理事長ブログ 心と体を癒やす

健康とは「健体康心」の略語です。体が健やかで心が康らかな状態を指します。心身の健康をセルフケアする方法を紹介しています。

円心五法の真髄486 五行を日常生活に活かす

2015年03月25日 | Weblog
東京でも23日に桜の開花が発表になりました。いよいよ春ですね。22日、23日と鹿児島に行っていましたが、22日は20℃を超える気温で、とても暖かい一日でした。

23日の勉強会では「春には肝経と胆経を調整しよう」というテーマで行いました。春といえば五行では「木」になります。臓腑では肝と胆ですので、肝経と胆経の調整法を実践しながら、五行や経絡を日常生活にどのように活かしたらよいのか、確認していきました。

「木」のエネルギーが低下し、肝経、胆経の滞りが起きて来ると、目が疲れやすく、中々目の疲れが取れないとか、筋肉が急につりやすくなったりします。爪が縦に割れてくるなどの症状も出やすくなってきます。

また、「五志」といって感情面にも色々な反応が現れてきます。「木」の「五志」は「怒」で、「木」のエネルギーが滞ってくるとイライラしやすくなったり、すぐにカーとなり、怒りの感情を抑えきれなくなったりしてきます。

足の色の観察にも使っているその人が持っている「五色」は何色かを観察します。「木」と関係する「五色」は青で、怒って青筋を立てている人をイメージすると、青の色が分かると思います。このような色の人は青色のものを身につけることで不足しているエネルギーを補うことができます。

味覚も「五行」と関係が深く、「五味」で現されます。「木」の「五味」は「酸」で、すっぱいものと関係しています。酸味の強いものを好んで食べる人は、程よく摂っていると「木」のエネルギーを高めることになりますが、食べ過ぎてしまうと「木」のエネルギーを落としてしまいます。

季節では「五季」の「春」に相当します。春といえば草花が芽を出し、命の息吹を感じるときでもあります。人生では「誕生」にあたり物事の始まりを意味しています。「木」のエネルギーが高ければ自分のやりたいことをすぐにチャレンジしますが、エネルギーが落ちてくると、一歩が踏み出せなくなってしまいます。

このように「五行」は私たちと自然をつなぐ大きな役割も持っているのです。例えば「木」のエネルギーが落ちてきたら何をすればいいのでしょうか。それは「木」に関わる「肝経」と「胆経」の滞りを取り除くことです。「木」のエネルギーが流れ、恒常性維持機能も高まり、心も体も正常な状態になるのです。

それでは胆経の流れを良くするにはどうすればいいのでしょうか。顔で三焦経の「絲竹空」のツボから胆経の「瞳子髎」のツボにつながります。側頭部を通り、一旦額に出て、頭部を通り、体の体側を通って第4趾の井穴「竅陰」につながります。

肝経は胆経が竅陰につながる途中から分かれて、第1趾の肝経の井穴「大敦」につながり、ここから肝経が始まります。脛骨の内側の上を通って、太ももの内側を通り、わき腹から胸までつながりっています。

胆経の滞りを改善するには第4趾を施術します。第4趾にメリフィックアロマオイルの「エルフィン」を塗り、強めに揉み解し、最後に井穴の「竅陰」をしっかりと押します。もともと痛いツボなので、我慢して刺激するといいでしょう。

足趾を施術できるときはいいですが、靴を履いているときなど簡単には足趾への施術はできません。そのときは顔の施術を行いましょう。「エルフィン」のオイルを左右の手の指先に取り、耳の上から耳に沿って頭骨の際にある「完骨」ツボまで、「の」の字を書くように小さく回しながら緩めていきます。

施術を行う前に筋肉の動きを観察してから、施術を行うと変化が良く分かります。肩幅くらいに両足を開いて立ちます。息を吐きながらゆっくり左右に曲げ、左右どちらが曲げやすかったでしょうか。

