理事長ブログ 心と体を癒やす

健康とは「健体康心」の略語です。体が健やかで心が康らかな状態を指します。心身の健康をセルフケアする方法を紹介しています。

円心五法の真髄531 頭のよい子を育てるには?

2016年02月24日 | Weblog
皆さんも良くご存知だと思いますが、脳科学おばあちゃんとして有名な「久保田カヨ子」さんの本で「0歳からみるみる賢くなる55の心得」という本を購入しました。うたい文句が「今までの本を集約して55の心得としてまとめました」というキャッチにひかれたのです。

テレビなどでも盛んに出ているおばあちゃんで、ご主人が脳科学の権威者である「久保田競」さんです。この本の中に「脳と心をはぐくむコラム」という欄がありましたので、抜粋しながら、赤ちゃんからの子育てをご紹介しましょう。

生まれた時の赤ちゃんには、ほとんど個人差はありませんが、赤ちゃんの色々な動きが神経回路を使かっています。この神経回路の使われ方で、その後の脳の働きに大きな違いが出てきます。

神経細胞の継ぎ目の部分は「シナプス」と呼ばれていますが、動きを繰り返すことにより、新しいシナプスが形成されて、神経細胞が安定して働くようになり、シナプスも強固になります。ある運動を繰り返すことでシナプスが強化され、さらにその運動が上手になっていきます。

赤ちゃんのある行動の繰り返しで、神経細胞が働くと、神経細胞の突起のつながりが変化して回路の配線が強くなり、神経細胞への情報が伝わりやすくなり、神経回路が良く働くようになります。

目や耳が発達し、少しずつ両手両足が動かせるようになると目に入るものや聞こえてくる音に興味を持ち、手で取ろうとします。しかし初めのころは自由に体を動かすことができません。しかし、この繰り返しが、うつ伏せになったり、はいはいができるようになり、そのうちつかまり立ちができるようになります。

このようにして、多くのシナプスがつながり、神経回路が強化されていくのです。

ご両親ははいはいができるようになった、歩き出したと、それだけでも喜びがあったのに、成長するにしたがい、「頭の良い子」に育てたいと願うようになります。それでは「頭の良い子」とはどんな子どもなのでしょうか。

学校の成績が良いとか、物覚えが良い人を一般的には「頭が良い」と評価しますが、これは「記憶力」「理解力」が高いという人です。しかし、カヨばあちゃんによると「頭が良い人」とは行動をうまく組み立てられる人のことだというのです。

問題解決のため、目標に向かって、次々と行う行動を前もってうまく組み立てられ、その通りに実行できる人が「頭の良い人」だというのです。

頭の良い人の働きに関係しているのが、脳の前頭葉の前の方にある「前頭前野」で、人間は脳の1/3を占めています。外からの刺激を受け入れるところ、運動機能を起こすところ、記憶するところなど、大脳のほとんどの場所に関係しています。

「頭の良い人」は脳の回路が機能的につながり、「前頭前野」が活発に働いて、行動のコントロールがうまくできるのです。

子どもの脳の「前頭前野」は10歳ころまでに発達のピークを迎え、11歳~12歳ころに大脳の内と外の世界を知る「頭頂・側頭連合野」はピークを迎え、ほぼ大人と同じ大きさになります。

「頭を良くする」ことは、前頭前野の働きを良くすることですから、外からの感覚刺激と過去に覚えたことを元に行動を組み立てられるようになることが大切なのです。子どものころには色々体験をし、失敗したらそれを改めることなどを繰り返すことで、前頭前野が働くようになります。

また、皮膚からの複雑な感覚や視覚と聴覚などの複数の感覚をまとめる総合的な働きをしている脳が「頭頂連合野」といわれるところです。また「側頭連合野」の前方は、聞いたものを区別したり、記憶したりする場所で、「側頭連合野」の後方は、見たものを区別したり、記憶したりする場所です。

これらの連合野を合わせて「後部連合野」といって、ここの発達が一番さかんなのが9歳~11歳ころです。このころに五感を通した体験を多く持つことが「頭の良い子」を育てることになるようです。

いかがでしたか、最近のお母さん方は「これしちゃダメ」「あれしちゃダメ」とダメダメが多いように思います。カヨばあちゃんの体験を通した内容を見て「頭の良い子」を育てるには五感を通した多くの体験をさせることがとても重要なことに思われます。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄530 心が折れてしまう原因は疲労だった!

