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「宮沢賢治」でございます!(その8)

2016年07月25日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
「猫の事務所」
【149ページ】
かま猫は当たりまえの猫になろうと何べん窓の外にねて見ましたが、どうしても夜中に寒くてくしゃみが出てたまらないので、やっぱり仕方なく竃(かまど)のなかに入るのでした。
なぜそんなに寒くなるかというのに皮がうすいためで、なぜ皮が薄いかというのに、それは土用に生まれたからです。やっぱり僕が悪いんだ、仕方ないなあと、かま猫は考えて、なみだをまん円(まる)な眼一杯にためました。

[ken] 宮沢賢治さんの作品には「風」と「猫」が多く登場しますが、猫好きであったかどうかは諸説あって本音としては猫が嫌いであったそうです。えてして「嫌いは好き」に通じますし、本書でも猫を観察して描写しているように、とにかく猫は気になる存在であったことはたしかですね。あたたかい「かまど」付近に寝ている姿は、私も子ども頃よく目にしました。また、隣の家で炭を焼いていたいので、わが家の猫もたびたび暖を取りに出かけていました。帰ってきた猫を抱くと、炭窯の灰や炭の粉が体毛についていたし、かまどと同じような香りがしました。また、私の田舎で「夏猫は弱い」と言われていたことを思い出しました。その理由は、「生まれた時が暖かくて、寒さへの備えができていないから風邪をひくと弱ってしまう」というものでした。本書では「皮がうすいためで、なぜ皮が薄いかというのに、それは土用に生まれたから」という理由を知り、「なるほど」と深く納得させられました。(つづく)
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熱中症なんて怖くない?

2016年07月25日 | O60→70(オーバー70歳)
▼私は子どもの頃、よく軽い熱中症(地元では「暑気を受ける」)にかかりました。すると、おばあちゃんもしくはおふくろが、夏大根をすりおろし、布巾に包み込みんだもので、腿から足首にかけて湿布してくれました。普段だと、湿布されてもむず痒いだけなのに、暑気を受けたときはビリビリするのです。
▼それで熱も下がり、たちまち治ってしまったのは、今でも不思議です。子どもの頃は、乗り物酔い、暑気を受けやすい、胃腸も弱かったのですが、大人になるにつれ丈夫になりました。とくに、暑さに抜群に強く、暑い日差しを受けると、この歳になってもちょっとワクワクします。
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