うときは逆に、横隔膜が上から内臓を抑える。

これによって、横隔膜の動きと一緒に、内臓全体もゆったりと揺り動かされる。深い呼吸は内臓のマッサージなのだ。これでお腹の血流が良くなり、冷えや便秘も防げるというわけ。

「そのためには、腹横筋が収縮するときに横隔膜がリラックスする必要があります。本来、体はそういう筋肉の連動を自然にやっているのです」

■みぞおちが柔らかいまま息を吐き切れる?

試しにみぞおちに指を当てて、息をゆっくり吐いてみよう。吐くほどに高良が抜けて柔らかくなれば横隔膜と腹横筋がうまく連動している。でも、途中で固くなった(あるいは初めから固い)人は、横隔膜が力んでドームがうまくできない。

そんな人は、あおむけになって足をイスにのせ、お尻の下にクッションをいれて呼吸してみよう。お尻の下にクッションを入れるのがポイントで、お尻を高くすると、内臓の重さが自然と横隔膜にかかり、ドームができやすい。しばらくやっていれば、自然と深い呼吸になっていく。ぜひお試しを。

横隔膜と内臓の働きが良くお分かり頂けたのではないでしょうか。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄311 静岡での会員勉強会

2011年10月24日 | Weblog
静岡の磐田で22日にトレーナーの更新講習会。23日に会員の勉強会を開催してきました。磐田と言えばJリーグのジュピロ磐田を思い出す方が多いのではないでしょうか。宿泊したホテルもジュピロ一色でした。

今日はサッカーの話ではなく、会員勉強会が好評でしたので、皆様にもご紹介したいと思います。会場は認定トレーナーの塚本先生のサロン兼磐田教室をお借りして行いました。会場の広さや駐車場の都合もあり、限定8名で行う予定でした。急遽、参加できない方が2名おられ、6名での開催になりました。しかし少人数の方が参加者にとってはとても良かったようです。

ベーシックの講座を修了してマスターフットの勉強を始めている方が大半でしたので、セラピストの原点「触れる効用」について体験を通して確認して頂きました。

私たちの身の回りを見るとお年寄りが一人暮らしで、孤独死で亡くなっていたり、育児放棄で自分の子供を育てない親や虐待で子供を殺してしまうという事件が毎日のようにニュースで流れます。

逆に息子が父親を鉈で切り付けて殺してしまうという、昔では考えられないような凶悪事件があとを絶ちません。殺伐とした時代になってしまったと悲しい気持ちになってしまします。

これらは全て、家庭の中での触れ合い不足が大きな原因です。昔は二世代や三世代一緒に暮らしていることが当たり前で、お年寄りが孤独死するなど考えられませんでした。核家族になり、育児で悩んでも相談するのは育児書かネット。

昔のように母親が困っていればお祖父ちゃんお祖母ちゃんが助け船を出してくれていたのですが、核家族では相談する相手もいません。挙句に関わり方が分からないというお母さんまで出てくる始末です。

子供のころに転んで擦り傷を作った時などお母さんが「痛いの痛いの飛んで行け」とやってくれると不思議に痛みが和らいだり、「おなかが痛いよ」と言えばお腹に手を当て「早く良くなれ」と手を当ててくれました。母親の手は最高の癒しの手なのです。

このような話をしながら、手を素直に当てるだけでどれほどの効果があるかを体感してもらいました。二人一組になり、一人は呼吸を整えて両手の平に意識を集中します。私の誘導で手の平が温かくなるとイメージしてもらいました。

温かくなった手をもう一人の背中の腎臓の位置に軽く当てて、手の平から氣のシャワーを送っていると素直に思ってもらい、30秒ほどすると皆さん「暑い、暑い」と言い出します。受けている方も氣のシャワーを送っている方も二人とも暑くなって大喜びです。

次に「間脳調整から潜在意識へのアプローチ」というテーマで「間脳調整とは」「潜在意識の働き」を講義で確認した後に「プラス暗示の効果」を、ヘッドセラピーをやりながらプラスの言葉を投げかけながら体感してもらいました。

通常の言葉の暗示では表面意識で止まってしまい、潜在意識まで入っていかないのですが、深いリラックスをした状態では言葉の暗示がストレートに潜在意識にインプットされるのです。この様にくつろいでいる時にプラスの言葉を投げかけていくことが大切です。

施術をしながら、マイナスの言葉を投げかけるのはセラピストとしてやってはいけないことです。暗示感受性が高まっている時ですから、必ず、プラスの言葉を投げかけていきましょう。「顔色がとても良くなりましたね」とか「足がとても温かいですよ」といった言葉を投げかけましょう。

