哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

モーツァルト・イヤーだそうで

2006-01-23 23:59:59 | 音楽
 先日NHKの「クローズアップ現代」(息の長い番組ですね!)で、今年モーツァルト生誕250年であることから、モーツァルト特集をしていました。

 その番組によると、今クラシック音楽がブームなのだそうです。それは本当なんでしょうか。私のまわりにも、若干少数ですが、オペラを見てみたいという人は出てきたものの、ニンテンドーDSのような熱狂はありません(当たり前?)。

 そのNHK番組での科学的実験なるものに疑問を一つ申し上げます。
 ベートーヴェンよりもモーツァルトの方が脳にやさしい快感を与えるということを脳波で確認する実験(池田晶子さんなら「何で“脳”なんだ?」とまた言われそうですが)で、比較した音楽がなんと、交響曲第5番「運命」と「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」なのです。これは科学以前におかしいですよね。百歩譲っても長調か短調かぐらいは同じ種類の音楽を比較しないと客観的比較にならないではないですか。
 当然この実験結果では、ベートーヴェンよりモーツァルトの方が脳にやさしいというのですが、運命と比較するなら交響曲25番かレクイエムにすべきでしょう。まあ、それでも微妙にモーツァルトの方がやさしく感じるのかも知れませんが。

 そうはいっても、かつて自民党がテレビ報道の公平さに文句をつけたように、ベートーヴェンさんにも文句を言わせてあげたい気分でした。