銅版画制作の日々

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戦火に芽生えた淡い恋*紙屋悦子の青春

2006-09-17 | 映画:ミニシアター

先日、京都シネマにて鑑賞しました。この日は他の映画を鑑賞するつもりでしたが、映画館に到着したら、ちょうどこの映画が上映開始されるということで・・・・。タイミングがいいので、鑑賞する事になりました。目的の映画「マッチポイント」は次回になりました。さてこの映画は「父と暮らせば」で有名な黒木和雄監督の最後の作品です。今年4月12日に脳梗塞のため、75歳で亡くなられました。戦争を憎み、平和を希求した監督さん、近年戦争レクイエムとして、「TOMORROW/明日」1988年、「美しい夏キリシマ」2002年、「父と暮らせば」2003年の三部作を制作され、数多くの映画賞を受賞今回は松田正隆の戯曲を映画化した作品です。

お話は病院の屋上で老夫婦が寄り添う回想シーンから始まる。何気ないやりとりをかわす二人、舞台はいっきに、昭和20年春に・・・。鹿児島の田舎町に兄夫婦と三人で肩を寄せながら慎ましやかに暮す紙屋悦子、彼女は空襲によって両親を亡くしました。そんな彼女が願うことは家族の平穏と密かに想いを寄せる兄の後輩・明石少尉の無事そんな悦子にある日見合いの話が兄の勧めるのは別の男性しかも明石の親友である。そして明石自身もその見合いの成立を望んでいるらしい。傷心を押し隠し、親友永与との見合いに臨む。永与は悦子に一目惚れ緊張してトンチンカンな失敗を繰り返すそんな永与に次第に心を開く悦子。だがある時、明石が海軍特攻隊に志願したことを悦子は知る死を目前に明石は、最愛の人を親友に託そうとしたのだ。出撃前夜、明石は悦子に別れを告げ・・・。桜満開の舞い散る中を去っていく。悦子はもう会えない明石への想いと悲しみに、号泣数日後、永与が複雑な面持ちで悦子のところへ・・・・。それは明石の死をつげるために来た。残された二人の深い悲しみとこれから歩む長い人生を共に生きようとする二人の初めの一歩となった。「ずっと待つちょいますから」と悦子は永与に伝えるのだ。

この映画の登場人物 紙屋悦子:原田知世 紙屋安忠:小林薫 妻ふさ:本上まなみ
              永与少尉:永瀬正敏 明石少尉:松岡俊介
 この映画には上記の5人しか出ていなくて、場面も悦子の自宅と病院の屋上のみという設定。やはり戯曲をベースにした作品ということもあり、限られた空間なのだろうかこのことで、登場人物の会話で見えない場所や人物のことが想像できるような感じがする。映画化になると、登場しない人も作られて出てくることもあるが、この映画は舞台と同じように映画化されている。大変だったかも・・・・。

   紙屋悦子の青春/黒木和雄作品 公式サイトです

  記事がまた消えちゃいました。また再投稿しました。すみません

 


              

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4 Comments

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舞台 (kimion20002000)
2006-09-18 00:48:16
TBありがとう。

舞台は見ていないので、どういう点が違うのか、いっしょなのか、わかりませんが。

パンフレットにシナリオの採録はありました。やはり、会話ですね、ポイントは。監督は、すごく、会話を大切にされていたんだな、と感じました。
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こんにちは (朱雀門)
2006-09-18 16:14:42
シンプルな人物・舞台設定だったので「これは演劇でも再現できそうだなあ」と思いながら見ていたのですが、もともと戯曲だったのですね。見えないものを会話劇によって想起させながら進行するストーリーに、平和な世界を待望する戦時中の人々の思いがにじんでいたように感じました。
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シンプル (マダム・クニコ)
2006-09-19 16:28:15
>登場人物の会話で見えない場所や人物のことが想像できるような感じがする



シンプルな構成のほうが、想像力を刺激しますね。

私は、別の物語を考えていました。



いつもながらTBに感謝!
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こんにちは♪ (ミチ)
2006-12-03 13:59:34
悦子の「ずっと待っちょいますから」っていうセリフがじーんときました。
あの時代の恋って今と違ってとても慎ましいですよね。
これが遺作だなんて本当に寂しいことです。
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