哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

中島義道著『人生に生きる価値はない』

2009-03-08 09:34:00 | 哲学
 中島氏の他の本も読んだことはあるが、今回の本ほど池田晶子さんと中島氏との親和性を感じたことはない。

 この本は池田さんのように、中島氏が雑誌に連載した文章の単行本化であるが、特に池田晶子ファンにとっての目玉は、あの池田晶子さんの追悼文が掲載されていることだ。池田さんについて覚えている限りのエピソードを書き連ねてもらっているのは、池田さんのとある一面も感じられて面白い。ただ、池田さんに対して必ずしも肯定的評価をしているわけではない。

 追悼文以外の他の文章を読むと、中島氏らしい怒りの行動や性格はどちらかというと池田さんとは真逆のようであるが、散りばめられた哲学的言質は、池田さんが書いていたことと必ずしも違わない。ある意味それは当然かもしれない。

 この本の池田晶子さんの追悼文で触れられている、大森会について池田さんが書いたという文章が、最近出版された池田さんの著作『魂とは何か さて死んだのは誰か』(トランスビュー)に掲載されているようだ。この新刊本についてはまた改めて。