左に曲げたときに曲げにくいようでしたら、右側側面の筋肉に硬直があるようです。右足の第4趾に「エルフィン」のオイルを塗り、良く揉みます。その後「竅陰」を3回押して、同じように立ち上がり、左右に曲げてみましょう。曲げにくかった左のほうが曲げやすくなっていませんか。

肝経の場合も同様の筋肉の動きを観察して、硬直のある側の足の第1趾にオイルを塗り、良く揉んだ後に「大敦」を3回押します。このように経絡の滞りを取り除けば恒常性が高まり、自然に理想の状態に戻してくれるのです。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄485 「春眠暁を覚えず」だけど

2015年03月18日 | Weblog
「春眠暁を覚えず」と心地よい季節に入り、睡眠不足を解消できそうです。しかし、暁に気がつかないほど眠れればいいのでしょうが、残念ながらこの眠りに悩む人が5人に一人、2,400万人といわれます。その中で、実に睡眠薬を飲んでいる人は600万人といわれます。

眠れないということはとても辛いことです。日中の脳の疲れを睡眠が取ってくれるのですが、脳の疲れが残ったままで朝を迎えることになります。不眠が続けば脳の疲れだけでなく、体の疲れも取ることができなくなってきます。

不眠の大きな原因として自律神経の失調があげられます。自律神経が副交感神経優位になれば自然に眠りに入れるのですが、昼間の行動や出来事が、交感神経優位の状態を継続させて、寝ようとしても中々眠りに入れないのです。

自律神経は自然のリズムと同調して動いていますから、日常生活を自然の状態に戻すことが最優先されます。日の出とともに起床すると自律神経は交感神経が優位に働くようになります。日の入りとともに休息の準備に入りましょう。お風呂に入り、床につくと自然に副交感神経優位になり、眠りに入れるのです。

ところが、日中の生活で不満があったり、イライラしたり、人を恨んだり、と興奮するようなことが多くあると交感神経優位の状態が続き、夜になっても副交感神経優位の状態に切り替わりません。これではとても眠れません。日中を穏やかな心で生活できるかが、不眠解消に役立ちます。

心穏やかな状態はどのようにしたらできるのでしょうか。不満や怒り、妬みといったものはすべて人間関係に問題があります。人との関係の中に起きてくる問題ばかりです。この人間関係を良好にする方法は触れ合いしかありません。

仕事中に触れ合うといっても簡単にできることではありません。そこで意識して肩を軽く叩いて挨拶をする。褒める、握手をするといった機会を多く持つようにしましょう。時には休憩時間にハンドセラピーなどできれば最高ですね。

触れることによって愛情ホルモンのオキシトシンが活発に分泌され、穏やかな一日を送ることができるでしょう。夜寝るときには周りの人たちに「ありがとう」と素直な心で感謝をしながら眠りにつけます。

人間関係のトラブルは職場や地域社会に限ったことではありません。家族間での人間関係のトラブルに悩む方が非常に多いのです。嫁と姑、親と子、夫婦間など外でのトラブル以上に深刻な問題です。テレビのニュースに流れてくる殺人事件で、家族間の殺人が如何に多いかです。

これらは触れ合い不足が原因と思われます。家族構成も核家族化で三世代や四世代が一緒に暮らしている家族が少なくなりました。一緒に住んでいないので、嫁と姑のトラブルは少なくなったのかも知れませんが、親子の触れ合い、夫婦の触れ合いが極端に少なくなっているようです。

このような家庭にお勧めしたいのが、協会が打ち出している「一家に一人のフットセラピスト」を育てることです。触れ合い不足にはフットセラピーやハンドセラピーが最高です。会話のなかった中学生の息子が学校での出来事を話すようになったり、大学にいけなくなったウツの女子大生が母親のフットセラピーで大学に復帰できたりと多くの体験が寄せられています。

フットセラピーは自律神経をコントロールしている間脳が正常な働きを取り戻し、自律神経の乱れやホルモンバランスの乱れを改善し、自然に副交感神経優位の状態になり、眠りに落ちていくのです。

