若き日々、親友だったYちゃん。
学生時代、YちゃんはA君と付き合っていた。
わたしは高校を卒業したばかりの春休み、短期バイトを通して知り合ったボーイフレンドがいた。
やがて彼が一浪して入った大学での同級生がA君だった。
A君も一浪していた。
A君に初めて会った時のことは今も忘れられなく、A君の表情を鮮明に覚えている。
ま、何しろYちゃんのボーイフレンドA君は、嗅覚が独特と思われるが、わたしを一目見て化学反応を示した。
それをわたしのアンテナが敏感にキャッチしたのだが、残念ながら、わたしはA君の友達と付き合っていた。
我々は平和主義なので、ややこしいことは避け、極力、平和維持に努めて掻き回さない。
なので、何ごともなく2組のカップルはお互い仲良く交際を育んだ。
が、やがて、世の中によくあるように、2組ともあっさり別れた。
別れたからといって、もう一度バラバラに組み替え再編成し直すかといえば、しない。
あれから半世紀弱は経っているが、皆さんどうしていることやら。
40年も経てば中性になっている(はず)。
A君はわたしのことなど微塵も覚えていないだろう。
若き青春の儚い爽やかな思い出の一つである。
ぱちんとシャボン玉のように弾けて割れた。
夏の花火とはちょっと違う。
火がついてないから。
湿っているから着火しないわけでもない。
このあたりの微妙なニュアンスは、書ききるにはわたしの筆力では100年早い。
て、しょうもないことは書きたがる。
Yちゃんはその後に結婚を前提とする男性とお付き合いしていた。
お付き合いの様子は(見たくて見たわけではないが)目の当たりにしっかり見えた。
が、別れた。
簡単に書きすぎかも知れないが、これまた世の中にはよくあることだ。
なぜ破談になったかはわたしはわかるが、書かない。
まあ色々ある。
この婚約者は、わたしがよく知っている人。
ご両親もよく知っている。
で、別れた後、Yちゃんは別の人と結婚した。
わたしは結婚式に呼んでもらい、新婚家庭にも友人たちと遊びに行った。
ではあるが、幸せはあまり長持ちしなかった。
これまたよくあることだ。
どれをとってもよくあることなので、わざわざ文字に起こす必要があるのだろうかというぐらいである。
でも、ちょっとだけ触れようかとふと思った。
だが、そういう思い出は、書かないほうが楽しく美しい。
それと、、、結婚はほんの少しのタイミングで、相手が変わる。
誰と結婚しても、さほど大きく変わらないような気にもなっている。
Yちゃんの元旦那さんが、そう言っていたのを思い出した。