サンダンスキの温泉でひと汗流したあと、車で30分ほどなだらかな丘を越えつつ奥に入ると、ワインで有名なメルニックに入ります。そこに着くまでの道端でも、道路沿いの民家の軒先でおじいちゃん、おばあちゃんたちが自分で作った「ドマーシュノ・ビノ」、つまり自家製ワインを売っています。
この「ドマーシュノ」ですが、不謹慎な言い方かもしれませんが、バクチ的なおもしろさが・・・ 基本的にはブルガリア中どこでも、家にぶどうの木があれば自家製ワインを作っていることが多いのです。さらに、メルニックなどのワインの有名なところだけでなくいろいろなところの「ドマーシュノ・ビノ」を売っていますが、すご~くおいしいのと、すご~くマズイのと、はたまた、すご~く怪しい(!!!)のもあります。香りも、渋みも、そして保存状態もイロイロ・・・ 発酵が十分でなくて砂糖を追加してさらに発酵させたものや、さらにはぶどうジュースに醸造用アルコールを混ぜただけのまがい物まであるそうで・・・ 時々、炭酸飲料が入っていたペットボトルにその「ドマーシュノ」のワインをつめて売っていますが、このペットボトルは一体どこから持ってくるのか・・・ 前からちょっと不思議に思っていましたが、でも、聞けない・・・ まさか拾ってきた?? ちょっとコワいですね。(でもだいたいは専用の新しいペットボトルにつめられてますが。) でも、おいしいのにあたるとすごーくウレシイ~!! 「わーい!! 当たりだ~!!」
今日はメルニックのお店で売っているワインを試してみることにしました。いっしょのYOKOちゃん、実はメルニックは2回目。「ちょっと歩くけど、いいワインセラーがあるんだ! 行く?」 「行く! 行く!!」
メルニックの川沿いに車を止めて、そのまま上流に向けて歩きました。上へ、上へ・・・ 途中、山登り状態になりましたが、たどり着くと・・・ 何と、洞窟!! 一人1レバ、グラスワインつきで中を見ることができます。おお~!! これは保存状態もよさそう。白も赤もありますが、ここでそのワインセラーのお兄さんに質問してみました。
「これは今年のワイン? フランスのワインみたいにずーと何年も寝かしてあるワインはないの?」
すると、このお兄さんは、
「何で古いのがいいんだい? フランスよりブルガリアのほうがワインの歴史は長いんだぜ!! フランスは”古いワインがいい”って言うけど、フランスよりもワインの歴史の長いブルガリアでワインを造っているブルガリア人のこのオレが”ワインは新しいほうがいい!!!”って言ってんだから、そのほうが正しいんだ!」 と、自説を展開しました。へえ~。歴史の古さに関しては私はよく知りませんが(まあ、確かにそうでしょう・・・)、確かにブルガリアでは新しいワインをすぐに売るなー。ほとんどすべてがヌーボー状態のうちに消費されてしまいます。でも、これでナットク。そういう見方だから新酒をすぐに売るのね~。(できた先から全部飲んでしまうから取っておく分がないだけだったりして・・・)
ハンドルを握る私は家で飲むのにワインを1本3レバで買いました。お兄さんはボトルに樽からワインを注ぎ、打栓機でコルクをスパッ! と入れ、オリジナルのラベルを貼ってくれました。ラベルには・・・ かわいいネズミのイラストが!! イラストのネズミはかわいいなあ・・・(本物のネズミは・・・汗)
山あいの静かな村、メルニック。ワインセラーから下りてきてお土産屋兼ホテルで買い物しておじさんと立ち話。「昨日日本人が泊まっていたぞ。」 「地球のXき方」の本にも出ているここメルニックは絶対に日本人観光客にも魅力的なはず! おじさんは巧みにセールス。「一泊二人部屋で40レバ(2800円くらい)だよ。」 次回は泊まってワインを堪能したいなあ・・・