へんな洋食屋カフェ

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ここんとこ毎日の戴きモンである。洋服だ。毎日に来店してくれる超常連一家が嫁さんとオイラに色々と服をくれる訳である。先日は、オイラが婿さんにチロリアンの帽子二頭をあげたところ大変喜んでくれオイラが一年間温存して活用出来なかったチロリアンが活き活きと頭に乗った様を観て活かして戴こうと差し上げた次第である。その「活かす」活用論をその家族と話題にしたらあれこれとその家族が活かせなかった物品を家の方で活かせるモノは活かせるだろうと沢山くれちゃう訳である。オイラは、今まで戴きっぱなしで人様に差し上げた事は少ない。嫌な経験を持っているからである。活用して戴こうと差し上げた物品が身近な他人の手に渡っているのを数多く目撃したからである。あの無念、悔しさ、裏切られた気持ちを幾度も味わってあげる事はしなくなった。しかしながら、捨てるのも難であるから「この方ならば、活かしてくれる」という方には活用してもらう様に為った。カメラバッグ、三脚、バイク、カシミア、ダウン、ムートン等々と整理して活用していただいている。
その方々が今度はオイラに一点集中して諸々のオイラが似合いそうな物品をくれちゃう訳である。昨日は、嫁さんにと自作の七宝のボタンカバー一式とスプリングコート、今朝はオイラにとオイラ色の薄手のダウンジャケットである。戴くというのは何とも嬉しいモンだなっー！

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新店舗に為って八年が経ち、そろそろあちこちのメンテナンスが必要である。一度にあれこれと行うには大きな金銭も掛かるので二年計画で修繕が必要ならば修繕、クリーニングが必要ならばクリーニング、取り換えが必要ならば取り換えと徐々にしか出来ない訳である。経済的理由に決まっていますが今年は冷蔵庫関係・エアコン・その他電気製品を行う。手始めには今週から業務用冷蔵庫の保守点検とクリーニングである。一台31500円が何台だから其なりの額である。思い返せば去年には二台の内の一台のエアコンをやったが五万円弱だった。今日のアイドルタイムには休店して一番大きな冷蔵庫の庫外機関部の大洗いである。これも当初の金額から値引きをして戴き、更に人生初めてのクレジットを組んだ。商売家は常に投資を繰り返し僅かに収入を得る事で生涯を暮らすと言っても過言ではない。全てが自腹である。購入も修繕もメンテナンスもが全て自腹だ。身一つで収入を得る勤め人とは生きざまは全く違うんだなっ！冷蔵庫も大病に掛かり買い換えなぁんて事態に陥ったら百
万円だ。だから、事前の保守点検とメンテナンスである。それは人間だって同じ、特に商売家の我々は病気に患り休めば収入は無くなる訳である。休職なぁんて謂っている場合ではない。オイラは今まで三度入院してその都度に収入を無くしている経験があるのでせめても機械くらいは定期点検だなっ！

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昨夜は、初めて末っ子に「抜刀」の稽古をつけた。末っ子は、前記したように約10年間の剣道つまり竹刀、防具の練習を続け初段(誰が決めたか)の紙切れを授かっている。「抜刀」、白刃を鞘から抜く武道である。白刃は常寸ならば二尺三寸四分の約70センチメートルだが、此がなかなか抜けないんですなっ！更に、納めるのはもっと困難である。抜刀して正中線を崩さず直ぐ様に正眼の構えで向手を制する訳である。だから、当てるならば自分に近い小手若しくは脛に触れれば決まる。白刃ではかすっただけで白肉は開き向手の戦意は喪失する。一刀の元に切り落とす必要は全く無いのである。所謂、トドメではなく活人という事だ。稽古をつけたのは勿論だが木刀である。正中線を整えるのにいかほどの期間が掛かるであろうか？正中線が整えば凡そ全ての事柄にその正中線が行える。つまり、正中線こそが～道と謂える。立居で正中、座しても正中、寝ても正中だ。体バランスとは違うんだなっ！芯というか、胆というかであるが確かに剣術が習得し易い訳である。

