大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

アネルカとドログバは上海申花でも通用するのか?~単純にレベル云々だけでは予想しにくいテーマ

2012-01-22 00:09:51 | 中国サッカー
冬にアネルカの移籍が決まったのに続いて、今シーズンプレミア終了後にもドログバが上海申花へ移籍するという話で、今季の中超が俄然注目を浴びてきた。まあ、話題作りとしてはいい移籍ではあるけどもね・・・なんか移籍する時期というのがアネルカとドログバとで違うというのが両者の現在置かれている立場を浮き彫りにしているというか。アネさんは完全にチームの構想から外れていて、最近彼のプレーを見たのがアウェーでのサンダーランド戦で先制点となるフリーキックを貰う為の苔プレー(後述するが審判の笛をあてにしたのがチェルシーは結構目に付く)ぐらいかな・・・

一方のドログバは1月の残り試合はアフリカネーションズカップで離脱するけども、一応年明け早々までは試合には出ていたわけで、今季で契約は切れるけども一応戦力として使い切るという判断をされているようですな(あと、本人が以前日本の専門誌に語っていたように、冬の移籍は極力避けたいというのもあったかもしれないが)。

で、今回のブログエントリのテーマはズバリ、この二人が上海申花へ行ってもバリバリ活躍出来るのか、というものである。これは、ひいてはワールドクラスなFWだけでどこまでチームの戦力の底上げが出来るか、という点において個人的には結構興味深い。という風に書くと、アホ抜かせ、全然レベルがちゃうやんけ、という反論が帰って来るのは充分予想出来る。けれども、筆者の考えでは活躍出来るかと言えば?だし、アネルカに至っては夏ごろには不良債権化してしまいそうな気配すら感じる。それは単にレベル云々というだけでなく、彼らが活躍出来るだけの前提条件というのが中国においてあまり揃っていないからなんだけども。

一応このテーマを検証するに辺り、ここ数試合のチェルシーの試合のダイジェストの数試合分を見なおした。私は普段テレビをあまりリアルタイムで見ることは少ないのだが、一応相当数の番組を録画してはBDに焼いている。そして何かのテーマについて考える時に参考の為に必要なものをピックアップしては見直すようにしている(まあ、プレミアのダイジェストは毎週チェックはしているけども)。

で、その成果なんだけども、アネルカはここんところ試合には出られていないが大体過去の試合映像などで想像はつくけども、ドログバが出ていたウィガン戦やアストン・ヴィラ戦で目についたものは、

1.裏に抜け出るスペースがある
2.前を向いてDFと勝負出来る余地がある(きれいなゾーンで守っている分、その間のスペースを使って1対1がやりやすい)
3.ドログバに限らずチーム全体が審判に結構助けられている

といったものだ。ちなみに3なんだが、ヴィラ戦のPKの場面もドログバ自らゲットした割にはダイブっぽいところがあったし、その後同点にされた場面でもテリーはハンドで一発レッドプラスPKでもおかしくはないが同点ゴールの方を審判は取っている。まあ、スタンフォード・ブリッジでやっていたら基本チェルシーに不利な判定というのはそうないだろうし、またウルブス戦のようにランパードが足の裏を当てるタックルをしてもイエローで済んでいることから判るように、誰もホームチームの主力選手が退場になる場面なんて望んでは居ないわけやしねw

まあ、かようにチェルシーネタって歌万の間では結構取り上げられたりするわけですよw

で、話を元に戻そう。一方の中国へ行くと、

1.基本蹴り合いになる為、中盤は緩い反面両軍のボックス付近での攻防がメインとなり、ラインは低め
2.従ってラインは低い為、裏へのスペースは消される
3.今まではサムソンのロゴが入った青いユニだからこそ審判の庇護を受けていたが、今度はカンフーの餌食になりうるし、彼の国の審判が守ってくれるとは限らない
4.フィニッシュに行くまでのラストパスの質量の低下。今まではチェルシーと他クラブの圧倒的な力の差が前提となっていたが、これからはあまり決定機を作ってもらえず、自分で何とかしなくてはならなくなる

といったことが考えられるだろう。とりわけ4というのは今回のテーマを考える上で重要であるかもしれない。ゴールを量産させる為に点の取れるFWを連れてきても肝心な決定機の質量が上がらないと、伝家の宝刀を抜く以前で勝負がついてしまうのではないか、という風に考えられるわけです。この点は、ガンバサポなら理解出来るのではないか?Jの他クラブからガンバに移ってきた外国人のFWは大体皆得点が増えているんだけども、これはガンバの中盤が彼らに対して得点しやすい状況をお膳立てしていたからこそだというものであることが忘れ去られてると思う。

あと、気になるのが上海申花というチームのスタイルだろう。今までACLや中超の試合でこのチームを見てきた限りにおいては、プレミアで言うならストーク・シティのようなロングボールの放り込みとロングスローに頼っていた。そのスタイルならばお二人はお呼びではないんだけども。

ただ、今季から監督に就任したフランス人で、プラティニやジレスと共にレ・ブルーにおける黄金の中盤の一角を担ったジャン・ティガナ(現役時代は好きな選手でした)は決してそんなサッカーをやろうとは思っていないだろうし、上海申花も彼を招聘したということはパスサッカーへの方針転換を目指しているのかもしれない。

まあ、そういうコンテクストで、かつ同じフランス語を話すティガナ監督となら二人は人間関係においてはストレスを貯めることなく上手くやれるかもしれない。ただ、サッカーに関しては未知数ではありますけどもね。それがあるから二人が中国に来てすぐバリバリ活躍出来るものなのか、と疑問を投げかけているし、カネ持っているんならもうちょっと生きたカネの使い方すればいいんじゃないか、と思ったりもするわけですね・・・