ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

福島市の学校給食と、双葉町町長さんと、原発事故処理の作業員さんの身に起こってる不可解なできごと

2012年12月28日 | 日本とわたし
『3.11後の仙台に住む』というブログに出会いました。
そこには、迫り来るクリスマストルネードに巻き込まれて目を回しながらも、ずっと心にひっかかっていた物事が書かれていました。
自分への記録のために、ここに転載させていただきます。

↓以下、転載はじめ

理解不能なことが進行中 2012年12月21日

最近の非常に気になった話を3つまとめておきたい。
しばらく衆院選に気を取られていたが、福島の被災地ではますます理解不能なことが進行中のようだ。

1.福島市産のお米を給食に使用へ
http://ameblo.jp/misininiminisi/image-11427148003-12330230182.html


福島市では、来年の1月から、学校給食に福島市産のお米を使用するのだそうだ。
原発事故以来、会津産のお米に切り替えられていたのに、事故前の福島市産に戻すのだという。

セシウム134と137が、それぞれ検出限界の10ベクレル/kg以下であることを確認して使用とのこと。
つまり、セシウム20ベクレル/kgまでのお米は使われる可能性があるということかと思う。

福島市の空間線量は総じて高く、1マイクロシーベルト/時を越すところもある。
子どもたちはこの尋常ではない環境で日々我慢させられ、原発事故前ではありえなかった被ばくを日々受けているのだ。
なぜわざわざ給食で、子どもに地産のお米を食べさせるのか?
どうしてもと言うなら大人が食べればいいのに。

なんで、これでもかというようにおかしなことをするのだろう?
何がなんでも無理やり通常運転に戻そうというのだろうか?


2.被ばくを気にする双葉町の町長さんに不信任決議
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/12/20121221t61007.htm

福島第一原発が立地する双葉町ではきのう(12月20日)、町議会が井戸川克隆町長への不信任決議を可決したそうだ。
町長が、10日間以内に議会を解散しなければ、失職することになるという。

この町長さんは、避難基準の年間20ミリシーベルトは高すぎるとして、政府に見直しを求めてこられた。
住民は、なるべく県外に退避させようとしてきた。
つまり、出来るだけ住民を被ばくさせまいと行動してきた方なのだ。

そういう町長さんが、職を追われようとしている。
町の中でどのような分断があったのかわからないが、福島県の自治体の長としては珍しく、住民の健康を真っ先に考えておられた方という印象なので、最後の砦が失われるような不安を覚える。

双葉町のホームページには、昨日付けの、井戸川町長のメッセージが掲載されている。
http://www.town.futaba.fukushima.jp/message/20121220.html/

放射能汚染の現実を見据えた、痛切なメッセージだと思う。
失職なさったら、このメッセージも見られなくなるのかもしれない。


3.福島第一原発での待遇悪化
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2012121802100005.html

これは東京新聞の報道(12月16日)だが、福島第一原発で働く人たちの給料・労働環境が悪化しているという。

日本一危ないところで、身を挺して働いてくださっているのに、新卒社員程度の給料。
危険手当もほとんどなく、宿泊の面倒も見てくれないケースが多いらしい。

この報道通りの実態ならば、ほんとうに申し訳なくて仕方がない。
作業員の方々のおかげで、日本はどうにか持ちこたえることができて、私たちがまがりなりにも日常を営んでいられる。
それなのにこの待遇はないだろう。

この労働環境の悪化は、東京電力が経費節減をしているためだそうだが、メルトダウンした原発の管理・修理・後始末を、民間企業に任せていていいのかと思う。

復興予算を直接関係のないところにつぎ込んだり、無駄な除染をしたり、妙なお金の使い方をしないで、こういう肝心なところに使えばいいのに。

こんな薄給な過酷労働では、次第に働く人がいなくなってしまうかもしれない。
あるいは士気が落ちてしまうかもしれない。
そうしたら、破局的なことにだってつながりかねないのではないだろうか?

