理事長ブログ 心と体を癒やす

健康とは「健体康心」の略語です。体が健やかで心が康らかな状態を指します。心身の健康をセルフケアする方法を紹介しています。

円心五法の真髄436 子どもの無限の可能性を引き出す

2014年03月31日 | Weblog
29日の土曜日に本部で寒河江秀行会長のミニセミナーを実施しました。「誰もが子育てに悩んでいる」というテーマで今後、各地で開催を予定しているセミナーです。

円心五法の創始者である「寒河江 徹」先生が51年前に活動を開始された原点が「子どもの無限の力を引き出す」という無限塾からスタートしていると聞いています。

どんな子どもにも無限の力があるにも関わらず、親の思い込みや関わり方の間違いで、無限の力が発揮できないでいる子どもが多いと言われていました。

親の勝手な思い込みで、子どもの性格を決めつけたりしていませんか。その子がどのような性格でこの世に生れて来たのか、その本質が分かるようであれば関わり方が分かってきます。言葉の出し方も変わってくると思いませんか。

今回のセミナーでは子どもが本来生まれ持っている本質を手軽に知る方法を紹介しました。大人でも生まれ持った本質がありますので、参加者ご自身の本質はどこにあるのかをキッズカードを使って見てみました。

ご自身が選んだカードから生まれ持った本質をカウンセリングしていくと「本当だ」「そうです」「あたっている」「自分の子どもにもやってみたい」などの反応がありました。ここではこの程度にして詳しくは各地で開催するセミナーで体感して欲しいと思います。

もう一つは、誰しも産まれてくるときに「バーストラウマ」を抱えて産まれてくると言われています。母親の胎内で安心して育てられているのに突然、陣痛が起こり母の胎内から痛い思いをして、無理に押し出されてきます。母と別の場所に置かれるという不安が心の傷となり、これがバーストラウマと呼ばれるものです。

この心の傷を癒すには母親との触れ合いが大切です。お母さんとの触れ合いや関わりが多い子どもほどこのバーストラウマを引きずらないのですが、触れ合いや関わりが少ない子どもはこのトラウマが癒されずに心の傷を引きずってしまいます。

このように生まれてすぐの赤ちゃんの時から触れることがとても大切です。だからといって難しく考える必要はありません。普段からおっぱいをあげながら抱きしめては、笑顔で優しい言葉を投げかけましょう。オムツを交換する時、抱っこをする時など、いつでも愛情を持って声をかけながら抱きしめましょう。

バーストラウマを解消するにはお母さんとの触れ合いは、不安だらけの赤ちゃんに安心感を与えることができます。お母さんが優しく触れ、喜びの言葉をかけることにより、安心感を取り戻しトラウマによるとらわれから解放されるのです。

また、お母さんが赤ちゃんを産んですぐは母性本能がそれほど高いわけではありません。赤ちゃんにおっぱいをあげたり、抱っこしたりしながら、母性本能が高まって行くのです。この時は愛情ホルモンと言われるオキシトシンがお母さんにも赤ちゃんにも活発に分泌されてきます。

トラウマといえば、潜在意識の大きな黒丸と言っていいでしょう。子どもが成長するに従いフットセラピーやハンドセラピーで親子の触れ合いを多く持つようにしましょう。単に触れ合うだけでなく、愛情を込めて優しい言葉を投掛けながら施術を行うと皮膚を通した心地よさに加え、小さな白丸を潜在意識に取り入れることができます。

白丸は小さくても次第にその数がトラウマの黒丸を追い越す時がきます。こうなればトラウマのとらわれから解放されバーストラウマの影響を受けなくなります。赤ちゃんの時の触れ合い不足を感じるようでしたら、今からでも遅くありません。お父さん、お母さんが子どもの手や足を揉んであげましょう。

年齢は関係ありません。30代、40代の子どもであっても両親が手や足を揉むことで親子の絆が深まり、素敵な家族が誕生することでしょう。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄435 腸内細菌と抗生物質

2014年03月24日 | Weblog
腸の環境については何度もお話してきました。善玉菌と悪玉菌のバランスを保つことの大切さや免疫力にも腸の環境が影響することをお伝えしました。今回は腸の環境に大きく影響する腸内細菌と抗生物質がどのように影響するのかが研究で分かってきました。

