2) 本物も偽物も多い作品。
③ 李朝の陶器。
) 三島手(粉青沙器)
三島手と呼ばれる白化粧土を施した陶器は、我が国で特に人気のある作品で、それだけ
贋作も多いです。
a) 伝世品以外の李朝陶器は、ほとんどが発掘品です。それ故、風化の具合が自然であるかが
真贋の目安に成ります。
b) 三島手は作風が砕けた感じの物が多く、写し易いと言われています。
その為、徳利、壷、扁壷、俵壷、茶碗、盃などあらゆる種類の贋作があります。
特に、粉引徳利、絵刷毛目徳利、白黒象嵌徳利、魚文の瓶や扁壷、その他茶碗や酒器
が多く、梅瓶や大壷などは少ないです。
但し、象嵌など手間隙の掛かる贋作は、比較的少ないと言われています。
c) 贋作を見破る。
粉引で御本(紅、黄斑)の出ている物、重い物、鉄絵のスピード感の無い物、平茶碗では
なく碗形の三島、刷毛目、粉引で、ちょうど良い大きさの物は、贋作が多いです。
)堅手(かたて)。
李朝前期に各地の窯で焼かれた下手磁器に、透明系の釉を掛けた物です。
李朝後期から末期に掛けて焼かれた下手の白磁も、「堅手」と呼ぶ事もあります。
a) 胎土も半磁器の物から、磁器質の物と多様です。又発色も灰色から黄味掛かった物まで
色々あります。
b) 贋作として多いのは、日本向けに作られた茶碗、徳利、盃、小型の人形などです。
贋作は手に持った場合、軽く感じるそうです。
④ 伊万里地図皿、伊万里輸出用の醤油瓶。
) 伊万里天保年製の地図皿
天保時代の有田のベストセラーとの事で、日本の他、大英博物館やオーストラリアの博物館
にも存在しています。その他にも、海外に多く輸出されていた物と思われています。
a) 型押しで造りの、正方形に近い四角形の平皿に、江戸時代の国(藩)が染付で描かれた
古い地図です。用途は飾り皿と思われます。当時の北海道は蝦夷と、書かれています。
当然、当時の知識が元になっていますので、今から見れば大雑把な地図です。
b) 陶土も呉須も粗悪で、美術品としての価値はないのですが、面白い収集品として価値が
ある様です。
c) 人気の皿ですので、時代を問わず沢山のコピーが出回ります。
中国製もあるとの事です。現在でも多くの骨董店で見掛ける事が出来ると言われています
) 伊万里輸出用の醤油瓶(コンプラ瓶)。
a) 「コンプラ瓶」と呼ばれる特注の瓶に詰めに、醤油を詰めて東南アジアやオランダ本国に
移送する様になります。
b) 波佐見の磁器窯で生産が始まったのは、1790年のことで、最盛期は1820年頃と言われ、
大正時代まで生産し続けられていました。波佐見で作られ瓶は長崎に運ばれ、醤油や日本酒
が詰められ、海外に送り出されます。
c) 瓶のデザインは、日本のお酒を入れる徳利とされ、口が二重空帯となった瓶です。
コンプラドール(仲買人の意味)を略した「CPD」という一種の商標が入っていることが
最大の特徴です。
⑤ 影青(いんちん)各種。
) 影青(青白磁)は北宋時代から元時代後期まで、中国江西省、福建省、広東省一帯で
多く焼かれているが、特に宋代の景徳鎮で焼かれた物に優れた作品があります。
a) 彫り文様の物と無文の物があり、白磁の釉溜まりに薄青色が残るのが特徴です。
b) 薄造りの百合(ゆり)口瓶、彫花文の梅瓶、獅子や瓢箪の付いた摘みの蓋を持つ水注
などの作品があります。
) 北宋時代(10~12世紀)の作品は、端正な造形で装飾が施された物が多いですが、南宋
から元の時代になるにつれて、作風がくだけてきます。
a) 北宋時代の作品は少なく、南宋から元に掛けて多くの作品が残っています。
b) 本物はほとんどが発掘品で、風化や「かせ」土銹(どしゅう)汚れが見られますが、
偽物も微妙に本物に似せていますので、風化状態や色で真偽を判別する事は難しいです。
) 清朝や少し前の台湾でも、影青は作られていますが、肉厚が厚く、貫入の無い釉ですが、
近年はより薄造りの作品(贋作)が作られています。
) 贋作の種類としては、小壷や盃、香合などの小物は少なく、人気のある長頸瓶や水注、
童子文椀などの高価な大物などが多いです。
貫入の無い、淡い緑色を帯びた釉の作品には贋作が多い傾向にあります。
・ 贋作は魅力的な形や文様、絵が着けられて入ることが多く、平凡な物は少ない様です。
以下次回に続きます。
③ 李朝の陶器。
) 三島手(粉青沙器)
