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抜き書き帳『樋口一葉』(その9)

2016年06月10日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
《やみ夜》明治27年7月~12月

【345ページ】
さらば免したまえと身を起こすに足もと定まらずよろよろとするを、さてもあぶなし道理のわからぬ奴め、親がなしとてもその身は誰れから貰いしぞ、さる無造作に麁末(そまつ)にして済むべきや、汝(そち)ごとき不了簡もののあればこそ世上の親に物おもいは絶えざるかれと、我れも一人もちたる子に苦労したりし佐助が、人事ならず気づかわしさに叱りつけて座らすれば、男はまたもな首うなだれて俯ぶく。

【347ページ】
----、世間の人に憎まるふほど不憫や親のなき子は添竹のなき野末の菊の曲がるもくねるも無理ならず、----。

[Ken]  私が、両親と一緒に暮らしたのは高校卒業までの18年間でした。上京して両親とは別居していましたが、扶養されていた期間(学生時代の4年間)を含めれば22年間になります。時が過ぎて、両親は他界し自分が親になっている今におよんで、「世上の親に物おもいは絶えざる」という文章は深くふかく心に沁みてきました。私の両親がそうであったように、おそらく自分もわが子への「物おもいは絶えざる」ことは、死ぬ間際まで続くものと覚悟しています。
また、247ページの「不憫や親のなき子は添竹のなき野末の菊の曲がるもくねるも無理ならず」は、昨今の「育児放棄」や「児童虐待」をみるにつけ、なんとも心が痛みます。
先日、NHKで放送された「愛着障害」という病気は、「幼児期に親から愛情を受けないで育つと、人への愛着がわかず、子育てにも大きな悪影響を与える」というものです。アメリカでは、すでにその心理療法が開発されているとのことです。メンタル系を含めれば新しい病気がどんどん増えて、何か変な時代だとは思いましたが、将来を担う子どもたちへのケアは不可欠である、と考えさせられました。(つづく)
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羽アリの駆除で考えたこと?

2016年06月10日 | ここで一服・水元正介
▼先月ある日の午前中、職場のオフィスに迷い込んだ羽アリのような虫を、私はチィッシュペーパーで包み潰し、殺傷してしまいました。ごめんなさい。
▼そして、お昼休みは慶応大学東門の喫煙所奥のテーブルで、お弁当を美味しくいただいきました。食後の一服は、今年の3月にご逝去されたMOさんを偲び、ロングピースでガツンとニコチンとタールを補充しました。大学の崖では、大きな葉っぱがぐんぐん育っていました。
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