本山健治の円心五法の真髄

「円心五法」の真髄を中心に健体康心についての気づきをお届けしています。

円心五法の真髄384 腸と免疫力

2013年03月25日 | Weblog
3月23日(土)~25日(月)で協会認定のトレーナー養成講座を実施していました。その為、今日のメルマガが今になってしまいました。

最近のテレビ番組では腸に関する話題や、免疫力のことが多く取り上げられています。腸の環境を良くすること。排泄を優先することの大切さなど、30年以上前から、寒河江徹先生が強く言われていたことが、最近のキーワードになってきています。

そこで、今日は腸の環境と免疫力のお話をしましょう。腸の環境といえば善玉菌と悪玉菌の戦いです。ところが先日のテレビで日和見菌の役割が腸内環境に大きく影響を与えるという番組を見ました。

善玉菌が優勢になると一斉に日和見菌が善玉菌を味方し、悪玉菌が優勢になると一斉に悪玉菌の見方をするといった都合のいい菌がいるというのです。良くある人間社会をイメージしてしまいそうです。ということは善玉菌が常に優勢な状況を保つことが大切なようです。

腸の環境を良くしておくことは免疫力を高めることに繋がります。腸は体内にありながら外界とつながっている臓器といえます。口から食道、胃を通り、腸へと続くトンネルのような構造をしていて、口で食べ物を噛み砕き、胃や十二指腸、小腸で消化された栄養素は小腸で吸収されます。

しかし、口を通って腸に入ってくるものは食べ物だけではありません。細菌やウイルスなどの病原体も一緒に入ってきます。腸内にたどり着いた物が無害か有害かを免疫細胞が判断し、有害なものは大腸を通って便と一緒に排泄しているのです。腸は体内にありながらも、外界からの病原体の侵入をくい止める最大の免疫器官なのです。

腸には免疫細胞の6割が細菌やウイルスの侵入を防御するために待機しています。すごいと思いませんか。だからこそ、腸の免疫細胞を活性化することが、免疫力を高めるポイントとなるのです。この免疫細胞が活発に働くためには腸内の環境を良くしておかなければなりません。

免疫細胞がどのようにして病原体を退治するのかその仕組みを簡単に説明しましょう。細菌やウイルスなどの病原体が腸内に侵入してくると、最初にマクロファージなどが、病原体を食べバラバラにします。しかし、これをかいくぐったウイルスなどには免疫の要であるNK細胞やTh1細胞などの2弾、3弾といった免疫細胞で攻撃して、病原体の侵入を防いでいるのです。

免疫力を高めるには腸に存在する免疫細胞を活性化させなければなりません。その為にはどのような食べ物を摂ったらいいのでしょうか。

実は私たち日本人が昔から摂り続けているもの、漬物やみそ、醤油、納豆などの発酵食品です。先日のテレビでネバネバ三兄弟といって「納豆」「おくら」「めかぶ」を紹介していました。納豆はあったので早速スーパーに行っておくらとめかぶを買いに行ったところ、めかぶがありません。

店員の方が「テレビで何かやりましたか、こんなことはないのに」とのこと。私をはじめ日本人は情報に振り回されるなーと反省です。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄383 メリフィック・フェイス・インストラクターが誕生

2013年03月18日 | Weblog
3月16日〜17日で、メリフィック・フェイス・セラピーのインストラクター講座を開催いたしました。会場の関係もあり少人数での開催でしたが、参加者同士のコミュニケーションが取れるにはとてもいい人数でした。

第一期生は石川の加藤先生、兵庫先生、福井の東野先生、熊本の松土先生、沖縄の島袋先生の5名です。初めて顔を合わせる方もいて、はじめは緊張されている様子が伝わってきます。

有効活用されている方もいれば、これから活用して行きたい方と様々です。理論の指導のポイントでは静かだった皆さんが、実技となるといっきに賑やかになり、「写真撮っておかなくちゃ」と子どものようにはしゃがれている様子は愉快でした。

4月には鹿児島で第二期生のインストラクターが誕生する予定です。これからもインストラクターの方々が増えてくるものと思われます。私自身がこの講座で各地を回っていて受講された方々の反応がとても良く、皆様に喜んで頂いているというのを肌で感じることができるからでしょう。

この講座の内容を少しご紹介しましょう。

東洋的な考え方に経絡というエネルギーラインが体全身を流れているといわれています。この経絡を通して体の隅々までエネルギーを巡らしているのです。経絡は臓腑に直結している12本の経絡と体の前面側の中心を流れる任脈、背中側の中心を流れる督脈を加え14本の経絡があります。

