それぞれが持つ紋様は、端材の象牙であろうと個性である。未だオイラは、未熟な為に磨き切らないと見極めが出来ないから一々仕上げる。紙ヤスリの番手を上げていく内に段々と紋様が現れてくるが、六番手以上の磨きの行程を済まないとはっきりしない。やはり美しいのは、象牙の真を得た材料である。工作をやってみると仕上げに大変手間と時間が掛る。磨き上がった製品が高価なのは人手の費用、それも巧みのである。鹿角やベッコウ、コハクなども行うが永年の使用に耐える材料としては最高の部類だ。8年目にして理解した感動である。
怪我も治り、昨夜から象牙削りを再開。二三個仕上げ、金具を付けてキーホルダーや根付けにしたが、端材とはいえやはり象牙は磨くと美しい。使用している内に傷が付いて雲ってきるが、磨くと元通りに成るから扱い安い。今までは、差程に魅力は無かったが自分で造り始めるとその自然の織りなす魅力に填る。実用としても勿論、創は付くのだが象牙自体は大変に固いから永年持つ。思えば、江戸時代の根付けなんかは今も残され勿論使用に耐える。象牙には、天然の紋様が有り全体はうっすらとアイボリーなのだが、その紋様が出るまで磨く訳だ。
こんな不景気の時代こそ全うに誠心誠意を込めた行動が必要なのにプロとして見本にもならない。迷惑は、消費者ばかりでなくそれを活用する方々にも波及する。法律浸けは良いとは思わないが、モラルに欠ける方々が多いから法律で縛る事になる。現在、日本には6000を越える法律・条例があるそうだが、その数の分だけモラルが欠けている訳だ。修心・道徳という授業も学校では少なく、受験や学ばかりを教えたり、また親も求めたりするからだ。良い悪いの物差しも核家族では無理がある。モラルに生き抜いた先代の教えをもっと活かさねばねっ！
食品偽装が止まらない。実際、見分けが付きにくいという盲点であるから始末が悪い。不景気だからどうしても利益を産みたいのも判るが、インチキしてまで汚れた金を手にしても良いという方が居る訳だ。でもねっ！本当に修行を重ねたプロには判ります。オイラだって25年修行を重ねたから、例えば玉葱。持った瞬間に産地は判ります。仕込む前に、つまり刃物が入る前に音や香り、握りの固さ、形など五感だけで判る。で、刃物が入れば瞭然である。そんなプロ達が素人を偽るのは簡単。良識と信念、道徳心の修行をしていないから偽りのプロだ。
そうこうしている内に八時近くに成り、閉店に向けての一日の掃除に取り掛かる。飲食店経営も趣味の一貫でもあるから、やはり作業の締め括りが大事。思えば、オイラは好きな事ばかりをしているから辛くも苦しくも無いなっ！営業中に追い込まれる時も多いが、それはそれで嫁さんが調理場近くに常連さんを据えてくれるから会話に成り追い込まれを脱せる訳だ。これが、一見客が目の前だと会話も難しいし、お互い状況を探れないからオチオチしていられない。常連さんは、注文も直ぐに決まるか、食べたい品物が判るので大変楽である。
今夜は、雨名残と月末が重なってか？沢山の仕込みが出来た。つまり暇だって事であるが、ソースの仕込み等は取り掛かると休めないからお客さんが入っても中断出来ない。で、暇に任せて一気にやり遂げられた。それはそれで爽快なのだがやはり寂しい。何人かのお客さんは、暇なら連絡をくれっ！と言ってくれるが、ナカナカ出来ない。暇を見透かされるからであり、借りも作るからだ。商いとは、良く言ったもんで暇なら暇で仕込みや掃除、それでも暇を持て余せば数多くの趣味であるギター弾きや譜面書き、今晩の物造りの図面起こしとかがある。
今は、不景気にて歩いているとかなり多くの方々が散歩をしている。その散歩のスタイルも通販なんかで様々なグッズや便利用品を売っていて、散歩者を観ているとそれは大変に賑である。混雑地での喫煙も相当に制限されて煙草を吸う場所が無い。煙草店の前の灰皿か、敢えて交番前で喫煙する。お巡りさんもそこいらで吸われるよりも交番前の方が安心らしい。苦笑いはしていました。帰宅途中に井土ヶ谷のDAISO見学、しかし目に着いた物は買うねっ！五本指靴下と帽子、灰皿などを求めた。様々な人間模様と変わる風景を眺めロケ半もしてきた。
昼から横浜駅西口界隈で予定の買い物をしたのだが、リニューアルや閉店が盛んで迷宮の様である。半年振りの雑踏歩きに嫌気も射して早々に外れて床屋の野毛まで散歩。カメラは持っていたが、やはり途中の風景や建物も移り変わり結局はシャッターは押さずに来た。土地の有効利用と言えばそれまでだが、寂しさは残る。帰宅して、怪我の為に中断していた工作を一週間振りに再開。印伝のがっさい袋の根付けを鹿角で造り、象牙でダックス用のキーホルダーとギター型のブローチを仕上げた。作業場といっても納屋だから蚊の対策も追われ大変。
怪我の性で作業場での根付け造りがヤリッ放しである。眺めても作業は進まないが、反面構成の組み立てはしっかりとしてくる。思い付きも増えて材料の調達も必要です。で、明日は忙しいっ！まず、お客さんが出展している写真展へ出向く。これ横浜駅、マズイっ！物品物欲の聖地でもある。こうなったらどうせだから、ヨドバシー中古カメラ店ー楽器やで弦ーハンズでの物造り材ー最後は床屋の計画が立つ。散財でもある。ハンズを終盤に持ってきたのは出れなくなってしまうし、物欲のルツボだから散財も増大するからだ。それでめワクワクしてる。
今は未だ左人指し指が完治していないので、想い浮かんだメロディーの譜面起こしの準備中である。普段なら譜面起こし程面倒な作業は無いと思っていたが、今は楽器を自在に弾けないので仕方なく作曲をしている訳だが始めたら填る。フレーズが湧き出ているのでこの六日間に二曲出来た。しかも、左が不自由だから勢い良く弾けないのでシンミリとした、構成の固いクラシコである。雨降りが続いた事も一因あると思う。で、今日から和音と拍を付け編曲をこうじて譜面に立てる訳だ。五線譜も昨夜に曳いたので後は面倒な編曲ー譜面起こしである。