人口16000人弱の芦別市で

快晴の母の日、島岡美延です。
昨日は「消滅可能性都市」に触れましたが、約20年前、「たとえ人口が過疎になっても、心まで過疎になった訳ではない」と、映画学校をスタートさせた町がありました。
北海道芦別市。
大林宣彦監督最新作、映画『野のなななのか（17日公開）』をご紹介します。
雪降る芦別市で、元病院長の鈴木光男（品川徹）が大往生。
告別式、葬式のため、散り散りに暮らしていた鈴木家の面々が、芦別に戻ってくる。
そんな中、謎の女、信子（常盤貴子）が現れ、次第に光男の過去が焙り出される。
1945年8月15日以降も戦争が続いていた樺太で、旧ソ連軍の侵攻を体験した光男に何が起きたのか。
時空を超えて語られる光男の青春は、北海道の敗戦史をもひも解いていく。
生と死の境界が曖昧な“なななのか（四十九日）”の間に、人は「繋がり」を意識するよう。
大林監督と出会い、市の職員になって映画の町づくりに奔走し、36歳で急死した鈴木評詞さん。
市民は遺志を継ぎ、監督は彼との約束を果たしました。

「消滅可能性都市」って

今日はよく晴れそう、島岡美延です。
昨日は突風と雷雨、天気予報を信じて予定を変更して正解でした。
こちらの「予報」の衝撃的な数字には絶句・・・。
民間研究機関「日本創成会議」が試算した、2040年の人口。
それも、2012年に出産した人の9割以上を占める「若年女性＝20～39歳」の数を自治体ごとに予測したものです。
全国1800自治体のうち、半数の896で若年女性が半減！　
こういう自治体では、社会保障の維持が困難になり、雇用も確保しづらい「消滅可能性都市」になると指摘。
神奈川県の中で「消滅」の可能性があるとされた自治体は9つ。
ワーストになってしまったのが、箱根町とは。
温泉が豊富で、何度行っても楽しめる身近な観光地ですが、若い女性が子育てしているイメージは確かに少ないかも・・・。
以前から指摘されている「限界集落」の概念より、強烈なインパクト。
「消滅可能性都市」には県庁所在地も含まれます。
東京オリンピックの20年後、日本中で「先延ばしできない危機」です。

“世界最弱”チームの奇跡

天気の急変にご用心、島岡美延です。
サッカーW杯ブラジル大会開幕まで5週間、日本の出場が「夢」だった時代もありました。
あるチームのW杯予選に密着したドキュメンタリー映画『ネクスト・ゴール！　世界最弱のサッカー代表チーム0対31からの挑戦（17日公開）』をご紹介します。
2001年、FIFAW杯予選にて0対31でオーストラリア代表に大敗（国際Aマッチ史上最大点差）、10年以上にわたりFIFAランキング最下位・・・、それがアメリカ領サモア代表チーム。
2009年に発生したサモア沖地震で、大きな被害を受けた島国。
チームは様々な事情を抱えたアマチュアの寄せ集め。
そこへ米国サッカー連盟より命を受けたオランダ人監督がやってくる。
昔気質で口の悪い監督は、島の人たちの反感を買う。
しかし厳しい指導と熱意は次第に選手たち、さらには監督自身を変えていく。
ついに迎えた2014年W杯ブラジル大会予選。
津波で傷ついた故郷のため、魂と誇りをかけて、初勝利を目指す・・・。
歴史的瞬間をぜひ！

ありえない愛を生きた男

両親の結婚記念日、島岡美延です。
それも金婚式！
大阪出身の父が、札幌で母と結婚。新婚旅行が八丈島って、けっこう素敵。
他人の二人が、人生の多くをともにする結婚生活。
今の世の中は、恋愛も結婚もしずらくなっているのかしら。
100年にわたる愛があるとしたら・・・？
映画『ニューヨーク　冬物語（16日公開）』をご紹介します。
幼い頃、両親と生き別れたピーター（コリン・ファレル）は、気がつけばNYの裏社会を支配する男（ラッセル・クロウ）のもとで悪に手を染めていた。
ある日、ピーターは美しい令嬢ベバリーに出会い、二人は恋に落ちる。
初めて生きる喜びを知ったピーターだが、ベバリーの余命はわずか。
彼にはどうすることもできなかった。
100年後のNYに、記憶をなくしたピーターの姿が。
「俺は、なぜまだ生きている？」
100年にわたり生かされた男に与えられた、ある使命とは・・・。
原作は近代アメリカ文学の最高傑作。
ニューヨーク、世界で一番「ありえない愛」が似合う街です。

“リベンジ”という言葉

連休明けは晴れ、島岡美延です。
立夏から、雨で肌寒かったりしましたが、今日は初夏らしくなりそう。
スポーツの世界では「リベンジ」という言葉を普通に使います。
スポーツじゃなくても、かつて失敗したことに再挑戦する時、「リベンジする」と言いますね。
これらは「雪辱」の意味合いで、「リベンジ＝自分を納得させる挑戦・結果」という前向きの印象。
ただ、最近「リベンジポルノ」という何とも嫌な言葉を聞くようになりました。
「復讐のため、相手のわいせつ画像をネットに流出させる」のです。
交際していた相手などに「二人だけの秘密」の共有として、気軽にメールで送っていた写真。それを「ふられた腹いせ」として、ネットにばらまくと相手を脅す・・・。
実際に流出してしまえば、完全な削除は困難です。
スマホの急速な普及とともに、この被害は拡大しています。
あまりに無防備に、ネットに自分をさらす中高生たち。もちろん大人でも。
手の中の生活必需品は、危険への入り口であることを自覚したいものです。