三島手と呼ばれる白化粧土を施した陶器は、我が国で特に人気のある作品で、それだけ
贋作も多いです。
a) 伝世品以外の李朝陶器は、ほとんどが発掘品です。それ故、風化の具合が自然であるかが
真贋の目安に成ります。
b) 三島手は作風が砕けた感じの物が多く、写し易いと言われています。
その為、徳利、壷、扁壷、俵壷、茶碗、盃などあらゆる種類の贋作があります。
特に、粉引徳利、絵刷毛目徳利、白黒象嵌徳利、魚文の瓶や扁壷、その他茶碗や酒器
が多く、梅瓶や大壷などは少ないです。
但し、象嵌など手間隙の掛かる贋作は、比較的少ないと言われています。
c) 贋作を見破る。
粉引で御本(紅、黄斑)の出ている物、重い物、鉄絵のスピード感の無い物、平茶碗では
なく碗形の三島、刷毛目、粉引で、ちょうど良い大きさの物は、贋作が多いです。
)堅手(かたて)。
李朝前期に各地の窯で焼かれた下手磁器に、透明系の釉を掛けた物です。
李朝後期から末期に掛けて焼かれた下手の白磁も、「堅手」と呼ぶ事もあります。
a) 胎土も半磁器の物から、磁器質の物と多様です。又発色も灰色から黄味掛かった物まで
色々あります。
b) 贋作として多いのは、日本向けに作られた茶碗、徳利、盃、小型の人形などです。
贋作は手に持った場合、軽く感じるそうです。
④ 伊万里地図皿、伊万里輸出用の醤油瓶。
) 伊万里天保年製の地図皿
天保時代の有田のベストセラーとの事で、日本の他、大英博物館やオーストラリアの博物館
にも存在しています。その他にも、海外に多く輸出されていた物と思われています。
a) 型押しで造りの、正方形に近い四角形の平皿に、江戸時代の国(藩)が染付で描かれた
古い地図です。用途は飾り皿と思われます。当時の北海道は蝦夷と、書かれています。
当然、当時の知識が元になっていますので、今から見れば大雑把な地図です。
b) 陶土も呉須も粗悪で、美術品としての価値はないのですが、面白い収集品として価値が
ある様です。
c) 人気の皿ですので、時代を問わず沢山のコピーが出回ります。
中国製もあるとの事です。現在でも多くの骨董店で見掛ける事が出来ると言われています
) 伊万里輸出用の醤油瓶(コンプラ瓶)。
a) 「コンプラ瓶」と呼ばれる特注の瓶に詰めに、醤油を詰めて東南アジアやオランダ本国に
移送する様になります。
b) 波佐見の磁器窯で生産が始まったのは、1790年のことで、最盛期は1820年頃と言われ、
大正時代まで生産し続けられていました。波佐見で作られ瓶は長崎に運ばれ、醤油や日本酒
が詰められ、海外に送り出されます。
c) 瓶のデザインは、日本のお酒を入れる徳利とされ、口が二重空帯となった瓶です。
コンプラドール(仲買人の意味)を略した「CPD」という一種の商標が入っていることが
最大の特徴です。
⑤ 影青(いんちん)各種。
) 影青(青白磁)は北宋時代から元時代後期まで、中国江西省、福建省、広東省一帯で
多く焼かれているが、特に宋代の景徳鎮で焼かれた物に優れた作品があります。
a) 彫り文様の物と無文の物があり、白磁の釉溜まりに薄青色が残るのが特徴です。
b) 薄造りの百合(ゆり)口瓶、彫花文の梅瓶、獅子や瓢箪の付いた摘みの蓋を持つ水注
などの作品があります。
) 北宋時代(10~12世紀)の作品は、端正な造形で装飾が施された物が多いですが、南宋
から元の時代になるにつれて、作風がくだけてきます。
a) 北宋時代の作品は少なく、南宋から元に掛けて多くの作品が残っています。
b) 本物はほとんどが発掘品で、風化や「かせ」土銹(どしゅう)汚れが見られますが、
偽物も微妙に本物に似せていますので、風化状態や色で真偽を判別する事は難しいです。
) 清朝や少し前の台湾でも、影青は作られていますが、肉厚が厚く、貫入の無い釉ですが、
近年はより薄造りの作品(贋作)が作られています。
) 贋作の種類としては、小壷や盃、香合などの小物は少なく、人気のある長頸瓶や水注、
童子文椀などの高価な大物などが多いです。
貫入の無い、淡い緑色を帯びた釉の作品には贋作が多い傾向にあります。
・ 贋作は魅力的な形や文様、絵が着けられて入ることが多く、平凡な物は少ない様です。
以下次回に続きます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます