あの花

今日のお散歩の時、道から２～３ｍ入った草陰に
可愛い花を見つけました。

『何という名前だったかしら？』

名前をすぐには思い出せませんでしたが、
この花のことはすぐに思い出すことができました。

忘れもしない、こちらに引っ越してきた翌年の２０００年。
森を切り開いた場所に建つ我が家のまわりは、
まだまだ木々がたくさんある森でした。

我が家の横の小道を２～３分上がって行ったところには
別荘が何軒か建っていたのですが、ある一角は森のままでした。
そこに、ピンクの花を付けた植物がいくつか咲いていましたので、
その一株を持って帰ってきて、我が家の敷地に植えました。

植物にとっては、ほぼ同じ条件(環境)だったからでしょうか、
その花は、それから毎年咲いていました。
１５～２０ｃｍくらいの茎にスズランのように下を向いた形の花を付けます。
花は濃いピンクですから、下草が緑ですと目立って見えます。

あの花です。

その花の名前が、『ベニバナイチヤクソウ』だったことは、
その写真を撮ってから思い出しました。
こちらに引っ越してきて、初めて覚えたこの土地の花です。

その後も、この地だから…という植物にたくさん出会いました。
街のお花屋さんでは見ることができない名もない花、
落ち着いた色合いの花、か弱い花、見過ごしてしまいそうな小さな花、
その季節ならではの花たちが、私の前に姿を見せてくれます。

できるだけいつまでも、こんな環境の中で静かに過ごしていたい…

そんなことを感じる今日この頃です。


　こちらは今日見たベニバナイチヤクソウです。
　そういえば、我が家のベニバナイチヤクソウは、
　今年だけではなく、昨年も咲いていませんでした。
　西の森がなくなり、植えていた場所の日当たりが良くなったからかもしれません。
　木漏れ日…くらいの場所が良かったのかもしれないですね。