晴れの舞台あってこそ

GWも最終日、島岡美延です。
連休中に、バレエの発表会に出かけました。
友人の発表会、そして妹の発表会！
私たち姉妹は、子どもの頃に習っていたわけではなく（小学生の頃は、二人とも楽器、書道の教室へ）、まさか大人になって、それぞれバレエに夢中になるとは。
母は相当ドキドキしながら、私たちの発表会を見ているみたい。
私も妹の舞台の時、自分が踊るより緊張します。
これで三回目、少しは余裕が出てきたかな。
無事に役割を終えて、チュチュを着てメイクをしたままロビーに出てきた妹。
来てくれた友人たちに囲まれて幸せそうでした。
ランナーズハイ、のようなものが舞台にはあります。
私も妹も結局、そういうのが嫌いじゃないみたい。
発表会までのリハーサル期間は、バレエの優先順位が高くなり、仕事も忙しいオトナたちが信じられないほど必死に。
照明を浴びて「踊りだしたらあっという間」のための努力。
「観て勉強」したことをレッスンに生かさなきゃ。
母が次にドキドキするのは、秋の私の発表会・・・！

アカデミー主演女優賞、納得！

地震の揺れに驚いた、こどもの日、島岡美延です。
人間の性格は、いつ形成されるのか、一度できた性格は、簡単には変われないのか・・・。
セレブな自分にこだわり続けた女性を体現して、アカデミー主演女優賞に輝いたケイト・ブランシェットから、一瞬も目が離せません。
映画『ブルージャスミン（10日公開）』をご紹介します。
このところロマンチック・コメディ路線だったウディ・アレン監督が「転落していく人生」に深く迫りました。
かつてNYセレブ界の華だったジャスミンは、裕福な実業家ハルとの結婚生活も資産もすべて失い（それでもブランド品で着飾って）、サンフランシスコへやってくる。
同じ里親の元で育った妹ジンジャーはシングルマザー。
その質素なアパートに身を寄せたジャスミンだったが、過去の栄光を忘れられずに精神のバランスを崩す。
そんな折、パーティで独身のエリート外交官に出逢い、彼との結婚にすべてをかけようとした彼女を待っていたのは・・・！
幕切れのジャスミンの表情、あなたは何を想いますか？

お気楽な若者が林業で

みどりの日、島岡美延です。
さあ、森の中に行ってみませんか？
映画『WOOD JOBウッジョブ! 神去なあなあ日常（10日公開）』をご紹介します。
原作は三浦しをんの小説。
『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』など、若者の成長物語を次々ヒットさせてきた矢口史靖監督最新作は、またもCGや吹き替えを使わない林業エンターテインメント！
お気楽な男子、勇気（染谷将太）は、大学に落ち、彼女にふられ、散々な状態で高校を卒業。
ふと目にしたパンフレットの表紙の美女（長澤まさみ）につられ、逃げ出すようにやってきたのは、1年間の林業研修プログラム。
ケータイの電波も届かない超田舎・神去村。
凶暴で野生的な先輩ヨキ（伊藤英明）ら、山の男たちに鍛えられていく勇気だったが・・・！
チェーンソーを使って木を切る訓練をして臨んだ撮影。
実際に何十㍍という木に登る場面も。
巨木を切り倒す“伝統の祭り”のシーンは圧巻です。
本気の男たち、日本映画のカッコよさをぜひ！

映画を楽しんで憲法を考える

晴れて暑くなりそうな憲法記念日、島岡美延です。
1人の主婦による「日本国憲法にノーベル賞を」という思いつきは、「受賞するとしたら対象は日本国民」という形で、ノーベル平和賞の候補になりました。
その自覚が、今のニッポンにある？
GWも後半、映画館はにぎわっています。
映画のジャンルは様々でも、愛や友情が何らかの形で描かれているもの。
大ヒット中の『アナと雪の女王』は、ある誤解から、一度は途切れた姉妹の強い絆が、世界を変える力になりました。
強大な力を持つヒーローは、その力ゆえに「仲間はずれ」にされる苦悩を経て、「本当の自分」を隠しながら使命を果たす・・・。
スパイダーマン、スーパーマン、バットマン、アベンジャーズ、Xメン・・・、並外れたスパイも同じかも。
「敵か味方か」というギリギリの立場に置かれながら愛する者のため、必死でもがく。
エンターテインメントの世界は、現実社会の投影。
自由、平等、人間らしさ・・・、映画は「憲法という決まりごと」を考えるヒントの宝庫です。

政権交代、彼らの運命は

夏日の予報、島岡美延です。
明日からの4連休、いつが「何の日」か、曖昧になりそう？
憲法記念日とこどもの日、まとめて考えたくなる映画『シークレット・チルドレン（10日公開）』をご紹介します。
中島央監督が脚本・プロデュースも手がけたアメリカ映画。
今からそう遠くない未来の先進国Ｘ。
この国では、36年前に「シークレット・チルドレン」と呼ばれる3万人のクローンが作られていて、人間とクローンは平和に共存していた。
しかし、政権が交代し、新大統領は「クローン廃絶運動」を政策に掲げ、シークレット・チルドレンの完全廃絶を目指す。
「クローン監視委員会」の捜査官は、逃走するクローンを捕獲し、冷静に「廃絶」し続けていく。
そんな中、セドリックとソフィアのクローン・カップルは、レジスタンス活動を始め、多くの仲間を隠れ家に保護していくが、事態は緊迫の度を増していく・・・。
子孫を残せないクローンの権利とは。
政権交代による政策の暴走。
先進国Ｘの姿が「遠いどこか」ではすまない物語です。