津軽と言えば林檎。今は袋掛けが終わった景色。津軽は「成田」姓が多いと聞いた覚えがあり、「津軽丸ごと包みけり」と、ざっくり詠まれたことで、その土地ならではの親しんだ景色の感じが出ているように思います。農家さんが一つ一つ手作業で掛ける袋は、品種によって使い分けられ、千秋など比較的着色が容易な品種は遮光度の弱い一重袋を、つがる、ジョナ、ふじなどは遮光度のより強い2重袋を、むつ、世界一など着色の困難な品種は遮光度の最も高い三重袋を使うそうで、丹精の景色でもあるのですね。秋のつやつやの林檎が見えて来るような句でもありました。(博子)