九月半ばとは思えない暑さの三連休、島岡美延です。「秋まつり」も熱中症対策を。
関東大震災から100年、企画展で「負の歴史」はほとんど見ません。でも「なかったこと」にはできないと、公開中の映画『福田村事件』を観てきました。森達也監督が描いたのは、長閑な日常を暮らす人々がここまで残虐になる、集団心理の恐ろしさ。
大震災から5日後の9月6日、千葉県東葛飾郡福田村で、100人以上の村人たちにより、香川からきた薬売りの行商団15人のうち、幼児を含む9人(1人は妊婦)が殺された実際の事件。讃岐弁を話していたことで朝鮮人と疑われたもの。
「この人たちは日本人だ」「冷静になれ」と声をあげる者がいても、聞こうとしない群衆。目の前の「異物」を排除する、という思いのみで突き進む・・・。水平社宣言の翌年の悲劇。
この100年、「差別」の対象は細分化され、SNSではより強烈に。竹やり、銃剣を言葉に変えて、誰かを刺しているよう。