「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

まひまひの強度の乱視機の音 阿部風々子 「滝」6月号 <渓流集>

2013-06-09 07:07:10 | 日記
 池やゆるい流れの川面にクルクルと旋回しているミズスマ
シの左右の複眼は、それぞれが上下に分かれており、水の上
と、水中の両方を見ることができるそうですが「強度の乱視」
がおもしろいですね。見ている内に捕食の場面を見たい衝動
にかられて、虫でも捕まえて与えてみたけれど、見えている
のかいないのか、一向に行動を起こさない。そんな子供じみ
たことをしていて聞こえてきた「機の音」は、幼い頃身辺に
あった音。お母さんでしょうか。童心にかえる心地が詠まれ
たように思いました。懐かしさに涙して物の輪郭を失ってい
るのは、実はまひまひではなくてご自身なのかもしれません
ね。(H)

コメントを投稿