goo blog サービス終了のお知らせ 

福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

モンブラン万年筆の修理(3)後日談  修理費用がついに購入価格を越えた

2007年06月30日 07時04分46秒 | 近況・報告
 私は1本の万年筆、モンブランマイスターシュティック149を25年ほど使い続けてきた。ある患者さんにいただいた品で、書き味はそんなに良くはない。この間、何度か修理した。
 それがまたダメになった。昨夏ころから、インクが途切れ字がかすれるようになり、秋にはペン軸に亀裂が入りインクでシャツや手が汚れる様になった。もう十分使ったし、修理費用もかさんだからお蔵入りのつもりで仕舞い込んだ

 しかし、秋に賄いの石井さんがヨーロッパ土産としてFaber Castell製のボールペンを購入してきた。このずっしりと重く太めのボールペンを使う毎に、似たようなフィーリングのモンブランの万年筆への愛着が再び頭をもたげた。
 修理に関して秋田の小売店を通じて得た情報では、「モンブランは体制が変わり、全てドイツに送って修理するようになったので、修理可能か否かの返事と見積もりに2-3ヶ月、修理しなくとも往復の送料と見積もりで2万円ほどかかる。修理は更に3ヶ月ほど、更に修理代金が・・・」、とにわかには納得できない返事であった。これじゃ購入するのと大差ない。こんな品ならもうモンブランを使い続ける必要はない。

 でも何か変だ。ユーザーへのサービスという点からは時代への逆行である。自分でカスタマーセンターを探して確かめた。結果として、通常品なら国内で修理可能、ただし、現在、部品を取り寄せているので、2-3ヶ月はかかる」というもので、そのまま依頼した。
 6月16日に修理終了して返送されてきた。思ったより早かった。ボディとキャップ一式交換となり、ペン先の曲がり修理で、送料込みの費用は16.497円であった。これでこの万年筆はボディ交換2回、キャップ交換3回で、残っているのはペン先部分だけ。今回ので修理費用の総額は購入当時の価格をユウに超してしまった。

 ペン先だけは変わっていない。だから、良くない書き味はそのままである。されど妙な満足感がある。
 これが愛着というものなのだ、としみじみ思う。何でもそうだが、物品に変な愛着を持つとコスト/ベネフィット比は確実に悪くなる。それで更に愛着が深まっていく。自分のバカさ加減にもほとほと呆れるが、こんな自分の性格にも愛着が増してしまうから、この悪循環を絶つことはなかなか困難である。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