次に症状に合わせた施術のポイント及び方法を確認しました。参加者一人ひとりに家族や友人が悩んでいる症状を出してもらい、多い症状について実際に体験してもらいながら進めていきました。

冷えの悩みを持っている方に冷え解消の施術を受けて頂きましたら、帰るときまで指先まで温かいと喜ばれていました。片方の足だけ行ったので余計に分かったようです。その他に「不眠症」「頭痛」「肩凝り」「腹痛」「胃痛」「疲れやすい」「イライラする」などが出ましたので一つひとつポイントと施術の方法を体験してもらい説明していったので良かったようです。

最後にボディセラピーを塚本先生に体験者になってもらい、皆さんに見て頂きました。一度、ボディセラピーについて書いたところ、いつ、どこで、受講できるのですかと言った問い合わせがありました。そこで、実際に見てもらうのが一番分かって頂けると思い、磐田の皆さんにお披露目いたしました。

一番得をしたのは塚本先生だったのかも知れません。4時間の勉強会もあっと言う間に過ぎてしまい、次回またお会いするのを約束しながら、磐田をあとにしました。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄310 使命感の強さが世界記録を塗り替えた

2011年10月17日 | Weblog
今日は久々に「月刊致知」の記事からとても参考になる記事を見つけましたので抜粋しながらご紹介します。

高校2年の時に車の大事故に遭い脊髄を損傷して車椅子の生活になるが、持ち前の明るさからアスリートを目指し、現在ではパラリンピック日本人初の夏冬金メダリストで、国内外の名だたる大会で栄冠を手にしてきた車椅子マラソン選手の「土田和歌子」さんのインタビュー記事です。

(以下、月刊致知11月号より抜粋)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

お医者様から歩けないと宣告された時は「ああ、これで大好きな自転車にも乗れなくなるんだな」と思うと、涙が止まりませんでしたね。だけど、落ち込んだのはそのくらいで、死を意識したとか、どん底まで落ち込んだりとか、そういう記憶はあまりないんですね。(中略)

北京では5千メートルとマラソンの2種目でした。ところが最初の5千メートル競技の時、ラスト5百メートルのところで突然クラッシュに巻き込まれてしまうんですね。私の障害部位である腰椎、肋骨2本を骨折するという大怪我で、呼吸すら思うようにできない状態でした。

完全介護の状態で帰国し、2ヶ月ほど入院しました。いくら前向きな私でも、この時は本当に悩みました。

実は北京に行く前、私の身の回りの環境は大きく変わっていました。マネージャーを務めてくれていた主人と結婚し、女性として一大イベントである出産も経験しました。100%自分のためだけに時間を使っていた頃とは違って、多くの方の協力を得なくては競技生活を続けられなくなっていたんです。

事故の後、監督・選手契約という形で夫婦で所属していた会社は不景気の影響もあり競技継続ができなくなり退社しました。母からは「子供もいることだし人生を考え直したら?」と言われ、生活のための道を選ぶか、競技生活を続けるか、主人と話し合ったのですが、結果、私が選んだのは競技生活でした。

苦労するのは分かっていても不完全燃焼のままではどうしても納得できなかったんですね。

私はここ数年、「何のために自分は走っているのか」を強く意識するようになりました。それは、ただ勝ちたいというよりも一種の使命感のようなものだと思っています。

特にそれを感じたのが今年4月のボストンマラソンでした。その前月、東日本大震災があって、私自身も大変心を痛めたんですけれども、自分に何ができるかを考えた時、それはやはり走ること以外にないと思ったんです。

いま振り返っても不思議なのですが、スタートラインに立った瞬間から、自分以外の何かから力をいただいているような感覚がありました。

競技中、とても苦しい中で「たとえ腕がちぎれても走るんだ」という気持ちが湧いてきたのは、日本に対して何かのメッセージを伝えたいという願いがあったからだと思います。

そして驚いたことに、ゴールを切った時、16年間破られることのなかった世界記録を更新していたんですね。1時間34分6秒。未公認ですが世界記録を4分も縮めていました。

この結果は日本だけでなく海外からも大きな称賛を浴び「ありがとう」という声もたくさんいただきました。私のアスリート人生の中で、特に忘れがたい試合の一つになることでしょう。

私は今年37歳で、車椅子になる前より、障害者となってからの年月を長く生きているんです。
もしあの時事故に遭っていなかったら、いままで築き上げたアスリートとしての立場はきっとなかったと思いますし、強い使命感に燃えることもなかったでしょう。