不眠で悩まれている方に、是非、触れ合いを取り戻して欲しいと思います。基本は家族との触れ合いです。お互いに足を揉みあいっこすることで、穏やかな心を取り戻し、ぐっすり休めるようになることでしょう。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄484 経絡と恒常性維持機能

2015年03月11日 | Weblog
7日(土)岡山県の倉敷、8日香川県の高松で勉強会を開催してきました。二ヶ所とも同じ「春には肝経と胆経を調整しよう」というテーマで行いました。

手足の末端に流れる経絡の井穴に刺激を入れるだけで、なぜ関連する筋肉の硬直が取れ、正常な働きを取り戻し、可動域が増えるのでしょうか。

今回の肝経、胆経では立位の姿勢で、左右に体を曲げたときと両手を前に伸ばし、左右に回したときの動きで確認してみました。動きが悪かったほうと逆の足にある井穴、肝経は第1趾の第2趾側の爪の角にある「大敦」、胆経は第4趾の第5趾側の爪の角にある「竅陰」を刺激します。

二人一組になり、まず、体の動きを確認し、その後井穴を刺激しました。もう一度、同じような動きをして体の可動域を確認すると、「なんでー」「エーほんと」といった声があちらでもこちらで上がります。「筋肉には一切、触っていないのに不思議」と皆さん感動です。

私たちの体を流れる12本の経絡は肺経⇒大腸経⇒胃経⇒脾経⇒心経⇒小腸経⇒膀胱経⇒腎経⇒心包経⇒三焦経⇒胆経⇒肝経と流れ、また、肺経につながります。途中で、前面の正中心を流れる任脈や背中の正中心を流れる督脈ともつながりながら、全身にエネルギーを巡らしているのです。

経絡をイメージするには電車の線路と途中の駅でイメージするとわかりやすくなります。線路が経絡であり、駅が経穴(ツボ)になります。どこかの駅で事故が起きると電車が止まってしまうように体に異常が起きてくるとエネルギーが正常に流れなくなってきます。

このようなときに鍼を打ったり、お灸をしたり、指圧をしたりしながら治療を行っているのが、鍼灸の先生方です。私たちは医療行為や医療に順ずる行為などは一切行うことはできません。治療は先生方にお任せするとして、私たちは病気にならないための予防や、より健康になるための方法を実践してまいりましょう。

12本の経絡の末端が手や足につながっていて、特効ツボといわれる井穴が爪の角にあります。今回の勉強会でも行ったようにこの井穴を刺激すると刺激された経絡のエネルギーの流れが良くなり、この経絡が通っている筋肉の働きが正常な状態を取り戻します。

しかし、私たちを取り巻く生活環境が自然から隔離された状態の生活では、私たちが本来持っている恒常性が低下してしまいます。恒常性とは常に体の働きを正常な状態の戻そうとする働きですが、この恒常性が低下してしまっています。この積み重ねが病気への道を進むことになります。

このようなときに経絡のエネルギーを流してみましょう。その簡単な方法が、勉強会で行ったように筋肉の働きで確認できます。井穴を刺激することで、経絡の滞りが改善され、筋肉の恒常性維持機能が高まり、正常な働きを取り戻し、体の動きの可動域が増したのです。

勉強会の中でも使用した「メリフィックアロマオイル」が大好評です。井穴を刺激するときに各々のオイルを塗りながら行うと顕著に筋肉の緩みを確認することができました。

肺経、大腸経には「スパイダーリリー」を、脾経、胃経には「レインボー」を、心経、小腸経には「サンフラワー」を、腎経、膀胱経には「ワックスアップル」を、心包経、三焦経には「ロータス」を、肝経、胆経には「エルフィン」を各々井穴に塗ってみましょう。

より恒常性維持機能が高まり、筋肉の働きが正常に働いてくれることでしょう。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄483 本格的な花粉症の季節

