『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

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[映画『カイジ2~人生奪回ゲーム~』を観た]

2011-11-05 23:39:42 | 物語の感想
☆う~む、面白い^^

 原作は言わずと知れた、今なお続く傑作ギャンブルマンガだ。

 前作(クリック!)でも、私は大概、熱狂して楽しんだのだが、その一個の映画作品にするための改変を不満に思う人も少なくなかったようだ。

 「帝愛」と言う金融会社には、返し切れない莫大な債務を持った者が突き落とされる「地下強制労働収容所」があるのだが、一つに、この数々のエピソードを生んだ舞台が前作では蔑ろにされ、無難にスルーされていたことに起因する。

 そこが簡単にクリアーされ、カイジが、地上を舞台にした戦いでクライマックスを迎え、勝利しちゃったことが、今後の続編に影を落とすだろうという危惧があったようだ。

 しかし、今作は、それをいとも簡単に解決している。

 カイジは、またも借金にまみれ、「地下強制労働収容所」に落とされていたのだ。

 物語はそこから始まる。

 またも、「地下強制労働収容所」での、悪魔の室長とのチンチロ対決は、「007」のアヴァンタイトルのように簡略化されてしまい、

 カイジが、地下の仲間からの希望を託され、地上での限られた二週間の生活の中で、自分と仲間の借金2億円を返す賭けに打って出る物語だ。

 ・・・「地下強制労働収容所」での簡略化されたチンチロ対決は、原作ならば、室長の仕掛けたイカサマに、カイジらはイカサマで仕返すという皮肉が効いていたのだが、今作では、イカサマを見破って終わってしまうという、原作を知る者には物足りない序盤展開だ。

 いきなり、クライマックスの話で申し訳ないが、何段階もの起伏のどんでん返しがあるが、そこで、カイジは何度も絶望し、情けない「命乞い」みたいなことをする。

 そこで助けてくれるのが、どちらも仲間なのだが、結局は、そのヘルプが、お金の問題でしかないのが少し不満だ。

 私の思い描くカイジならば、その「命乞い」には、何らかの計算が働いているはずなのだが・・・。

 でも、手すりに縋り、下半身を「帝愛」の「戦闘員」に引っ張られているのが駄々っ子みたいで面白かったし、昔、シュワちゃんの「トータルリコール」でこんなシーン見たことある^^;

 ただ、同じ「二人の仲間それぞれのお金の融通」が二度繰り返されちゃうのは、片方の人物が、原作からの改変部分のオリジナルキャラクターによるものであり、

 数度は読んで見知っている原作を、より面白さをアップさせてくれたのが今回の改変部分でもあるので、痛し痒しだ^^

 そのオリジナルキャラクターは、吉高由里子が演じている。

 前作のチョイ役だ。

 それが、全く女っ気のない原作に、グレードの高いヒロインを加えてくれていた。

 メインの舞台である<人喰いパチンコ"沼">は原作通りに堂々と、

 しかし、改変部分のオリジナルギャンブル<プリンセス&スレイブ>では、<人喰いパチンコ"沼">のカジノでのメイド服の吉高由里子が、黒衣の王女様に扮装したりして、

 また、悪女として…、過去に心にキズを負った女の子として、演技力を駆使していて、

 私は、

「やっぱ、このイイ女は、チンポにクルなぁ!^^」

 と、確信するのだった(<プリンセス&スレイブ>は、現在連載中の「カイジ・和也篇」のプロローグの和也の小説を髣髴とさせて良かった)。

 カイジ役の藤原竜也だが、この人の演技は、物語が盛り上がれば盛り上がるほど、共感できる普通っぽさが感じられ、そこがいい。

 前作での敵役であり、今は落ちぶれている利根川を演じている香川照之に、私はかつて、「同じ役柄しか出来ない」などと言っていたものだが、その後の多彩な活躍は文句なく、今回も、落ちぶれたが臥薪嘗胆にある「カッコ良さ」を存分に見せてくれていた・・・、素晴らしい!

 藤原竜也、吉高由里子、香川照之と、もう一人、カイジに「"沼"攻略」を見込む男がいるのだが、それを生瀬勝久が演じていて、アクが強いが、その情動は普通人に近く、見ている私たちを非現実的世界へ橋渡ししてくれる。

 そんな4人が、「オーシャンズ11」のように、「"沼"攻略」に挑み、私は燃える^^

 4人を迎え撃つ、<人喰いパチンコ"沼">のカジノのオーナー・一条を伊勢谷友介が演じているのだが、

 私は、どうやら、このケレン味たっぷりの役者が好きなようである。

 『十三人の刺客』『あしたのジョー』と観てきて、この人が出てくると、画面から目が離せなくなる。

 ああ、俺の大好きな広末と、かつてつきあっていたことも頷けるし、

おお、名作『ブラインドネス』にも出ていたんだね^^

 私が、原作「カイジ」の<人喰いパチンコ"沼">篇で感心したのが、その攻略方法の「本格ミステリー」的な大仕掛けにでした。

 かなり入り組み、理解が難しい状況を、画面に3D表現のCGを組み込むことで、うまく理解させてくれました。

 原作では、ラストバトルは、確か、釈放を待つ「地下強制労働収容所」の仲間のトコにもバトル状況が放送され、盛り上がった記憶があるのだが、今回の作品では、そういった多角的な視点に欠けていた点もある。

 バトルの熱さに流されて最後まで圧倒されたが、

 物語に、やや「カイジ」っぽい、現代の若者の労働への無気力と追い込まれた後のサバイバルの描写が弱かった気がするが、

 それでも、面白かった^^

   PS.写真で登場の「美心(みここ)」は、ブスではなかった^^

                                                  (2011/11/05)

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