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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

カトレア咲く

2013年04月25日 | 日記


気温18.5℃、朝6時に農作業。牛蒡の種まき、ジャガイモの畝づくり。ホウレン草、ニラを収穫する。昨年のブログを見ると、桜の開花が4月25日であった。春は去年より順調にきているように思う。

楽しみにしていたカトレアがとうとう開花した。昨年の秋から始まった蕾の生長は、まことに遅々としていたが、春の陽気とともにほころび始めてからは早い。夕べ一輪がわずかにほころんだが、朝になって2輪目がほころび始め、11時には3輪目がほころびようとしている。花言葉は「美しい貴婦人」である。その言葉にふさわしい、豪華で艶麗な花である。かっては高価な花で、庶民には高嶺の花と言われていた。だが近年は、品種改良が進み、多くの人が鉢で育てるようになった。

回想の輪にカトレアの鉢華やか 小川  孝

ここ数日、桜やツツジ、モクレンに続いて、我が家に咲く花見にと、忙しい毎日だが、花見も気兼ねしなければならない時代もあった。鶴岡市近くの某町でのことである。昭和18年、戦局が厳しくなっていく時代の流れで、町の人の生活は一様に苦しくなった。山村の農村地帯では、まだ少し余裕があったので、裏の丘の桜の木の下で、自家製のどぶろくを飲んで、こっそりと酔っ払っていたらしい。このことが町の人に聞えて、「いまやお花見などする時代ではない」と桜に木は伐り倒された。

人生のなかで花と向き合っていられるのは、やはりそう多くはない。ゆったりとした心境で花に向き合えるとしたら、その時間を大切にしなければならない。
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醤油の輸出

2013年04月24日 | 日記


日本食が世界の人々から愛されているらしい。世界各地に日本食ブームが起きていることをさまざまなメディアが紹介している。低カロリーということもあるが、それだけでなくその繊細な味覚が受けているようだ。これが最近のことではなく、江戸の昔から日本の食を知る人は、数はおおくないが海の向こうのヨーロッパにもいた。

醤油を始めてヨーロッパに紹介したのは、ツンベルグというスウェーデンの植物学者である。1775年8月、ツンベルグはオランダ商館付き医師として長崎の出島に赴任した。翌年には商館長に従い江戸参府を果たし、将軍家治に謁見している。滞在中箱根を中心に研究のために集めた800種にのぼる日本の植物の標本は、ツンベルグが学長をつとめたウブサラ大学に、いまもなお保存されている。

ツンベルグは『日本植物付図鑑』のなかで、「日本には醤油という非常においしいものがある」と書いた。これが、醤油が紹介された最初であった。オランダの医師ケンペルも醤油に言及し、「日本の醤油がオランダ人によってヨーロッパに運ばれ、高値で取引されている」と語っている。またフランスでは、ルイ14世の宮廷料理の調味料として使われ、料理のうまさを自慢していたらしい。

オランダ商館では、醤油を消毒した壷に詰めて木の蓋をし、そのまわりを松のヤニで密閉して船積みし、はるばるインド洋を通ってヨーロッパに運んだのである。ところが1836年の大凶作で原料の大豆が不作で、醤油の品質が落ちてしまった。これを契機にして醤油の輸出は途絶えてしまった。輸出が再開されるは、明治の新政府になってからである。

昨年は塩麹を使うことがブームになり、それに続いて醤油麹が人気を集めている。素材をおいしく食べるための調味料は、人間の食文化を支えてきた。これからもその役割が変わることはない。そして、その味覚は広く世界中のあらゆる国に広がっている。
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花見

2013年04月23日 | 日記


94歳になる義母を連れて、妻と花見に行った。花見は年に一回とすると、義母はあと何回花見ができるだろうか。そんな気持ちもあって、ちょうどいい日和を選んだ。市内を一まわりして、山形で一番の花のみどころは、馬見ヶ崎川沿いの道のような気がする。道路の両側に植えた桜が道をトンネルのように覆っている姿は迫力がある。樹勢も旺盛で、壮年期を迎えた木が競って花を咲かせている。

