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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

桜、万葉集

2016年04月05日 | 


梅の花は一輪づつ観賞するもの、それに対して桜は集合体の花を楽しむもの、と所感を述べた人がいる。山の新緑のなかの点景として桜をみるならこれもうなずけるが、アップで撮った写真を見ると、梅は蕊が前面に出すぎ、桜の柔らかい花弁が勝っているような気もする。桜は万葉時代から日本の花として歌人の心を捉えてきた。

梅の花咲きて散りなば桜花継て咲くべくなりにてあらずや (巻5・829)

坂巻川の桜は、陽のさすなかで、その柔らかな花弁が存在を強調している。だが、まだ集合体としての並木の花を賞味するまでにには至っていない。
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ベニコブシ

2016年04月05日 | 


桜の開花が近づいて、近所の庭には春の花が咲き始めた。コブシ、白モクレン、ヒヤシンスなどなど、なかでも目を引くのはベニコブシだ。家の駐車場の近くに大きなベニコブシの木がある。遠目にはピンクのきれいな花で、一体何のはなだろうかと妻と話していた。今日そばでじっくりと見ると、ベニコブシの花が満開であった。そういえば、この花は近所のお婆さんに訊ねて教えられたものだ。花の命は短い、こんな陽気が数日続けば終わってしまう。そして本格的な農作業の季節が始まる。

山辛夷ぱらりと咲けば田ごしらへ 飴山  実



モクレンの花の豊穣さに圧倒される。枝の先まで咲いて、その上には青空が広がる。自分の庭でもないが、散歩しながら白モクレンの花に出会うと、いつも得したような気分になる。枝のなかでせめぎ合うようにして咲く花が、大地の豊穣を予言しているように感じる所為かも知れない。

木蓮の花許りなる空を瞻る 夏目 漱石

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