2016年02月17日 | Weblog
2015年12月に50人以上の従業員がいる事業所に「ストレスチェック」が義務化されました。従業員のメンタル不調を事前に防ぐのが目的です。それほど、働く人の心の不調が社会問題化してきているということです。

長年、自衛隊のメンタル教官として、カウンセリングや心の不調予防策を実施してこられ『自衛隊メンタル教官が教えてきた 自信がある人に変わるたった1つの方法』(朝日新聞出版)の著者である「下園壮太」さんの記事が「DIAMOND online」に掲載されていましたので、抜粋してご紹介します。

長年、自衛官のメンタル面のサポートをされ「同じ厳しい環境下の勤務でも、折れる人と折れない人がいる。その差は何なのだろう」と調査された結果、2つのパターンがあるというのです。

1つ目は、中レベルまでのストレス状態で「折れる」場合。みんな苦しいが、それを我慢してなんとかやっているし、やれている状態で、現代社会で働く人々のほとんどが、このストレス状態の中で仕事をしているといえます。

この状況で「折れる」人は、責任感がない、意欲がない、能力がない、小さなことで悩み傷つく、人に援助を求められないなどの特徴があるといいます。

確かに半数は、このイメージの通りで、こういう人へのケアは、挫折したつらさを理解すると同時に、厳しい社会で生き抜いていけるような、社会人として必要な考え方や仕事の仕方を教えることが重要だといえます。

ところが、能力があり、責任感と意欲があり、少々の挫折にはへこたれず、困ってもすぐに他者の援助を受けられる、そんな「折れそうもない人」が折れるのが、2つ目の、高レベルストレスで「折れる」場合だそうです。

高レベルで折れる人には特徴があり、中レベルのストレスでは「優秀」とされていた人が、突然折れてしまうのです。自衛隊には心身ともに強いストレスを与える訓練が多かったため、下園さんがメンタル面の安全係となり、訓練開始、訓練中、訓練後のメンタルチェックとケアを担当してこられました。

数カ月にわたる厳しい訓練に参加し、前半の厳しい訓練をトップクラスで終了した隊員に面接すると「全く問題ありません」と答えていました。ところが、訓練も後半に入って、一山超えたころ、その隊員が突然いなくなってしまいました。必死に探し出し、面接をしてみると、「うつ状態」に陥っていました。

このように、中レベルのストレスでは高いパフォーマンスを上げ、涼しい顔をしていた人が、ある時突然不調に陥るのが高レベルストレスでの折れ方の特徴の一つなのです。

自衛官、警察官、役所の職員、教員など、まじめに勤務してきた人が痴漢や窃盗などを働くことがあるのも、このパターンなのです。

なぜ優秀だった人が、突然折れてしまうのでしょうか。人は緊張すると疲労を感じないで仕事をすることができます。中レベルまで「よくできる人」は、疲労を感じない技術を高めてきている人が多いからなのです。

しかし、その人が高レベルのストレス状態に置かれると、ストレスの程度にもよりますが、困難な決心を伴う作業の連続でも、2~3カ月の間なら、本来の問題解決能力で、表面的な業務はうまくこなせているのです。

ところが、その間に「疲労」が蓄積していき、ある段階に達すると、体から脳に「これ以上動くな。弱っているからこれ以上の作業を命ずる人を警戒せよ」という指令が出て、意思とは関係なく、気力と集中力が低下します。本来の問題解決力が発揮できなくなり、トラブルが増えるのです。

この状態になるとイライラや猜疑心が強くなり、簡単に援助も求められなくなります。いつもの人とは違う状態になってしまうのです。これを下園さんは「別人化」と呼んでいます。優秀だった人が、突然業務を投げ出すなどの「折れる」という状態になってしまうのです。

「疲労」を解消するには充分な睡眠が必要になります。ストレス解消のためにゲームやスポーツ、お酒などが睡眠不足になるようであれば、高レベルストレスには逆効果になってしまいます。夕方に軽い運動をしたり、入浴で体を温め、フットセラピーでリラックスして質の高い睡眠をとることが大切ですね。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄529 認知症は本当に予防できるのか?