2015年03月04日 | Weblog
昨日あたりから目がかゆくてかゆくてたまりません。くしゃみはそれほどではありませんが、マスクは欠かせません。毎年、病院に行かないでどこまで回復できるか頑張っています。

早めに病院に行って予防しましょうとテレビなどでは言っていますが、本当の解決にはならないだろうと、病院に行かないで過ごしています。自分なりに経絡を流したり、足湯をしたり、解緊運動で鼻の導引を行ったりと試しています。だからこそ、この程度で治まっているのかも知れません。

鼻にかかわる経絡といえば、「肺経」や「大腸経」があります。この経絡は呼吸器全般に関わっていますが、面白いことに大腸の働きにも影響を与えます。花粉症の対策として乳酸菌が取り上げられていますが、東洋医学では肺と大腸は深いつながりがあると捉えています。

鼻や気管支、肺といった呼吸器の働きを高めるには「肺経」のエネルギーの流れを良くしておくことが大切です。肺経は胸の大胸筋から始まり、三角筋や上腕二頭筋を通り、親指にある井穴「少商」につながっています。

手軽にできるセルフケアを実践しましょう。新発売のメリフィックアロマオイルの「スパイダーリリー」を使って行います。手の平側の親指の手首の際にある原穴「太淵」にオイルを塗り押し揉みします。その後、親指の外側の爪の際にある井穴「少商」にもオイルを塗り、強めに3回押します。

また、腸の環境を整えることも重要です。腸内には善玉菌や悪玉菌などの腸内細菌が、腸の環境に影響を与えています。腸の環境が良ければ免疫力も高まり、花粉症対策にも効果的です。

そこで、大腸経のエネルギーの流れも良くしておきましょう。大腸経は人差し指の親指側の爪の角にある井穴「商陽」から始まり、手の甲側の原穴「合谷」を通り、肩の三角筋、僧帽筋、首の広頚筋から口の口輪筋まで流れています。

大腸経も「スパイダーリリー」のオイルを使ってセルフケアを行います。まず、人差し指の井穴「商陽」にオイルを塗り強めに3回押します。次に親指と人差し指の交わるところにある原穴の「合谷」にオイルを塗り、よく押し揉みします。

花粉症もアレルギー性鼻炎のひとつです。このアレルギーには副腎の働きを活発にして副腎皮質ホルモンの分泌が正常に行われるように日常のケアが大切です。副腎に関係するツボは「湧泉」です。足裏の重要なツボで、足を両側から軽く挟むようにしたときにできる「人」文字の交わるところが「湧泉」です。

「湧泉」は「腎経」の井穴(私たちは「湧泉」から氣の流れのある「内至陰」を井穴と捉えています)ですので、「腎経」や「膀胱経」のエネルギーを流してくれる「ワックスアップル」のオイルを使ってセルフケアを行いましょう。

「湧泉」にオイルを塗り、よく押し揉みします。強く押したいときはゴルフボールを使うととても楽に押せます。足裏の「湧泉」のところにゴルフボールを持っていき、ボールを踏みつけます。立ち上がって踏みつければ、もっと強く押せます。

また、第5趾には腎経の「内至陰」が第4趾側の爪の角にあり、逆の外側に「膀胱経」の井穴「至陰」があります。第5趾にオイルを塗り、よく揉み解した後に「内至陰」や「至陰」を強めに3回押します。

次に内踝周辺にオイルを塗り、揉み解します。ここには腎経の経絡が流れています。最後に内踝のすぐ下にある「照海」のツボを3回押します。続いて、外踝周辺にもオイルを塗ります。ここには膀胱経の経絡が流れており、外踝とアキレス腱の間にある「崑崙」のツボにもオイルを塗り、3回押します。

メリフィックアロマオイルを使われていない方はイメージがわかないと思いますが、オイルがなければそのまま、押したり揉んだりしてみましょう。花粉症でお悩みでしたら、是非、実践してみてください。来年は花粉が飛び出す前から行うとより効果が期待でます。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士