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～道なぁんてスポーツが数多く有るが、「道」と名が付くモノは大概が精神的な事柄に比重が高くマトモに行えばそれは素晴らしい筈である。だが、スポーツ化し競技化して勝負にこだわりトンでもない事件まで発生しているなっ！オイラの子供達も～道というスポーツをやってきているがナンの事はない競技である。師は～道の何を教授しているのか？それでも師(実際は競技を教える先生と呼ばれてイイ気に為っている方々だが)はこんな事を謂うらしい。「己との戦いだっ！」それは競技に勝つ為の事にしか過ぎない。仁・義・礼・智・信ですよ教えるのは。特に武道と謂われる道は「武」という字を分解すれば戈を止める訳である。戈は戦の道具だなっ！それを止める人を「武士」と謂い、その修練を「武道」という筈である。そんな事ばかり教えては月謝は戴けないのも理解する。しかしながら、武道という日本の古典スポーツはそれが伝統なんだよ。スポーツに限らずその事柄には必ずやその道が有るんだな。10年間預けて月謝を払い続けて一つもその道の成果は出て
いないスポーツを辞めろと先日は末っ子に告げた。免許つまり級とか段とかで釣っているが誰が決めたんだ。オイラのギター道には有段者とかないぞ、料理道にもないぞ、申し開きを問いたい訳である。

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今日も来客多数にて大忙しであった。オカゲでアイドルタイムは仕込みで追われ椅子に座っての一服は夕方の４時半である。アイスコーヒーをコップに注ぎ入れため息もつく。今日の賄いはいささか疲れて拵える事にも面倒なので、店前のスーパーでにぎり寿司を買ってくる。つぶ貝のにぎり寿司五個入り298円と鯵のにぎり寿司五個入り298円だ。豪華粗食事と謂える。仕込みは沢山有ったなっー！ハンバーグ20人前を練り、カニコロッケも20人前練り、海老小190匹を掃除し、カレーソース14人前を造り、玉葱11個を刻み、明日に衣を着けるチキンを何枚か捌く。二時間余りの緊迫した時間である。アイドルタイムだからいつ何時にも来客があるかも知れないので早手回しで行う訳である。しかしながら、途中には来客が二組有って仕込みは中断するんだなっ！此、かなりマイル。作業場には仕込み中の食材が広がっていてその狭間で注文の調理をするのだ。如何にせよ狭い作業台の上が更に狭くなりやりくりにはほとほと苦労するなっ！

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容易く「奥義」なんて言葉は使えないが、色々様々あれこれ諸々のジャンルの達人と接する内に奥義な扉が遥か彼方に見えてきた。ゆくゆくあの扉を開けるなぁんて事までには到達はしないであろうが、遥か彼方に豆粒の如く見えている。つまり、近付ける訳である。修練を積んで次第に徐々に近付ける事に気が付いた。で、オイラの今見える奥義の扉は一つなんですな。たぶん、色々なジャンルに於いても奥義の扉は一つなんだと思う。奥義に到達した先達は一つのジャンルに卓越している訳ではなく、何を行っても卓越しているなっ！つまり、物事の奥義は一つに集約されているに違いない。そもそも奥義とはナンなのか？色即是空、空即是色、諸行無常、無欲無心、心身脱力という水月の境地と解釈出来るが扉に近付けないのは欲のせいに違いない。勝負、比較、物欲、色欲、権欲、優越、見栄など様々の欲望がその都度に壁を造り今見えていた「奥義の扉」を遮る訳である。奥義は知識なんかではないですなっ！たゆまぬ経験と技術の継続に応用とか想像力とか創造力の助力を得て自らの一
流派を加える瞬間に開かれるのではないか。