生きていると誰だっていろんなことがあります。その時、ドッと落ち込んだとしても、どん底はいつまでも続かない。

むしろその時が人生を開花させるチャンスなんです。私の経験からも、心の持ち方一つで人生が大きく変わることをぜひお伝えしたいと思います。

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いかがですか。確かに心の持ち方一つで最悪の状態でも前向きな状態に変えることができることを土田さんは教えてくれていますね。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄309 断捨離に円心五法が

2011年10月10日 | Weblog
「断捨離」をご存知ですか。何冊もの本が平積みされていて、非常に売れています。私も聞いたことはありましたが、特別興味もありませんので、整理術の本が最近は人気なんだな、程度でしかありませんでした。

ところが、会員さんから「ようこそ断捨離へ モノ・コト・ヒト、そして心の片づけ術」の中に円心五法の本から「死海とガリラヤ湖」の文章が抜粋されて紹介されているという情報を頂き、早速、本屋に行き買ってきました。

どこに紹介されているのだろうと読みながら探していくと、58ページにこのタイトルを見つけました。ガラリヤ湖と死海はヨルダン川で繋がっているのですが、死海には流れ出る河がなく湖の水が蒸発して塩分濃度の高い湖になっています。周りは荒涼とした風景が広がるのみなのに、ガラリヤ湖の周辺は緑豊かで農業が盛んに行われています。

人間の体も出すことを優先しないとこの死海と同様のことが起こってきます。断捨離ではこれを住まいに置き換えて「出すことによって、新しいものが入ってくる余地が出てくるのです」とまとめられています。(出典『円心五法』寒河江徹著)と紹介されています。

この様なことがない限り読むこともなかったかもしれませんが、自宅の部屋の状態が本で紹介されていることと全く同じなのです。部屋の大半をいつ使うか分からない荷物が占領していて、部屋を充分に活用できていません。

どこから片付けていけばいいのか迷い、結局あきらめてそのままの状態が続いているのです。断捨離を勉強して片づけ上手になりたいな、と思っています。死海ではありませんが氣が停滞して一つひとつの部屋の氣の流れが悪くなっているように思います。

これはモノだけでなく、私たちのココロやカラダも出口がなければ同様の状況が起きてきます。過剰なストレスを抱え、上手に排泄できないままイライラして凶悪な事件を引き起こす人があとを絶ちません。心が荒んだ人が増え続けているのが、とても気になります。

心のモヤモヤを排泄するには呼吸がとても大切です。腹式呼吸でリラックスして瞑想などを行うことも一つの方法ですが、ここでは動的な呼吸法が有効です。腹の底から大きな声を出すことです。カラオケが好きな人は腹の底から声を出しながら歌いまくることです。

また、スポーツが好きな方は大きな声を出しながら好きなスポーツをしたり、好きなスポーツの応援を大きな声を出しながら行うと、スッキリとしてとても爽快になります。自分の好きなことで大きな声(吐息)を腹から出してみましょう。

体も同様に排泄ができないで悩んでいる人が多いのが現状です。典型的なのが便秘です。食べ物の栄養素を吸収した残りが便として排泄されるのですが、これが排泄されず、腸内に停滞することで、腸内環境を悪化させ、腐敗した状態が腸内細菌の悪玉菌を増やしていくことになります。

腸内環境の悪化は色々な病気の引き金になるものです。3日以上便秘した便を培養したものをネズミに注射すると即死すると言われるくらいに大変な毒素を発生させます。また、尿や汗も体内毒素を排泄する重要なものです。

尿が出なければ大変なことですから、すぐに専門の病院に行くべきです。また、水銀や鉛などの重金属は汗でしか排泄されないと言われます。しかし、ほとんど汗をかかない人が多くいます。ウォーキングやジョギングなどの運動で体の中から温まり、汗をかくのがいいのですが、運動をする時間がない人は半身浴などで体の芯まで温め、たっぷりと汗をかくまで、お風呂に入ってみましょう。1日1回はたっぷりと汗をかくようにしましょう。

断捨離は「断」持ち込まない、「捨」潔く捨て去る、「離」手放して自由になる、ことです。欲しいものを買う前にまず、捨てることが書かれているように、私たちのココロもカラダも取り入れる前に出すこと、排泄優先を実践することがとても重要です。

断捨離の本が沢山出ていますので、間違えないように円心五法が出ている本を最後に紹介しましょう。

タイトル:「ようこそ断捨離へ モノ・コト・ヒト、そして心の片づけ術」
著者:やました ひでこ
発行所:株式会社宝島社

11万部を突破した、今売れている本です。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄308 食欲の秋、脂肪を燃焼しやすくしよう