2016年02月10日 | Weblog
年齢とともに気になってくるのが認知症です。自分が自分でなくなってしまう認知症、誰しもがなりたくないと思いながらも、どうしたら予防できるのか分からないのが現状です。

会員の方からアルツハイマー病の予防の方法について質問があり、色々調べた中に「OMRONの健康コラム」の記事が参考になりましたので、抜粋してご紹介いたします。

認知症には、アルツハイマー病のほかに脳血管性認知症、レビー小体型認知症が知られています。このうちアルツハイマー病は、世界では認知症の約70%を占め、日本でも高齢化にともなって患者数が急速に増加しています。

アルツハイマー病の特徴は、進行性の認知症であり、現在遺伝子レベルでの研究が進められているものの、治療法がまだ分かっていないのが現状です。

記憶をつかさどる脳の海馬が最初にダメージを受けるため、初期症状として記憶障害(人や物の名前を忘れる)がもっとも多くみられます。次第に、記憶だけでなく判断機能や身体機能も低下していき、日常生活に支障をきたすようになるのがアルツハイマー病です。

人によって違いがありますが、親しい人の名前を忘れる、同じ話や質問を何度もくり返す、約束を忘れる、置き忘れが増える、片付けられない、計画的な作業ができない、日時や場所が分からなくなる、趣味に関心がなくなる、人格が変化する(温厚な人が怒りやすくなる)などの症状がみられます。

こうした深刻な状態になる前に、予防はできないのでしょうか。最近の多くの研究から、アルツハイマー病につながる予兆が、発症の10年~20年以上も前からみられることが分かり、軽度認知障害のような早い段階なら予防や改善が可能だと考えられるようになってきています。

アルツハイマー病では、β(ベータ)アミロイドやタウと呼ばれるタンパク質が脳に蓄積したり、過剰なリン酸化を起こしたりすることで、海馬の委縮や神経伝達組織の機能低下が起こると考えられています。脳内で起こるこうした負の現象の改善には運動が有効であることが分かってきました。

運動をすると、βアミロイドを分解する酵素が活性化され、βアミロイドの蓄積を防ぐ報告があります。また、運動で筋肉細胞から放出されるホルモン(イリシン)が、脳の細胞死を抑制する栄養因子を増やし、海馬の神経細胞の活性化や神経伝達機能を向上させるとの報告もあります。

さらに、運動が体内の酸化ストレスを減少させ、同時にインスリン分解酵素を活性化させて、タンパク質のリン酸化や蓄積を防ぐ効果があることも指摘されています。

効果的な運動はウォーキングや軽いジョギング、サイクリングやエアロバイクなどの有酸素運動がいいようです。30分程度の運動を毎日楽しみながら続けることが大切です。

また、運動をしながら、脳を使うことも大切で、簡単な計算、例えば、100から3を引き続ける計算をしたり、2~3人でしりとりをしながら歩く方法などがお勧めです。

運動と並んで、予防に効果があると考えられているのが、睡眠です。睡眠中の脳の活動の1つに、老廃物の排出があります。日中の活動で生じた老廃物を、脳脊髄液が循環して回収していますが、同時に不要なβアミロイドも回収・排出されています。

睡眠にはもう1つ、昼寝の習慣を持つこともアルツハイマー病の予防に効果的とされています。30分適度の昼寝をすると、午後からの仕事や勉強の効率が高まることは知られていましたが、昼寝の習慣はアルツハイマー病の発症リスクを5分の1に下げることが報告されています。

また、糖尿病やその予備軍ともいえる人はアルツハイマー病を発症するリスが、健康な人の4.6倍にものぼるという報告もあり、生活習慣に気をつける必要があります。

喫煙と過度の飲酒も問題です。喫煙はアルツハイマー病だけでなく脳血管性認知症のリスクを高めることも分かっています。特に喫煙と過度の飲酒習慣が重なった場合、脳の認知機能の低下が36%も早まることが指摘されています。

認知症を予防するには、症状が出る前から、毎日の生活習慣に気をつけながら、楽しく運動を続ける習慣や快適な睡眠を心がけることが大切です。これらを良く見ると「円心五法」の実践そのものではないでしょうか。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

円心五法の真髄528 何とコーヒーがガンを予防する!

