ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

久しぶりに晴れ!

2008年09月29日 | ひとりごと
あ~長かった長かった。
毎年恒例の秋雨。ほんの1週間程度とはいえ、毎日続くと鬱陶しい。
180才のこの屋敷は、自然を実に素直に取り込むので、雨が近づくと屋敷全体がしっとりし始める。
外の分厚い雨雲を真似して、天井までもが重苦しくなり、窓という窓、ドアというドアが開けにくくなる。
実際に濡れはしないけれど、どっぷり全身で味わう雨の毎日と相成る。

4,5日経つと、壁から歴史の匂いが漂ってくる。それがなかなかの圧巻。
大津で住んだ古い日本家屋では、湿った畳と藁と埃の匂いがした。
ここのはなんだろうな……分厚い1枚板の木の年輪と土と埃かな。

そのうち、わたしの鼻が少し熱を帯びてくる。湿気アレルギーというくせ者の仕業。
「雨がとうとう終わるんだってよ」
旦那がパソコンの天気予報を見ながら言った2時間後、部屋の空気がどんどん乾き始めた。
部屋の窓から空を見上げなくても、外に出て確かめなくても、晴れるんだなと分かった。
雨の匂いがスウッと姿を消し、天井が後ずさりして高くなり、ドアが少しだけ軽くなった。

気圧が低くなると頭痛が起こったり、気分が落ち込んだり、肩や首の付け根が重苦しくなったりする人がいる。
そんな人達を、ふん、そんな気圧ごときで大げさな、と鼻で笑える人もいる。

屋敷をぐるりと囲む日本紅葉の老木は、むずむずと朱色に変わり始めた葉をたっぷりとまとい、
久しぶりに潤った地中から、音もたてずにゆっくりと、命の水を吸い込んでいる。

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