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高校生になった息子が一番気に掛けたロードー

2015年05月30日 21時28分49秒 | タイで子育て
高校へ何とか滑り込んだ息子が一番気に掛けたのがロードーと呼ぶ軍事教練。高校で3年間、大学で2年間の訓練が設定してある。高校では週に1回訓練が有り、息子の学校ではその日は全校休校。ロードーは全員強制ではなく志願制であり、年間700バーツ弱の有料だし、訓練が行われる基地まで出向く必要もあるので、所得が少ない家庭や田舎の学校の生徒は受験しないようだが、息子の学校では男子生徒のほぼ全員が参加する。これは入試や就職の面接でロードーを終了したというのがポイントに加算される期待もあるらしい。大学での2年の訓練を終えれば、徴兵されずそのまま予備役へ入るのも希望者が多い理由の一つだろう。
選抜試験は火曜だったのだが、親同伴で試験に来た生徒も多かったそうだ。申込時に中学3年間の成績を提出し書類審査と身体検査があり、通過した者が体力測定と受けられる。息子はガッシリした体型だが、身体検査では肥満扱い。「お前なんか体力測定に通らないから帰れ!」と言われながらも、身体検査はギリギリパス。息子よりもう少し太った友人は不合格だったそうだ。
体力測定は、腕立て伏せ、膝立て腹筋と800m走だ。息子は小学校の高学年の頃からロードーを意識して毎日練習しており、腕立て伏せを2分で22回は、1分近く時間を残して余裕でパス。腹筋2分で34回も楽にクリア。ここまでの成績は満点の200点だった。合格ラインは200点なので、これで合格と言いたいところだったが、最後の800m走は最初に100点を与えて、基準タイムの3分15秒を超えたところから1秒7点の減点方式。腕立てと腹筋が満点でも、800m走で3分30秒をオーバーすると不合格となる仕組みだ。夏休みに毎日練習するつもりだったが、時間がなくて練習は数回のみ。試験の2日前に車で先導して3分15秒のペースは教えても、300mで止まってしまって心配していたが、本番では最後の200mから猛然とダッシュしてヘッドスライディングでゴール。頭痛で動けなくなって陸軍病院へ運ばれたと、付き添いの兵士から電話が入って驚かされた。結果は9秒オーバーで63点減点の37点。総合237点で合格だった。学校の先生や友人から「お前は落ちる」と言われていたので、息子は大喜びだ。
合格できたのは生徒の半数くらいだったそうで、ここから付き添いに来たご父兄の出番。不合格の生徒を連れて、軍のロードー担当責任者の部屋をお願いに訪れる人が多かったようだ。
不合格者も後日学校推薦でロードーの訓練を受けられるそうだが、試験合格者とは書類上別管理だそうだ。今回の試験合格者は昔の日本軍で言う甲種合格のような物らしい。
自分が生活するタイという国を守る一人として、しっかり学んで欲しい。

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