夏休みのことを、ヒトコトで言えば「海で遊ぶ」ことだった。
海は楽しかった。
面白かった。
飽きなかった。
足の裏には、いつも切り傷があった。
朝、目が覚めると、「汁かけ」を食べて海へ行っていた。
海に行けば、必ずどこかで子供が遊んでいた。
満潮では泳ぎ、
干潮では磯遊び。
ほっとけば朝から暗くなるまで、海にいるのだが、途中で腹が減る。
腹が減るので帰る。
家の柱時計を見ると、昼飯時間は12時から午後2時半の間の、日変わりだった。
食べたら昼寝をした。親も昼寝をしていた。
しかし、遊びをやめられず、家に帰らずに海で遊ぶ日があった。
その時はドンガメを食べていた。
海辺で、木の葉、紙、木切れ、の薪燃料を集める。
石ころで、くどを作る。
猟師の船からドンガメを一匹失敬する。
ドンガメを焼く。
焼き始めると、強烈な臭いが、まわりに漂う。
鼻をつまんで、風をおこし、くどの火の勢いを増す。
焼いたドンガメを食う。
不味い。
臭い。
それでも、腹をいくらか満たしてくれる。
目的を果たし、
海での遊びを再開する。
ドンガメを食った日は、朝から晩まで、海で遊んでいたが、
今思うに、ほんとうに、夏休みに勉強はしていなかったな。
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