これらは肺経⇒大腸経⇒胃経⇒脾経⇒心経⇒小腸経⇒膀胱経⇒腎経⇒心包経⇒三焦経⇒胆経⇒肝経と巡りまた肺経に戻ってくるのです。途中で任脈、督脈との接合もあり、全身に氣血を巡らし、この氣血の滞りが起きることで、体調を悪くすると捉えています。

生活習慣の乱れや環境を取り巻く様々なストレスなどから、この氣血の滞りが起きやすくなり、私たちの体に本来備わっている恒常性維持機能が低下してきているのです。恒常性維持機能とは体に何らかの異常が起きたら、これを正常な状態に戻そうとする働きです。

しかし、この機能が落ちてくると正常な状態に戻らなくなります。例えば、顔の部分で言えば、頬のたるみや瞼のたるみといった筋肉のたるみが起きてきたり、ほうれい線やしわが増えてきたりします。若さの大敵です。

顔には大腸経、胃経、小腸経、膀胱経、三焦経、胆経、任脈、督脈という経絡が流れており、メリフィック・フェイス・セラピーを行うことで、これらの経絡の調整ができ、本来、その方が持っている恒常性維持機能が高まり、顔の筋肉を正常な位置に戻すことになります。

その結果たるみが取れ、リフトアップしたり、小顔になったりと嬉しい結果が出てきます。恒常性維持機能は顔だけに表れるものではありません。

顔の経絡を調整することは全身を巡る経絡を調整することにつながり、顔色が良くない、内臓が活発に働いたり、足がとても軽くなったり、全身に効果が表れてきます。

まだ、体験をされていない方には是非、受けて頂きたいと思います。先日、寒河江会長が能登に行かれた時、カードセッションとメリフィック・フェイス・セラピーを組み合わせた体験会を行ったところ、大変な反響があったと主催された加藤先生より報告を頂きました。

今後、ご要望がある地区で、このような体験会を開催していく予定でいます。多くの方に嬉しい体験をして頂き、いつまでも若く、美しく、健康な生活を送って欲しいと願っております。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄382 沖縄県民の平均寿命

2013年03月11日 | Weblog
東日本大震災から2年が経過しました。中々復興が進んでいないようです。避難生活を余儀なくされて不自由な生活を送られている方が、まだ、32万人以上だそうです。決して忘れてはいけない大災害です。改めて、私たちにできることはないか、もう一度考えたいと思います。

震災でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。

今日は前回のメルマガを見て、沖縄の平均寿命には「冷えが絡んでいる」という、ご意見を頂きました。温かい沖縄は冷えとは無縁の地域だと思われていませんか。残念ながらエアコンの普及に伴い暑いときほどエアコンによる冷えが問題になっています。

前回、沖縄の平均寿命が落ちた原因が食生活の乱れと車社会による運動不足が原因だとお伝えしました。しかし、沖縄の冷えの問題は重要です。梅雨明けをした沖縄に行くことがよくありますが、東京の日差しの強さと沖縄では全く違います。差すような日差しで“痛い”という表現がぴったりです。

外の気温は“暑い”という状況なのにタクシーに乗れば涼しいくらいに冷房が効いています。レストランに入って食事をしていると寒いくらいに体が冷えているのを感じます。このような生活が続けば、冷えで悩む人が出てくるのは当然だろうと思われます。

外は暑く、部屋は寒いという環境を1日に何度も繰り返していると、自律神経の乱れにつながりやすくなります。自律神経の乱れからくる冷えは、虚証、実証タイプに関係なく冷えとは縁のないような体型の人にも起きてきます。このような冷え症の人が沖縄には多いのではないでしょうか。

やはり自律神経の話になりますが、無意識に体の機能を調整してくれているのが自律神経です。この神経の働きを自覚することはできませんが、常に正常な状態に保つために働いており、免疫に関わる白血球にも大きく影響を与えます。

丁度、新潟大学の「安保徹」先生の「免疫革命」を読み直していました。自律神経の白血球の割合が交感神経優位の状態では顆粒球が増え、副交感神経優位の状態ではリンパ球が増えることは何度も説明してきました。

