わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

電動轆轤入門 5 轆轤作業前の予備知識 3

2014-08-23 21:34:05 | 電動ろくろ入門
4) 底削りに必要な用具。

 ① 轆轤作業は轆轤挽きするだけで無く、轆轤挽きした作品を適度に乾燥させた後、底を削り

  高台を削り出すのが一般的です。勿論、高台を馬上坏の様に高くする場合には、付け高台に

  します。天地を逆にして底裏に新たな土を貼り付け、更に轆轤挽きして、高い高台を作る事も

  あります。 又、高台のみでなく、高台脇にもたっぷり贅肉が着いていますので、削り取り

  作品を軽くします。

 ② 電動轆轤の中心に作品を逆さに伏せて乗せます。

   そのやり方は、作品の形に応じて幾つかの方法が有り、当然用具も異なります。

  ) 直接轆轤の天板に乗せる方法。

    狂いが少なく、歪みがすくなく出来た作品ならば、一番容易な方法です。

  ) 轆轤上に粘土を薄く伸ばし、作品の口縁を保護する方法。

    高さ方向に少し狂いが有る時や、轆轤の天板と接触する面積が少ない時に行います。

  ) シッタ(湿台)を使う方法。内シッタと外シッタの方法があります。

   a) 内シッタは、大皿の様に轆轤の径より大きい場合や、口縁の高さが均一でない場合に

     使います。

   b) 外シッタは一輪挿しの様に口径が小さく、逆さにしても自立出来ない場合に使います。

   いずれの場合でも、作品を轆轤の中心に置くのは、けっこう難しいです。

   更に、遠心力に負けない様に、粘土などで、作品が動かない様にする必要が あります。

   尚、シッタの使い方など詳細は、後日お話いたします。 

 ③ 轆轤の中心に作品を逆さに置く方法も、ある程度の熟練を要します。

   中心に載せないと、片削りの状態になり、最悪穴(孔)が開く恐れがあります。

   尚、意識的に三日月高台にする場合には、あえて内側と外側の中心を「ずらし」ます。

 ④ カンナ類とスケール(定規、コンパス等)、剣先(針)。

  ) カンナ(鉋)は、鋼鉄製の鋼を「L字」型に曲げた物です。

    刃の部分が四角い物と、半円形の物があります。作品の形に応じて使い分けます。

  ) 削る道具として、他に「掻きベラ」があります。

    木製の柄に、針金や細い鉄帯を取り付けた物で、針金などを変形させ好みの形に作る事も

    可能です。

   )「カンナ」や「掻ぎべら」は、刃物ですので研いで切れる状態にしておきます。

   尚、「カンナ」や「掻きベラ」も、色々な形の物が、陶芸材料店で市販されています。

  ) 剣先(針)は、底に円を描くのに使います。

    針で「当たり」を付けてから、削り出すと失敗が少ないです。

  ) スケール(コンパス)は、高台の径を測定する際に使います。同じ形の作品を作る場合、

    高台の大きさを揃えると、形が似てきますので、コンパスの幅を固定し、それを当てる事で

    大きさを揃えます。

次回「轆轤作業で障害となる事項」に続きます。
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