昨日、季節はずれの雪が花の上に積もったが、まだ散る様子はない。妻は、「桜の花は、最後の蕾が咲ききるのを待って一斉に散るのよ」と言った。確かに花吹雪という言葉もあるように、桜の花は散る時の来るのを、じっと待っているような気がする。たとえ強風が来ても、その時がこなければ、散ろうとしない。そして期が満ちたとき、そよ風に花びらを一斉に舞い上がらせて散っていく。生ききって身を捨てる散り際のよさが、桜の花の人気を不動のものにしているのだ。軍歌にも、その散り際のよさが歌われた。

ねがはくは桜の下にて春死なんその如月の望月のころ 西行法師

そんな西行の歌を覚えていはしまいが、義母は桜を見て、何度も「きれいだ」と感嘆の声をあげた。あと何回花見ができるのか、知るよしもないが、西行の心に通じる心境があったような気がする。人の命も、花の命もその散り際は同じではないか。



花見の帰り道、そば屋で手打ちそばを食べた。花見にそば、これは日本の古来からの行事と食べものである。
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雪のなかの桜

2013年04月22日 | デジカメ


6時、散歩に悠創の丘に出かける。風は冷たいが、日ざしがあり、朝の斜光が花を撮るのによい光であるということを知ったのであえて出かけた。来て見て、雪のなかに咲いている大山桜の美しさに驚いた。早起きは3文の得というが、まさに今日の散歩は3文以上の得であった。3人ほどカメラを携えた人が、この風景を撮ろうと三脚を立てていた。「いいねえ、こんな風景はめったなことではお目にかかれないよ」と声をかける人がいた。



花と雪の風景を前にして、撮影モードPにしていたが、露出にいまひとつ自信が持てない。そこで使ったのは、ブラケット撮影だ。これだと適正と+、-補正で、3種類のものが自動で記録できる。撮影後、桜の色が鮮やかに出たのは+補正のものであった。もうひとつ大切なことは、主役としての桜を引き立てる背景に気を使うことだ。青い空と山があり、地面は雪に覆われているという願ってもない条件が揃った。この次には、絞り優先とシャッター優先の撮影に挑戦してみたい。



こんなに早くツツジが咲いているのを思ってもいなかったので驚いた。桜の木の根方で、ピンクの美しい花を咲かせていた。雪があるとはいえ、4月も下旬である。順当にいけば、ツツジも咲いて当然であるが、この花は夏が来るのを思わせる。

躑躅燃え遠の白根に雪残る 草間 時光
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春の雪

2013年04月21日 | 日記


ミズバショウが咲いて春を感じていたが、今日の未明から雪になった。午前10時現在でも降り止まず、屋根は白く雪が積もっている。東へ抜けつつある低気圧に向かって大陸からの寒気が流れこんでいるためらしい。長野から東北南部で積雪となっている。春の陽気は、4月初めの寒さに逆もどりした。

「女心と春の空」という。春の空が、大陸性の移動性高気圧で好天になると、その後に低気圧がやってきて変わりやすいので、女心の移り気に例えたものである。だがこの移り気は、繰り返すうちに段々と暖かくなり、最後はめでたし、めでたしとなるいう説もあるが、どうであろうか。反対の、「男心と秋の空」は次第に冷え込んでしまうのだそうだ。

ヨーロッパ大陸では、4月の気候の変動はさらに激しいようだ。春の強い光で暖められた大陸の地面に、北から寒気が流れこんでくると、対流が起き雲が湧く。雲はあちこちに湧きあがる。そのため、降ったこと思うと照り、照ったかたと思うと降ってくるいうあんばいである。北欧では2日間に青空と雨が32回も交互に現われた記録がある。泣いた赤ん坊が、母親の一言でニコニコと笑い出すのを、日本では「今泣いたカラスがもう笑った」というが、ヨーロッパでは「4月の天気みたい」という。

桜の咲く時期の冷え込みを花冷えというが、その分、花は長持ちする。高温が続けば、この週末には桜の花も終わりであったが、この冷え込みのおかげでもうしばらく桜の寿命は延びそうだ。きのう蒔いた野菜の種は、どんな影響を受けるだろうか。発芽が遅れるのは間違いのないところであろう。

双子山の裏も表も春の雪 長谷川かな女

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