2011年10月03日 | Weblog
暑い夏が終わり、すっかり秋らしくなってきました。朝晩などは肌寒いくらいです。猛暑で食欲もわかなかったのですが、美味しい食べ物が一杯でつい食べ過ぎてしまいそうです。美味しいものが食べられるのは嬉しいのですが、増える脂肪が気になります。

心配な皆さんに嬉しい記事を見つけましたので、ご紹介しましょう。

以下、日本経済新聞Web版より、抜粋
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筑波大学付属病院内分泌代謝・糖尿病内科の島野仁教授は「エネルギー代謝の研究は、ブドウ糖など糖質が中心だったが、最近は脂質の重要性が増している。脂質代謝の改善は肥満やメタボリック症候群を防ぐ新たなアプローチとして注目されている」と話す。

体内時計正常に

例えば、私たちの体には昼と夜を区別する体内時計の機能があることはよく知られているが、日本大学薬学部健康衛生学研究室の榛葉繁紀准教授は、脂肪細胞において時計の働きを担っている遺伝子に注目し、脂肪細胞の役割を解明した。

榛葉准教授は「この時計の働きによって、脂肪細胞は昼間の活動時間には脂肪を分解してエネルギーを供給し、夜間は余っているエネルギーを脂肪として蓄積している」と話す。

全身のエネルギーのコントロールに脂肪細胞はより積極的な役割を果たしていたのだ。よく「夜遅く食事をすると太る」といわれているが、それもこの機能で説明できるという。

さらに榛葉准教授は、時計遺伝子を壊したマウスでは血糖値を下げるインスリンの働きに異常をきたすことを発見した。それをきっかけに、世界各国の研究者が体内時計とメタボリック症候群に関する大規模な調査に取り組んだ。

その結果、夜昼の区別のない不規則な生活をしている人ほどメタボリック症候群を発症しやすいことが明らかになった。榛葉准教授は「肥満予防には、早寝、早起き、朝食をしっかり食べるなど規則正しい生活をして、体内時計の働きを高めることがなにより大切」と話す。

活動時の脂肪の燃焼に自律神経が重要な働きをしていることも分かってきた。自律神経には交感神経と副交感神経があり、活動中は交感神経の働きが活発になる。脂肪燃焼にある「β3受容体」は、交感神経の刺激を受けて脂肪分解などを進めるため、機能の低下が脂肪蓄積の原因になる。

トウガラシ効果

この受容体の機能を高める研究も進められているが、医薬品への応用はまだ先だ。そのかわり身近な食材に一定の効果があることが分かってきた。

京都大学大学院人間・環境学研究科の森谷敏夫教授はトウガラシの辛味成分であるカプサイシンを含んだカレーを食べたときの自律神経活動とエネルギー代謝を、カプサイシンを含まない食事をしたときと比較した。

その結果、カプサイシンを含んだ食事をしたときに自律神経の活動、エネルギー消費量のいずれも高まったことを明らかにした。

脂肪の質に注目した研究も進んでいる。筑波大学の島野教授は、メタボリック症候群を起こしにくいマウスの脂肪組織を構成する脂肪酸は、青魚などの脂に含まれ体に良いとされるエイコサぺンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)に近い性質を持っていることを動物実験で解明した。

これらを食事で取っても脂肪細胞の機能を高めるのではないかと期待されたが、最近、その効果を裏付ける調査が発表された。

国立国際医療研究センターや国立がん研究センターの研究グループは、約5万人を対象に魚介類を食べる頻度、種類、量を調査し5年後の糖尿病発症率を調べ、結果を今年8月の米臨床栄養学の雑誌の電子版に掲載した。

その結果、男性の最も多く魚を食べるグループでは、最も少ないグループと比較して、糖尿病を発症する頻度が低い傾向が見られた。しかも、アジ、イワシなどの小、中型の魚やサケなどの脂の多い魚を食べた男性ほど発症リスクが低下していた。

こうした脂肪代謝に関する最新の研究成果を基に、脂肪を燃焼しやすい生活習慣を下記にまとめてみた。日大の榛葉准教授は「いずれもこれまで健康によいといわれていた方法だ。健康常識に科学的な裏付けがなされつつある」と話している。

1.定時起床、朝食は毎日しっかり食べる
2.しっかりかんで食べる
3.食事の前後に軽い運動を
4.スパイシー料理を食べる
5.脂肪ののった魚料理を
6.夕食は早めに。夜食はがまん。

いかがでしたか、私たちが普段、円心五法で言ってきたことがまとめられているように思いませんか。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士