梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

国を維持するには夢が要る

2015-12-20 07:46:20 | 雑記
野坂昭如氏が亡くなった、自称「焼跡派」と称していた、昭和23年1月生まれの私はさしずめ「戦後一世」と言うところか、生まれた時は敗戦直後に近いが物心がついた頃は戦後と言う言い方がまだ十分に残っていた時期だった、
農村に田畑を持たない家に生まれ育ったのでそれなりに周りに比べれば貧乏な部類に入るが村全体も社会自体も今よりかなり貧しかった、
義務教育を終えたら働くのは当たり前で高校に行くのはかなり裕福と言う印象が強かった、我が家に関して言えばいま考えてみると学費どころか口減らしに近いのではないかという位のものだった、
中学を卒業し集団就職で上京する15歳の若者は「金の卵」と言われた時代で経済的に言えば小遣いもままならず丁稚奉公のような住込み就職も半数以上だったがそれでも「頑張れば幸せになれる」という夢はみんな持っていた、無論脱落してゆく者も有ったが真摯に頑張れば結果が出ると言う時代だった、恐らくそれが高度成長期を後押しし後押しをされてきた、
思えば幸せな時代だったと思う、常に夢が有った、
翻って現の若者達を見ると全く夢が持てない様だ、社会がすでに成長期を終えて飽和状態になったせいかもしれないが社会にはまだ仕事は有る、高齢者の介護等に人では不足し後進国から労働力をと言う意見まで出ている、介護業界の収入は確かに低すぎるがなにもしないでネット難民になるならまだマシではないのか?
ゆとり世代というのが学力の問題というより結果は努力の量に比例するという当たり前のことが彼らの中に育っていなかった、それこそ精神的な「ゆとり」の考え違いだろうか、
サミーデイビスJrが「ちびで顎のしゃくれた黒人だ、最低の俺にはどうなってもあとは上に上がるんだと思えば人生は全て楽しい」と言ったが最低の生活に居る人間にとってはどんなに少なくても上に行くのだとポジティブに考えられないのだろうか、
無論世襲された境遇で支配者階級にゆうゆうと進んでゆく階層と努力しようとしてもその環境すら与えられていない階層が有ることも間違いない現実だ、
今後の社会を支えて行く若い人たちに夢を与えることが重要な課題だろう、世襲した地位に固執する現在の政治経済界が草刈り場である労働者階級の貧困など鑑みる事は難しいかもしれないが草が枯れてしまえば収穫はなくなること味も考えなければなるまい、