哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

谷川俊太郎さん

2007-08-19 08:18:00 | 
 詩人といえば、谷川俊太郎さん。その最新刊に関して、ある雑誌で谷川俊太郎さんのインタビュー記事を読みました。

 谷川さんは若い頃から、人間は社会内存在ではなく、宇宙内存在であるとよく思っていたそうです。社会の中でいろんな価値観やしがらみやらに囚われて人間は悩みを持つが、人間は広い宇宙の中の小さな命に過ぎないと考えれば、そんな小さいことに悩む必要もなくなるわけです。


 池田晶子さんもそのことをラディカルに表現していましたね。以前にも池田さんのこんな文章を紹介しました。

「宇宙、星々が永遠に生成消滅を繰り返しているということに、意味や理由があるとは思わないなら、地球という惑星になぜか存在し、生まれたり死んだりを繰り返している人間の人生にも、意味や目的はないはずではないだろうか。」


 その谷川さんの最新刊『谷川俊太郎質問箱』を立ち読みしていたら、次の質問と回答につい吹き出してしまいました。

「質問:宇宙人って、本当にいるんですか?
回答:いますよ。あなたもそのひとりです。」


 どうしても谷川さんと池田さんの視点はだぶって見えてしまいます。池田さんも詩人といわれるわけでしょうか。


1 コメント

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詩は縦軸の時間 (久里浜@)
2007-08-19 20:39:43
 谷川俊太郎さんと池田さんの共通点をぼくなりに言えば、言葉のわかりやすさ、です。
 現代詩がどんどん難解になっていく中で、谷川さんの詩は、わかる人ならわかる。これは池田さんの文章にも通じるところで、それを大衆迎合というなら、言葉とは何のためにあるか、と問い返したくなります。
 池田さんは、ただ生きている人生の時間が横軸なら、詩的な、あるいは宇宙を認識しているような時間は縦軸だ、というようなことを書いていたと思います。つまり、そこではじめて生きていることの深さが生まれるのだ、とぼくなりに理解しています。
 先日亡くなった河合隼雄氏も、谷川さんの詩をひじょうに評価していました。
 ある想念を、それを理解できる下地のある人に伝えられない専門家の難解な文章(詩でも)というものを、ぼくは努力不足という言葉で片付けています。
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