ちょっと発想の転換があって先週MDに録りためた歌謡曲等の録音をかなり消去した。その中に作詞家、阿久 悠氏が出演したNHK-FM番組の録音があった。記憶も薄れていたので改めて聴いてみた。
歌謡曲を聴く度に作詞は「アクユウ」と頻回に紹介され、どんな人か、どんな字なのか、まさか「悪友」ではあるまいと思っていたが「阿久 悠」と知り、かつ顔写真を見たのは僅か数年前に過ぎない。強面の「なまはげ」のイメージの風貌でさぞやきつくて恐い人かなと思っていたが、今回聴いた録音の声はしわがれ声で威圧感は全くなく、話しぶりに優しさを感じ取ってしまった。その風貌と話しぶりから感じられる印象の解離はとても大きい。
氏の作品に「みかん」と言う曲がある。大竹しのぶが清純に歌い上げるのであるが、歌詞は留守中の男友達の部屋を訪れた若い女性が「部屋がとてもさびしく男臭かったのでテーブルの上にみかんを置いてきました。これは食べないでください・・」とメモを残して置くなどと、初老の私から見ればなかなか意味深長でもある。さらに歌の後半では列車で二人旅の情景となり、「小説みたいにこのみかん、窓から投げたくなりました・・」と歌う。何でここで小説なのかと思っていたが、彼の解説を聞いて奉公に出る女性が踏切で見送る弟たちに、駅で買ったであろうみかんを窓から投げてあげる、という情景を綴った芥川竜之介の短編小説「みかん」が背景になっていることを知った。
私は40数年ほど前に読んだこの芥川の小品と、これを読んだ当時の学生寮の生活を懐かしく思い出した。
死去されてから相当経つが、あらためてご冥福を祈りたい。
歌謡曲を聴く度に作詞は「アクユウ」と頻回に紹介され、どんな人か、どんな字なのか、まさか「悪友」ではあるまいと思っていたが「阿久 悠」と知り、かつ顔写真を見たのは僅か数年前に過ぎない。強面の「なまはげ」のイメージの風貌でさぞやきつくて恐い人かなと思っていたが、今回聴いた録音の声はしわがれ声で威圧感は全くなく、話しぶりに優しさを感じ取ってしまった。その風貌と話しぶりから感じられる印象の解離はとても大きい。
氏の作品に「みかん」と言う曲がある。大竹しのぶが清純に歌い上げるのであるが、歌詞は留守中の男友達の部屋を訪れた若い女性が「部屋がとてもさびしく男臭かったのでテーブルの上にみかんを置いてきました。これは食べないでください・・」とメモを残して置くなどと、初老の私から見ればなかなか意味深長でもある。さらに歌の後半では列車で二人旅の情景となり、「小説みたいにこのみかん、窓から投げたくなりました・・」と歌う。何でここで小説なのかと思っていたが、彼の解説を聞いて奉公に出る女性が踏切で見送る弟たちに、駅で買ったであろうみかんを窓から投げてあげる、という情景を綴った芥川竜之介の短編小説「みかん」が背景になっていることを知った。
私は40数年ほど前に読んだこの芥川の小品と、これを読んだ当時の学生寮の生活を懐かしく思い出した。
死去されてから相当経つが、あらためてご冥福を祈りたい。
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