Excite エキサイト: 西洋音楽史
今クラシック音楽がブームなのだそうですが、サンプラーみたいなベスト盤がよく売れている程度では、にわかに信じがたい気分です。
しかし、本当にクラシック音楽が好きな方には表題の本は大変お薦めです。
歴史的背景や社会情勢を踏まえて音楽の歴史を語る様は、この本の小ささと異なり、かなりスケールの大きい展開です。中世音楽の話から始まりますが、歴史書のような実証的記述は、非常に興味深く読めます。しかも最後のところでは、ジャズやポピュラー音楽も西洋芸術音楽史の流れの中に位置づけられています。
いろんな作曲家の名前も出てきますが、それを歴史的に位置付けていく話も大変面白く読めます。例えば、バッハは時代を超えた偉大さはあるものの、多分にドイツナショナリズム高揚による再評価の要素があったり、ベートーヴェンの労働賛美的な集団熱狂(第九のフィナーレ)など、歴史的文脈によって作曲家の個性と音楽の時代的背景が整合していきます。
この本に触れられている音楽は、歴史の順番に実際に聴いてみたくなります。もしかしたら、人間精神の歴史的運動を実感できるかも知れません。
今クラシック音楽がブームなのだそうですが、サンプラーみたいなベスト盤がよく売れている程度では、にわかに信じがたい気分です。
しかし、本当にクラシック音楽が好きな方には表題の本は大変お薦めです。
歴史的背景や社会情勢を踏まえて音楽の歴史を語る様は、この本の小ささと異なり、かなりスケールの大きい展開です。中世音楽の話から始まりますが、歴史書のような実証的記述は、非常に興味深く読めます。しかも最後のところでは、ジャズやポピュラー音楽も西洋芸術音楽史の流れの中に位置づけられています。
いろんな作曲家の名前も出てきますが、それを歴史的に位置付けていく話も大変面白く読めます。例えば、バッハは時代を超えた偉大さはあるものの、多分にドイツナショナリズム高揚による再評価の要素があったり、ベートーヴェンの労働賛美的な集団熱狂(第九のフィナーレ)など、歴史的文脈によって作曲家の個性と音楽の時代的背景が整合していきます。
この本に触れられている音楽は、歴史の順番に実際に聴いてみたくなります。もしかしたら、人間精神の歴史的運動を実感できるかも知れません。