駐屯地における生活は、その真逆になる。
基地で1時間程の歩行訓練で、1日の業務は解放される。
となると、まだ若い20~25才の兵士が行く場所といえば、ほぼ限られる。
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「憲兵よもやま物語」 山内一生著 光人社 1988年発行
徐州の女
慰安所は東門に近い域内で、大通りから坂を下ったところにある。
同じように区割りした小さな店がつづいているが、
ほとんどは韓国人の店だった。
ここは下士官兵専用で、将校は常磐街へ行くのであろう。
花子の店と書いてあったように思う。
やはり韓国の女性だった。
一軒一間の狭い店だが、中はやはり、なまめかしい女性の雰囲気がある。
しかし,当主の花子はいたって快活の感じの女だ。
「私のポンユー。かんげいするよ」とまず頬にキスした。
厚くて熱い唇であった。
そして茶ダンスから、出るわ出るわ。
あめ玉、せんべい、かりんとう、塩豆、ピーナッツ、甘なっとう。
「まだまだあるヨ」
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慰安所界隈は兵隊の姿であふれている。
こうゆう場所では、
敬礼するのも答礼するのも、目が合うと、なにかテレくさい。
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それにしても、兵隊には、酒と食と性しか楽しみがないのだろうか。