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大忙しのオカゲでアイドルタイムは明日の下拵えで通り過ぎて座って暇潰しなんて場合ではなかった。洋食の場合は、仕込みとは言うものの下拵え後に食材に由って寝かせたりして熟成後に半製品に仕込み、注文時に仕上げるのが一般的だから朝に下拵えをして六時間後のアイドルタイムに半製品に仕込むモノと、アイドルタイムに下拵えをして翌朝に半製品に仕込むモノとがある訳である。時間は掛かるとは言え付きっきりではない。カレールーなんかにいたってはルーを焼いて一月寝かせその都度にカレーソースに仕込む。その間、１週間に一度は掻き回して熟成を均一化する程度である。しかしながら、一度カレールーを切らせば次回のカレーソースは一月後にしか造れない訳である。マッ、気の長い話だが梅干しや麹ほどではない。つまり、料理人は日常的にはお客さんの注文に秒単位で追われながらも気の長い部分も持ち合わせているンだなっ！しかも姿・形に残るモノは無いのである。全てが、空腹の胃袋に入ってしまうからなっ！

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忙しい月中の15日だが、満員の最中にお一人様が「ナンとかなる？」と入店。ナンとかなる？のナンとかとは何なんだっ！「座れますか？」とか「食事出来ますか？」なんかならば判る。マッ、あのナンとかの「ナン」には座って食べれるかな？という内容が見え隠れしてお客さんなのにへりくだり遠慮がちにもナンとかしてくれっ！が強く出ている特別に巧妙な手口である。調理場前のカウンターに案内し首に吊っていたNikonのデジカメを降ろす際にオイラの目が或る事を見逃さなかった。普通のカメラマン(アマチュアクラス)には判らない、その物で「こっ、これはっ！」とは理解出来ない品物に気付いた。Nikonのネームが刺繍された細目のカメラストラップである。だからそれがドーシタっ！なぁんて言うカメラマンはドシロウトである。所謂「プロスト」つまりプロ用ストラップなのである。プロ登録が為された方にしかメーカーは提供しない代物だ。プロの中には小遣い稼ぎにそのプロストを中古カメラ店に売却し、店頭には数万円で並ぶ訳である。挨
拶程度に話を聴けばやはり元プロカメラマンのおじいちゃんであった。おじいちゃんは調理場前のカウンター上のオイラ直筆のカメラの絵に執心しながら食事となる。大忙しのランチだったので次回の来店の際にあれこれと話をほじくりだしてみたいモンである。

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総勢六人の大ロケ隊の入場には驚いた。９時から撮影取材は始まる。先ずはトークであるが、案の定アドリブの質疑応答でこれは苦しかったなっー！何せ相手はプロのリポーターだもん、其に引き換えオイラは素人だ。トークが済めば、次には「秘密のへんなグラタン」の制作風景を撮影する。更に食して感想だな。その後には、裏の大岡川に出て突然にレポーターと出会った演技をしてへんな洋食屋へ連れ込む段取りと相成る。マァ、沢山喋ったよっー！総時間二時間の取材だったが、放映時間は恐らく切り詰めて二分くらいであろうか。オイラも大変だが、取材陣は素人一人を相手に六人のプロが二時間である。考え方一つだが、良い経験をさせて戴いた訳である。世の中、誰彼がテレビ出演という事には為らない筈である。星のあまたほどに有る店からへんな洋食屋カフェを選んで戴いた訳である。感謝々だが、とにかく疲れた1日だった。

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台本というか仕掛けをよぅく読む。一応、クラシコカメラを提げて突然のレポーターとの出会いから始まるらしい。今まで撮り貯めた南区の日常の風景写真も題材に為るとの事にて提出。台本の殆どはレポーターさんとオイラのアドリブトークだが収録だから安心である。更に、最後にはギター演奏も撮影してくれると書いてある。マァ、テレビ局と横浜市市民局広報課の取材だから何とか巧くまとめて放映に為るだろうが本当にオイラはお役に立てるのか？と、多少の不安は有るなっ！しかしながら、先日の打ち合わせや今日のファクス前の電話でも南区住民の代表として南区の良さを結果論で述べるのではなく今現在継続的の南区の魅力探しをテーマにしてくれるとの事で安心して明日に臨める気持ちに為った訳である。とにかく今までもメディアの取材は数多く受けたがその面では素人だから緊張感は拭えないなっー！明日の朝は９時から二時間の予定で収録だからそれまでに仕込みは済ませないと為らない訳である。