秋の実感はこの湿度がなくなってから、島岡美延です。
なくならないのが特殊詐欺、ラジオで防犯を呼びかけますが、ここでは詐欺をする者の人生を見つめてしまう――。映画『バッド・ランズ(29日公開)』をご紹介します。『後妻業』などの黒川博行の傑作小説を原田眞人監督が映画化、原作者も絶賛!
〈持たざる者〉が〈持つ者〉から生きる糧を掠め取り生き延びてきた、特殊詐欺に加担するネリ(安藤サクラ)と弟ジョー(山田涼介)。二人はある夜、思いがけず「億を超える大金」を手にする。金を引き出す、ただそれだけだった二人に迫る様々な巨悪。二人はここから逃れられるのか!?
服装や仕草などアイディアを出したという安藤。ジョーの異常な愛と衝動に狂う姿を体現した山田。「生きにくい世界を生き抜く美しさと強さ」を見せた二人から目が離せません。NPO法人理事長で裏の顔は特殊詐欺の〈名簿屋〉の男を生瀬勝久。幼い頃からネリのことをよく知る元ヤクザに宇崎竜童。天童よしみも驚きの役で登場。