しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

「青い目の人形」の顛末

2020年12月07日 | 昭和16年~19年
歓迎会
「井原市史Ⅴ 近現代資料編 平成15年発行

昭和2年5月10日
青い目をしたお人形歓迎会

後月郡教育会の主催にて、来る11.12両日井原小学校付属幼稚園に於いて開催することになった。
お人形の数は二百余種もありて、園内に陳列し一大異彩を放つ筈である。
同日西江原出身の日米新聞編成、井上部長が公演あるはずである。

・・・

「憎い敵だ許さんぞ」
「貝になった男」 上坂冬子著 文芸春秋 1986年発行

昭和18年2月19日 毎日新聞
青森県鮫ヶ沢発
今にして思えば恐ろし仮面の親善使節であった。
鮫ヶ沢国民学校では初等科5年以上特修科までの児童に、その処置についてアンケートをとったところ
「決戦下日本の観念が童心にも根強く織り込まれ」ているのがわかった。

破壊  89
焼いてしまえ 133
送り返せ  44
海へ捨てろ  33
白旗を肩にかけて飾って於く  5
米国のスパイと思って気をつけよ  1

これに対して郡の教育会では
「郡下の人形を一場所に集め、機会あるごとに児童に見せて敵愾心を植えつける」方針を表明した。

文部省国民教育局総務課長談
「15年前の人形を麗々しく飾ってあるとは思えませんが、
もし飾ってあるならば速やかに引っ込めて、こわすなり、焼くなり、海に捨てるなりすることには賛成である。
常識から考えて、米英打倒のこの戦争が始まったと同時にそんなものは引っこめてしまうのが当然であろう」
と讃えている。


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