「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

私道みな海に出る町白日傘 成田一子

2021-07-10 04:03:13 | 日記
私道とは個人や企業が持つ土地の一部を道路として使っているものをいうそうだ。車の運転をしないせいもあって、私道か公道かなど意識したことはなかったが、父の実家の門から二車線道路までの田中を抜けるうん百メートルくらいは私道なのだと今更気が付いた。この町全体が、山並が本当に遠くに見える稲作地帯である。掲句は「みな海に出る」と、島だろうか。漁師町だろうか。潮の匂いや波の音に包まれて、海の青さと広さへ歩む白日傘を追う空撮映像のように思えた句だった。生活と旅、そんな構図にもなっているのだろう。(博子)