福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

自分の考えが通用しない壁に突き当たった時こそ、一歩脱皮できるのかも

2007年02月13日 06時30分30秒 | コラム、エッセイ
 昨年の今頃、日本医師会の介護保険主治医意見書作成ソフト「医見書」がVer2.5 になって、マックの場合、事もあろうに一気に最新のOS10.4以降でなければ動作しなくなった。

 正確なデータではなく自分の印象からだけの判断だったが、マックユーザーの大部分はOS8.0あたりからOS10.3迄の間で用いているはずだから、日本医師会の姿勢は会員無視だ!!、と旧マックユーザーの私は怒り心頭に発した。そして、日本医師会の担当部署に掛け合ったり、県医師会のメーリングリストに投稿したが、結局は全く通用しなかった。前者は担当者にのらりくらりと逃げられた。後者では逆に、古いOSユーザーのことも大事にすべきという、一見当たり前と思われる私の考え方自体に問題があることをやんわりと諭された。いろいろな助言も頂いた。
 結果として、私はやむなくOS10.4とATOK2005を購入して2台のG3と1台のG4にインストールして「医見書Ver2.5」を使用し始めた。ハードはOS9.0時代のものだから若干動作が遅い様な気がするが、実害無く動作している。最新のマックはCPUがIntel製に変わってかなり機能が向上したらしい。興味はあるが「医見書Ver2.5」はこれには対応していないから様子見である。
 頭に来たが、お陰で私の日常の業務は大部分はOS10.4のハードとソフトを用いて行っている。その恩恵は大きい。もう元には戻せない、と言っていい。「医見書Ver2.5」が登場しなかったら、私はまだOS8.6とOS9.1、OS10.3にこだわり続けていたはず、と思う。

 同様のことは前にもあった。
 パソコンに背を向け、私はEpsonのワープロを数台用いて仕事をしていたが、突然Epsonはワープロを作らなくなった。この時もユーザー無視と怒ったがどうしようもなく、心を入れ替えしぶしぶパソコンに乗り換えた。結果としてパソコンの機能、発展性等の魅力を認識、享受することになり、それ以降パソコンのない生活は考えられなくなったし、私自身パソコンで随分視野が広がった。ワープロを作らなくなったEpsonに対する怒りは消失、手のひらを返す如く感謝、感謝であった。

 自分の立場を全く無視されるような事態に陥ること、あるいは扱いを受けることは私の日常でも頻回である。その中には本当にどうしようもない、耐え難いのもある。そんな時に、気が小さく傷つきやすい私は一時的にはガックリ来るが、考えようによってはこれらのことは自分をワンランク高める良い機会になっている、と思う。上記に挙げた例はたまたまパソコン関係に関してであるが、誰かの痛烈な一言、叱責、批判等もそうだし、新しい制度なども同じである。

 何でも同じ発想の中で延長線上で考えられれば、改善できれば楽であり、安泰かも知れないが、大幅な発想の転換は出来ない。自分の考えが全く通用しない様な壁、事象にあたったときこそ脱皮する一つのチャンスが与えられたことでもある。
 最近、何でも目まぐるしく変わってとてもまともについて行けないが、それではダメなのだ、と思う。
 一方では、3世紀もの間全くコンセプトの変わらないヴァイオリンなどの存在、こちらの方にも相変わらず大きな魅力を感じている。
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