2016年02月03日 | Weblog
土曜日の日韓戦のサッカー見ましたか。前半の0:2でハーフタイムに入ったときは寝てしまおうと思いましたが、最後まで見て良かったなー。後半3:2と劇的な逆転、アジアNo1になりました。興奮して、今度は目が冴え、中々寝付けませんでした。ますますオリンピックが楽しみになりましたね。

まだ寒い日が続いていますが、明日は暦では春の「立春」です。「五行」では春の季節は「木」に当たり、臓腑では肝臓や胆のうの働きに関係しています。「木」のエネルギーが落ちてくると「肝経」や「胆経」のエネルギーの滞りを招いてしまいます。

フットセラピーで足をよく揉み、特に第1趾と第4趾は充分に揉みながら肝経と胆経のエネルギーの流れを良くして、春の季節を有意義に過ごしましょう。

話は変わりますが、以前、コーヒーは「発がん性がある」と思われていた時期がありました。しかし最近では、コーヒーは「がんに効果がある」という報道を耳にするようになりました。最新の研究からその真相を探って見たいと思います。(以下、日経Webサイトから抜粋)

国立がん研究センターによる調査・研究によると、肝臓がんを抑える効果は「ほぼ確実」、子宮体がんを抑える効果は「可能性あり」と判定されています。

国立がん研究センターでは、がんなどの病気と生活習慣との関連を長期間にわたって研究してきました。ここで用いられているのが「コホート研究」という手法です。

「コホート」とは、年齢や居住地など一定の条件を満たす特定の集団のことで、現在、岩手県、長野県、東京都、沖縄県、大阪府、高知県など全国の一般住民14万人を対象に研究が行われています。

対象者に主に対面でアンケート用紙を配布し、健診に参加する方の場合は血液試料や健診データについても提供していただきます。さらに5年後、10年後、というふうにアンケート調査を行っていきます。

研究は国際的な研究機関でも行われていますが、欧米人と日本人は体格も違うし、食べているものも違うために、海外の研究の評価基準をそのまま日本人に当てはめるのは難しい面があるようです。

この研究グループは、国内で行われている研究を基に、日本人のがんと生活習慣との因果関係の評価を行っています。同様の日本人を対象とした研究に限定して、がんとの因果関係を評価し、がんを予防する手立てをお伝えするようにしています。

40~69歳の男女約9万人について、調査開始時のコーヒー摂取頻度により6つのグループに分けて、その後の肝臓がんの発生率を比較しました。調査開始から約10年間の追跡期間中に、肝臓がんにかかったのはそのうち334名(男性250名、女性84名)。

その結果は、「コーヒーをほとんど飲まない人と比べ、ほぼ毎日飲む人は肝臓がんの発生リスクが約半分に減少する」というものでした。1日の摂取量が増えるほどリスクが低下しました。1日5杯以上飲む人では、肝臓がんの発生率は4分の1にまで低下していました。

この研究結果から肝臓がん、子宮体がん、大腸がん、子宮頸がん、卵巣がんの評価は「肝臓がん」のリスクを下げる効果=ほぼ確実、「子宮体がん」のリスクを下げる効果=可能性あり、「大腸がん」「子宮頸がん」「卵巣がん」のリスクを下げる効果=データ不十分、という発表でした。

この評価の表現は「科学的根拠としての信頼性の強さ」を示す指標のことで、最も信頼性が高い評価から順に「確実」→「ほぼ確実」→「可能性あり」→「データ不十分」となっています。

例えば、「喫煙」と「肺がん」との因果関係の評価は、最も信頼性が高い「確実」。つまり、たばこは肺がんのリスクを高めるのは確実というわけです。

「コーヒーはやはり素晴らしかった!」というタイトルで以前、コーヒーの素晴らしさを紹介したことを覚えていますか。同じ、「国立がん研究センター」の研究報告で心疾患や脳血管疾患、呼吸器疾患には顕著な結果が見られるという記事です。

コーヒー好きの私にはますます嬉しい情報でした。皆さんもコーヒーを飲んで健康を維持しましょう。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士