日経新聞で「健康維持に大切な腸内細菌…」というタイトルで抗生物質と腸内細菌の関係を紹介した記事を参考にお伝えします。

筑波大学のマウスを使った動物実験で、抗生物質を与えると乳酸菌などが減る一方でカビの一種であるガンジダ菌が異常に増殖します。通常はガンジダ菌が作り出す物質は無害なのですが、増殖すると血液を通して肺に大量に送り込まれ、ぜんそくがひどくなったそうです。

また、抗生物質の種類によって異なりますが、最も多い場合は2週間で腸内のガンジダ菌が通常の100万倍に増えたという報告もあります。

食べ物は口から入り、胃酸などで消毒されるのですが、全ての細菌を殺すことはできません。そのまま腸まで到達して体内に侵入します。その為、腸には免疫細胞の7割近くが集まっていて、ウイルスなどが血液中に侵入しても免疫細胞が処理してくれています。

ところが、抗生物質などを使いすぎると善玉菌が減少し悪玉菌が増えることになり、腸内環境を悪くして、免疫力にも影響を与えやすくなります。腸内環境を悪くする原因は抗生物質だけでなく、食生活の乱れやストレスも大きな要因になります。

厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」でも腸内細菌のバランスを保つことが健康に大きく影響すると訴えています。

また、母親の胎内では胎児に腸内細菌はいません。生まれた後に食べ物などから徐々に体内に入り、離乳食を食べ始める2歳頃になると急速に増えてきます。最近のお母さんは綺麗好きになり、人によっては潔癖症で異常なほど清潔にすることを子どもにも強要しています。

私たちの子どもの頃は泥んこになって遊んでいました。幼児期は土に触れたり、手にするもの全てを口に運んだりすることで自然に、腸内細菌のバランスが保たれるようになるのです。幼児期に清潔すぎると腸内細菌の種類が増えず、大人になってもバランスの悪いままになる危険性があります。

もう一つ面白い内容がありました。病気によって腸内細菌の構成パターンに特徴があるというのです。例えば、糖尿病の人と健康な人とでは異なる特徴を持っていることが分かってきたようです。腸とは全く無縁の自閉症にも特有のパターンが見つかっているようです。

今後、研究が進めば、腸内細菌のパターンを調べることで、病気の予測ができることにもなりそうです。病気治療に腸内細菌を活かす研究も始まっていると言います。

それでは腸に取ってどのような施術が効果的かご紹介しましょう。

五行では「小腸」は「火」にあたり、「大腸」は「金」にあたります。「火」と「金」は相剋の関係にあり「火」のエネルギーが「金」にダメージを与える可能性があります。この「火」と「金」のエネルギーを調整することで、小腸や大腸の働きも高めることができます。

具体的に調整するには「火」に属する「心経」と「小腸経」の経絡を調整し、「金」に属する「肺経」と「大腸経」を調整します。この4本の経絡は全て、手に集中していますので、基本のハンドセラピーを行いましょう。

その後、「心経」の小指側の手首を曲げた時にできるしわのところにある原穴「神門」を押し、軽く外側に回して、そのまま小指の方にエネルギーを流すようにします。次に小指の薬指側の爪の角にある井穴「少衝」を3回押します。

次に「小腸経」は小指の「少衝」と逆の角にある「少沢」を3回押します。そして、小指の甲側の第5中手骨の手首側の骨の際にある原穴「腕骨」を押し、軽く外に回して肘の方向にエネルギーを流します。

今度は「肺経」です。親指側の手首を曲げた時にできるしわのところにある原穴「太淵」を押し、軽く外側に回して、そのまま親指の方にエネルギーを流すようにします。次に親指の外側の爪の角にある井穴「少商」を3回押します。

次に「大腸経」は人差し指の親指側の爪の角にある井穴「商陽」を3回押します。そして、親指と人差し指の交わるところにある原穴「合谷」を押し、軽く外に回して肘の方向にエネルギーを流します。

腸の環境を整えるには食事は欠かせません。腸内細菌の善玉菌を増やすには「せんい」を多く含む根菜類や海藻を摂り入れ、オリゴ糖を多く含む玉ねぎやごぼうなどを多く取り入れるように心がけ、腸内環境を整えましょう。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄434 「春眠暁を覚えず」だが…

