しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

カブトガニの味 ~腹が減ったらドンガメを食べる~

2023年04月20日 | 食べもの

夏休みのことを、ヒトコトで言えば「海で遊ぶ」ことだった。
海は楽しかった。
面白かった。
飽きなかった。
足の裏には、いつも切り傷があった。

朝、目が覚めると、「汁かけ」を食べて海へ行っていた。
海に行けば、必ずどこかで子供が遊んでいた。
満潮では泳ぎ、
干潮では磯遊び。

ほっとけば朝から暗くなるまで、海にいるのだが、途中で腹が減る。
腹が減るので帰る。
家の柱時計を見ると、昼飯時間は12時から午後2時半の間の、日変わりだった。
食べたら昼寝をした。親も昼寝をしていた。


しかし、遊びをやめられず、家に帰らずに海で遊ぶ日があった。
その時はドンガメを食べていた。

海辺で、木の葉、紙、木切れ、の薪燃料を集める。
石ころで、くどを作る。
猟師の船からドンガメを一匹失敬する。
ドンガメを焼く。

焼き始めると、強烈な臭いが、まわりに漂う。
鼻をつまんで、風をおこし、くどの火の勢いを増す。

焼いたドンガメを食う。
不味い。
臭い。






それでも、腹をいくらか満たしてくれる。
目的を果たし、
海での遊びを再開する。

ドンガメを食った日は、朝から晩まで、海で遊んでいたが、
今思うに、ほんとうに、夏休みに勉強はしていなかったな。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 鳥獣の肉 | トップ | スイカを食べる »

コメントを投稿

食べもの」カテゴリの最新記事