民謡/梅若朝雲(駅前仙人)の徒然日記2007.1.28~

民謡&三味線の師範・釣り・料理など多趣味。

Vol.1030 撥の加工

2009-11-23 14:24:59 | ひまつぶし
修理というか加工と言うか・・・。

撥を取り落とすか、よっぽどお稽古したかで先が減る・・または折れる事がある。
お稽古で先が2ミリも3ミリも「チビル」と言えばよっぽどだ

その修理をする際に横一文字にカットしてごまかす手法があり、それが最も手早い。結果は少し分厚撥が出来上がる。

良いものは片方ずつ厚みの違う造り・・硬軟の好みで使えるようになっている。
「もっと柔らかい方が・・」というリクエストにこたえて「ダメ元」の加工に入る。・・「ダメ元」は謙遜で、少し傷が残ることへの牽制だ・・

さて写真である。
これが拙者流の「道具」・・紙やすり・・サンドペーパーか?・・真中が確か3.000番?の砥石・・埃払いのような妙なものが「餅いね苗」の干したもの。仕上げはグラインダーに木綿のパフを取り付けての蝋びき。

四角く転げているのが右の「むかしの撥」・・細く長い・・のお尻をカットしたかけら・・これが象牙屋参右衛門のストラップの原料になる・・まさに「口銭」である

いね苗の事はずっと以前に書いたが・・多分お忘れだろう・・。
先ず目の粗いサンドペーパーで・・ゴシゴシ・・順に目の細かいペーパーへ・・変えていくつもりが「♪どこ行ったのさぁ~」状態で見つからない。

拙者の仕事場はかなり独立しているから・・むやみな所へ仕舞うはずもないが・・「無い!」・・ここで「ままよ!」・・となる

次の目のペーパーまでは・・あった。
その次に活躍するのが・・いね苗・・十草というものがあるが、あれの優しいモノだと思われたい。

ゴシゴシゴシ・・湿らせたタヲルの上でゴシゴシゴシ・・
ためつすがめつ睨みながら・・ゴシゴシゴシゴシ・・次が砥石・・。

砥石の角を撥に当てないように・・水をかけながらコシコシコシ・・少し音が違う。だんだん「キトキト」・・きれいになったら砥石にピタッとくっつく・・それ程粒子が細かい。

水気を拭き取って・・グラインダーで艶出しの「蝋びき」・・見事に「ピッカピカ・・」。
あと2種類のSペーパーと最後に水ペーパーがあったらねぇ~・・わずかに残った傷が・・それでも意地悪くすかしてみない限り判らないよ

物がものだけに慎重になる・・手をかけるまでの時間が工夫を増幅させる。
自分のものは納得ずくで出来るが・・お弟子と言え他人のものはね・・。

左の撥・・透けて見えるでしょう?・・コレデイイノダ・・良い「芯持ち」の撥のしるし。

本職の作業がどう言う風なのかまったく知らない「仙人流」である。
先ずは「メデタシメデタシ
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2 コメント

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撥の加工 (Sachi)
2009-11-23 20:36:10
本職?の方にお願いするのかと思っていました
先生は自分でされるんですね!!
きっと愛着をもって納得されるまで磨くんでしょうね!
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Sachiさん・・・ (朝雲)
2009-11-24 00:28:46
特別なものは本職に出しますが・・
費用と日数が・・それに、この手の職人も少ないようで・・。

上手くいくとうれしいし、ある種の緊張も楽しいものです



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