2014年03月17日 | Weblog
長い冬でしたね。昨日あたりから春らしい気温になってきました。「春眠暁を覚えず」という季節が近づいています。夜明けに気が付かないほどぐっすりと寝てしまいそうです。ところが、こんなにいい季節にも関わらず、不眠で悩む人が大勢います。今日はこの不眠を取り上げましょう。

不眠の原因によって対処法が異なります。不眠の主な原因から見ていきましょう。

何らかの身体の疾患が原因で起きる不眠症があります。例えば、アトピー性皮膚炎で寝ようとしてもかゆみで眠れない方や脚の筋肉が頻繁につるようになり、寝ていても痛みで目が覚めてしまい、不眠症になってしまう方などは不眠症を治す前に、根本の病気を治すことを優先するしかありません。

また、アルコールが原因の場合もあります。アルコールはよく眠れるようなイメージがありますが、少量のアルコールであれば、体温を下げ副交感神経優位になり睡眠に入っていけます。しかし、量が増えてくると3時間後にはアセトアルデヒドに分解され、交感神経を刺激し体温が上昇する為、目が覚めてしまいます。

また、アルコールの量が多くなると解毒して排泄しようとして尿を溜めていきます。その為、尿意をもよおし、夜中に目が覚めてしまい不眠の原因になります。アルコールはほどほどがいいですね。

最近多いのはストレスが原因で不眠症になってしまうことです。過度のストレスが常にかかる状況にあると常に交感神経が優位の状況にあり、自律神経が中々副交感神経に切り替わらなくなります。副交感神経はくつろぎの神経といわれるように筋肉や神経の緊張を緩めてくれます。

しかし、過剰なストレスを受け続けると交感神経が常に優位の状況にあり、床に入って寝ようとしても活動型の交感神経が働き、体温も高く、神経は興奮状況でとても眠れる状況にありません。ストレスと不眠からうつ病を引き起こすことにもなりかねません。

身体の疾患やアルコールは自分の自己管理でコントロールできるものですが、ストレスは自分自身で中々コントロールできないものです。その結果、不眠症で悩んでいるようです。それでは過剰なストレスが原因で起きる不眠症の解消法を探っていきましょう。

私たちが生活していく中では程よいストレスは必要ですが、過剰なストレスは問題です。物事の捉え方によってはストレスを軽減することができますが、「こうすれば軽減することができます」というような簡単なものではありません。

しかし、それを手軽にコントロールできる方法があるのです。それが「呼吸」です。日々の呼吸に次のようなやり方を取り入れてみませんか。

ご存知の腹式呼吸です。できるだけゆっくりと長く息を吐きます。この時、下腹を凹ませながら吐きます。次にゆっくりと息を吸います。下腹まで吸い込むようにイメージしながら下腹が膨らむように吸います。下腹に意識を持っていって、最初は意識的に膨らませたり凹ましたりして行います。

この腹式呼吸を数回繰り返していると気持ちがとても落ち着いてきます。自律神経は副交感神経優位の状態になりますので、眠りを誘います。イライラしたり、集中力が落ちたり、気持ちが落ち込んだりした時にこの呼吸を数回繰り返してみてください。気持ちがとても落ち着き楽になります。

初めの頃はできなくても構いません。何度も繰り返しているうちにできるようになり、いつの間にか習慣になっていることでしょう。

さて、自律神経やホルモンバランスを整える経絡といえば「心包経」と「三焦経」があげられます。五行では「火」と見ることが多いのですが、私たちは中心に位置し、全ての五行に関わると見ています。円心五法でいえば中心は「呼吸」なのです。この点からも呼吸がこの経絡の調整役ともいえます。

「心包経」は胸から始まり腕の内側中央を通り、中指の井穴「中衝」につながります。中指につながる途中から薬指に流れ三焦経の井穴「関衝」につながり、「三焦経」は手の甲側中央を通り、腕の中央から肩を通り、耳から眉尻の「絲竹空」につながっています。

両方の経絡が腕を通っていますので、今回はハンドセラピーを行いましょう。基本的なハンドセラピーを行いながら、次のポイントを加えると効果的です。

① 手の平側の手首の中央にある「大陵」に左手であれば右の親指で軽く押し、外側に軽く腕を回します。そのまま中指の「中衝」の方に流すようにします。(3回)その後、「中衝」を3回押します。

② 薬指の井穴「関衝」を3回押します。その後、手の甲側の手首の中央にある「陽池」を右の親指を当て軽く押し、外側に軽く腕を回します。そのまま肘の方に向かって流すようにします。(3回)

