桜を私は自分独自の季節の変わり目の花として捉えている。
簡単にいえば除雪から解放された日が春の訪れであり、桜が散ったあたりから夏が始まる。
秋田地方気象台は4月10日秋田市の桜の開花を発表。平年より7日早く、これまでで最も早かった去年より6日遅い。
私の通勤路脇の桜もほぼ満開、通るたびに季節感を味わっているが連日徒歩で通勤し蕾の状態を見ていた時よりも感激は薄い。今はバスとか家内に同乗して通勤していて桜の蕾の状態を近くで観察することはほとんどなくなった。
便利なもの、特にスピードが速い移動手段は周辺の事象に対する感受性を疎くする大きな原因の一つである。そういう意味ではせいぜい自転車移動が身近な自然を味わうのにちょうど良いレベルだ、と思う。
4月14日の週、秋田市内千秋公園の桜が満開を迎えた様である。
秋田に来た1973年(昭和48)頃は市内の桜の満開は4月下旬頃であった様に思う。ここ数年この時期はとても暖かく、開花・満開が総じて早くなってきている。もう今日の段階でパラパラと散り始めている。私に夏が来る。
千秋公園は例年であれば桜祭りが行われる。屋台が出たり観桜会などが開催される。今年は4月14日の日曜は午後に出勤したのであるが、通勤路は千秋公園に向かう人たち、あるいは帰る人たちで賑わっていた。
私の体調も今ひとつであと何回観桜できるかわからないが、桜開花に伴う気持ちの高揚も中途半端である。それに人混みがストレス。
15日月曜日は健康クリニックのドック担当日であったが、年度初めということもあって受診者はいつもの半数程度で11時頃には業務が終了した。
千秋公園は健康クリニックから徒歩で15分くらいの距離なので行ってみた。月曜ということで人出は少なかった。またいつもなら広場周辺にずらりと並ぶ屋台も半分程度であった。昨日の状態は見なかったが、もう他の満開の地域に早々に移動したのかもしれない。
千秋公園の桜は一般的に花勢が乏しい。老木のためなのだろうか?
(4月15日月曜午前の千秋公園広場の様子)
私は夏が好きであるが、近年の夏は快適を通り越して苦痛なほどの猛暑、酷暑である。今年はどうなるのか、不安半分、楽しみ半分である。
例えば、我が娘が受験に合格して新たな出発を遂げる春に咲く桜は親にとっては素晴らしいものでしたが。
特段の出来事が無い春に見る桜は、これまた特段私に訴えて来るべくものでもありません。
「桜」と「日本の春」を関連付けますと、まさに人それぞれの出発の時期とそれの開花が連鎖してこその見事な開花となるものと想像します。
老木に咲く桜って、何よりも美しいのではないかと私は思います。
私事で恐縮ですが、我が家の近くの石神井川沿いの桜並木に植えられた老木の桜がここのところ次々と枯れてしまい、撤去されましたが…
その後植え替えられた赤ちゃん桜が、一生懸命花を突けているのも可愛いものでした。