白血球は大きく分けると顆粒球約60%、リンパ球約35%、単球約5%の割合で、この比率が交感神経と副交感神経のどちらが優位かで異なってきます。

白血球には各々役割があり、私たちの体に異物(細菌など)が入ってくると単球のマクロファージや顆粒球が、これらを食いつぶして処理してくれて、簡単には病気になりません。また、ウイルスが体に入ってくると、リンパ球が抗体を作り、ウイルスへの抵抗力をつけてくれます。

沖縄の平均寿命に話を戻しますが、冷房による冷えが自律神経のバランスを崩し、ますます、冷えてしまう状況を作り出しています。冷えるということは、冷えている箇所の血液循環が悪いことを意味します。血液循環が悪いと細胞は活性しません。

60兆の細胞が活性しないということは本来の恒常性維持機能が低下してしまいます。自分の力で正常な状態に戻すことができず、色々な病気の原因になるのです。昔から「冷えは万病の元」といわれる理由が良く分かります。

沖縄県民の平均寿命に冷えも大きく関わっているのが良く分かります。冷房で体を冷やし、自律神経の乱れを作り、恒常性維持機能が落ちて、免疫力や抵抗力が低下し、病気の原因を作っています。

沖縄県民に限らず、寿命を延ばすには、「食生活の改善」「運動不足解消」に加え、「冷えの解消」も重要なポイントといえるようです。

生涯現役で、自分の足で立ち、自分の足で好きな所へ行ける、そのような人生を送りたいものですね。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄381 日本人の平均寿命

2013年03月04日 | Weblog
日本の長寿県をご存知ですか。イメージとして沖縄ではないかと思っている方が多いのではないですか。2010年の平均寿命のランキングが発表されました。実は2005年では沖縄の男性は全国25位、今回の発表では何と30位という状況です。

沖縄の女性は2005年では何とか1位を維持していましたが、2010年では3位と、とうとう他の県に1位を譲ってしまったのです。それでは沖縄に変わった県はどこなのでしょうか。男女共に長野県が1位に躍り出たのです。

沖縄が1位を譲り渡した大きな要因が、食生活の欧米化と車社会における運動不足により、肥満者が急増したことにあります。男性の平均寿命が急に落ち始めた15年ほど前から、肥満者の割合が20代、40代、50代の男性、そして40代、50代の女性は全国平均の2倍になっていたのです。

私も沖縄の郷土料理を食べたことがありますが、健康に良さそうな料理ばかりでした。しかし、戦後、アメリカの占領期を経て、それまでの伝統的な食文化は一変し、欧米化が一気に進みました。

同時に移動の手段が歩くか、車しかなく、今では人口2人に1台、成人のほとんどが車を持っているという状況です。この車社会が肥満を急増させてしまい、平均寿命が下がったものと思われます。

男女ともに1位となった長野県は1965年には脳卒中による死亡率が全国で1位というワースト記録を持っていました。そこで1981年から「減塩県民運動」を展開し、「みそ汁は1日1杯」「そばやラーメンの汁は半分残す」など分かりやすい事例をあげ、県民に食生活の改善を促してきたのです。

また、地産地消を奨励し、地元の野菜をたくさん摂ることを推進してきました。その結果、1日当たりの野菜の摂取量も日本一になったのです。食生活改善推進員や保健指導員といった住民主体のボランティアが中心となり「歩け歩け運動」など、健康づくりの取り組みも活発に行われています。

このような県全体の取り組みが、県民の意識を変え、また、現役で農業に就く元気な高齢者が多く、社会参加する機会も多いようです。死亡原因の三大疾病、ガン、心疾患、脳疾患による死亡率が低下し、長寿日本一となったのです。

長寿といっても、自分の足で歩き、好きな所にも行けず、寝たっきりで長生きをしていても生きている喜びを感じることはできません。長野県の高齢者のように農業に従事することで、社会の一員として、存在するということが、生きがいにもつながってきます。

他の地方自治体でも、同様の取り組みがされることを期待しながら、当協会でできることはないだろうかと考えました。やはり、「一家に一人のフットセラピスト」を全国に展開し、健康五原則である円心五法の「食事」「運動」「精」「精神」「休息」を普及していくことだと感じています。

夫婦で足を揉み、親子で足を揉むことで、家族のコミュニケーションが取れてきます。孫がお祖父ちゃん、お祖母ちゃんの足を揉めば、お年寄りの足が丈夫になり、自分の足で歩き好きな所に行くことができます。そこには明るく楽しい家庭が誕生していることでしょう。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士