「春眠暁を覚えず」心地よい春の眠りを楽しみましょう。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄433 骨粗しょう症がテレビで話題

2014年03月10日 | Weblog
5日のテレビ番組、「ためしてガッテン」で骨粗しょう症の新しい概念が放送され、話題を呼んでいます。ご覧になられた方も多いと思いますが、興味深い内容でしたので今回はこのテーマでお伝えしたいと思います。

今回の番組では骨に関わる新しい概念が報告されました。今までは老化とともに骨も衰えていくというのが一般的な考え方でした。ところが、全く逆の考え方が紹介されたのです。「骨が衰えると、全身が老化する」といい、この事実がマウスの実験で分かってきたというのです。

骨はカルシウムの塊ではなく、代謝をくり返しています。古くなった骨を壊して吸収する「破骨細胞」と骨を作りだす「骨芽細胞」の働きで、1年に20%~30%が新しく入れ替わっています。ところが、骨にはもう一つ「骨細胞」という細胞があります。

この「骨細胞」は、骨に衝撃や重力などの負荷がかかると、「骨細胞」が活性化して、全身の臓器を活性化させる為のシグナルを送りだします。しかし、身体を動かさないで、骨に負荷がかからない状況が続くと、「骨細胞」が減ってしまい元気シグナルも出にくくなってしまうのです。

その結果、免疫機能の低下や赤血球の減少、動脈硬化、認知症など、全身の臓器の働きの低下を引き起こしてしまうのです。加齢だけでなく、若い人でも骨に負荷がかからないと骨密度が落ちたり、骨強度が低下するだけでなく、骨細胞が減少し、身体の機能にまで影響するということです。

骨粗しょう症はお年寄りの病気だと思っていませんか。大規模な調査を行った結果、40代の人にも、なんと10人に1人が骨粗しょう症もしくはその予備群という報告がされていました。私たちが思っている以上に早い時期から、骨密度の低下は始まっているようです。

この典型的な例として、43歳の女性が紹介されていました。Aさんは、管理栄養士の資格をお持ちで、バランスの良い食事をされ、週に1回はエアロビクスの運動もされていたのに、病院でたまたま受けた骨密度測定で、骨粗しょう症と診断されたのです。

何故でしょう、実は、食事や運動よりもっと骨密度に影響する要因があったのです。この要因の第1位が「やせ型」ということです。やせていると骨にかかる体重や重力の負荷が少なくなり、また、脂肪が少ないと、骨を強くする作用のある女性ホルモンが少なくなる傾向があり、骨密度が低下するのです。

第2位の要因は「母親の骨密度」が子どもの骨密度と関係が深いことが調査の結果分かってきました。骨密度が低くなりやすい体質かどうか知る目安となるのが、母親や祖母の骨密度に関係していて母親が骨粗しょう症の場合、子どもも骨粗しょう症になるリスクが高いことが分かってきました。

第3位の要因は身長です。やはり身長が高い人ほど骨に負荷がかかりやすいからです。第4位に運動がきます。第5位にようやカルシウムが来るのです。

二十歳の頃に骨密度は、ピークを迎えます。しかし、この数値には個人差があり、体重や身長などの影響で平均より低めの人は生活習慣に気をつけ、骨密度を減らさない工夫が必要です。二十歳になったら、一度、骨密度検査を受けられることをお勧めします。

二十歳の時の骨密度が、将来骨粗しょう症になりやすいタイプなのかどうかを知っておくことで、生活習慣を見直し、骨密度の減少を最小限に抑えることも可能になります。
骨密度の低下を防ぐポイントをまとめてみました。

食事では1日、およそ700mgのカルシウムを摂るようにしましょう。必要以上にサプリメントなどで摂っても骨密度を高めることにはなりません。皆さんご存知のようにカルシウムの吸収を助ける、ビタミンD、Kも一緒にとることが大切です。キノコ類や豆類などと一緒に食べるようにしましょう。

運動はジャンプなど、骨に負荷をかける運動が骨密度アップに効果あります。大きなジャンプを10回程度、週に2~3回やるだけでOKです。これができないという人は、階段を4階まで上り下りするだけでも効果があります。

1日15~30分、日光浴をすることで、カルシウムの吸収を促すビタミンDが合成されます。日光を浴びるのは手のひら程度の面積でもOKです。

いかだでしたか、骨細胞が減少すると、老化現象も同時に進行するということでした。この骨細胞は骨に負荷がかかると増えるということですので、歩くときに大股で、速足で歩くようにしましょう。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄432 今日は耳の日

2014年03月03日 | Weblog
早いもので、新年を迎えたかと思っていたら2ヶ月が過ぎて、3月に入りました。今日はひな祭りですね。桜の季節を感じさせる暖かい日があるかと思うと、東京の土日は雨で、冬のような寒さでした。

少しずつ春が近づいているようですが、気温の変化が大きいです。体調にも影響を与えますので、この変化に対応できる身体づくりをしておきましょう。

また、3月3日は耳の日でもあります。今回のテーマに迷っていましたので、今回は耳に関する情報をお伝えしたいと思います。

耳の病気は耳鼻科に行って診てもらうとして、日常生活で困っている耳のトラブルの予防法を検証してみましょう。良く聞くものに「耳鳴り」があります。いつも蝉が耳元で泣いているようだと言われとても辛そうです。

耳鳴りの原因としてはっきり分かっていないのが現状だそうです。耳鳴りがする方の90%に難聴があります。加齢とともに難聴になる方が多く、同時に耳鳴りがするという方は加齢による難聴が原因なのかも知れません。

また、ストレスによる突発性難聴も耳鳴りの原因になります。ストレスは自律神経に影響を与え、自律神経の乱れが原因になるとも言われます。

それでは、耳と「五行」の関係から見ていきましょう。耳は五行の「水」に関係しています。「水」のエネルギーが低下してくると、耳だけでなく、骨格や髪の毛にも影響します。同時に腎臓や膀胱の泌尿器にも影響を与えます。

「水」は季節では冬にあたり、冷えやすい環境で生活しています。冷えは腎臓や膀胱の機能を落とすことにつながります。また、耳のトラブルを引き起こしやすくなるので、予防するには徹底した冷え対策が必要です。低体温などにならないように普段から体温を保つように心がけましょう。
冷えの対策には「頭寒足熱」を意識した方法を取り入れることです。足元を温める足湯や下半身を温める半身浴は効果的です。同時に足趾のジャンケンや第2の心臓であるふくらはぎをミルキングアクションで揉むことで全身の血液循環を高めましょう。体温が上がるだけでなく、免疫力も高まります。

また、「水」に関係する経絡は「腎経」と「膀胱経」です。「腎経」は第5趾の「内至陰」から「湧泉」、内踝の当たりを通り、ふくらはぎの内側、太ももの内側、腹直筋の内側を通り、大胸筋まで通っています。腎経の流れが良くなれば、これらの筋肉の働きが改善されます。

「膀胱経」は目の内側から頭を通り、首筋の僧帽筋を通り、脊柱起立筋から大殿筋、ハムストリングス、ふくらはぎの中心を通り、第5趾の「至陰」までつながっています。

今回は手軽にできる2種類のフットセラピーを紹介します。二つの経絡は第5趾に集中しており、普段から第5趾を揉むようにしましょう。足趾の付け根から関節を緩めるように左右にぐるぐると回します。

その後、足趾を上下に挟んで付け根から足趾まで挟むように3点押します。左右からも挟むように3点押します。今度は痛いくらいにグリグリとしっかり揉んで、最後に爪の付け根の角にある「至陰」と「内至陰」のツボを刺激します。

もう一つは足首から膝下のミルキングアクションです。足首から膝下まで5点全体を包み込むように圧迫していきます。足首に戻るときに膝裏の「委中」のツボから足首まで押していきます。ミルキングと違い、二本の中指をツボに押し込むようにしながら足首まで5点押します。これを3回~5回行います。

フットセラピー意外に耳に直接刺激する方法も紹介しておきましょう。左右の耳を人差し指と中指で挟んでゴシゴシと擦ります。耳が熱くなると同時に身体も熱くなってきます。耳は腎臓と深く関わっていて、腎臓機能を高めることにもなります。

今度は耳の後ろに中指を当て耳で耳の穴をふさぐように中指で耳を倒します。耳の穴がふさがったところで、人差し指を中指の上から滑らせるようにして、ピンピンと鼓膜に響かせるようにします。耳の老化を防ぐのに役立ちます。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士