こうして、人権もなにもない罰当たりなやり方を続けていたら、しっぺ返しがきてもおかしくない。
そう思うと、正直背筋が寒くなってしまう。


↑以上、転載おわり

ここに、上記の記事中に紹介されていた東京新聞の記事を、追加で載せさせてもらいます。

人が集まらない 福島「収束宣言」から1年 原発作業暗転
【東京新聞朝刊】2012年12月18日



1年前の12月16日、政府が突然、東京電力福島第一原発の「事故収束」を宣言した。
被ばく線量が高い作業が今後増えるにもかかわらず、宣言を境に、危険手当の打ち切りや給料カットが相次ぎ、作業員の待遇が悪化。
最近では、作業員が集まらなくなっている。
廃炉への道は遠く、民主党から政権を奪い返した自民、公明両党には、厳しい現実とどう向き合うのかが問われている。(片山夏子)
 
給料は、手取りで月額20万円に届くかどうか。
危険手当はなし。
寮もなし-。
 
福島県いわき市のハローワークで、福島第一の求人を調べると、こんな実情が浮かび上がった。
コンクリートを流し込む枠を作る型枠大工など、技術や経験のある人は、月40万円以上と高いが、他の職種は多かれ少なかれ被ばくするのに、給料が安い。
大半が、年収300万円にとても満たない。
 
20件ほどの求人情報を見ていくと、危険手当の記載は1件だけで、1日わずか2000円。
ほとんどのケースで、宿泊費は自分で負担しなければならない。
 
警戒区域内に事務所があった下請け会社の社長は、この秋、作業員を募集したが一人も決まらなかった。
「福島での除染や清掃、軽作業など」として募集したが、連絡があった人に福島第一での作業と伝えたとたん、「原発は嫌だ」と断られた。
社長が求人で出した日給は、1万~1万数千円。
「危険手当を上乗せしたいが、(上位の下請け会社から)もらっていない。被ばくするし、もっと出したいがぎりぎり。これ以上条件が悪化したらどうしたらいいのか」と頭を抱えた。
条件悪化が進んだのは、「あの耳を疑った収束宣言の後」という。
 
宣言までは、いわき市などの旅館で、共同生活をしながら働く作業員が多かったが、宣言後は危険手当が出なくなり、旅館を引き払うように求められるケースが増えた。
自らも避難者である作業員も多く、仮設住宅は遠いため、宿泊は重要な労働条件の一つになる。
 
東電が、福島第一でもコスト削減に躍起になり、そのしわ寄せは下請けに行く。
別の下請け会社の社長は、上位の会社から給与の引き下げを言われ、「従業員の社会保険も払えないぐらい会社はぎりぎり。これ以上下がったらやっていけない」と嘆いた。
 
今後、福島第一では、建屋内の被ばく線量が高い作業が増える。
作業員の「5年で100ミリシーベルト」の線量限度を守るには、特定の人が被ばくしないよう、ローテーションできる人数が必要になる。
 
東電は、今後は必要とされる作業員数が減り、事故後に福島第一で働く従事者登録した人が、延べ約2万4千人いるとして、作業員は足りると強調する。
 
福島第一で長年働いてきたベテラン作業員は、総選挙を受け、
「宣言後、労働環境が悪くなった。(新政権は)福島第一で働く人間のことを忘れず、収束作業が進むように現場をバックアップしてほしい」と願いを語った。



さあ、自民党、
福島県の環境好転と安全安心の確保、原発全基の廃炉を約束したんやもんな。
安全安心を何十年も言いふらしてきた責任をとる絶好の機会やしな。
この、今の事態収拾に一番貢献してくれてはる人達を、国を上げて支援するのがまず第一歩やと、常識で考えたらわかるよな。
なんでもかんでも人任せにしてきた民主党政権からの脱皮と、福島だけやなく、原発周辺地域の復興に責任感じてるならまず、
そのことに一番深う関わってはる、しかもそれが命と健康に関わるほどに危険な作業をしてくれてはる人達を、国をあげて支援するのが当たり前。
せめて、けったいなとこにバラまいた金を徴収して、作業員さんのための、日本国内でも稀なほどの待遇の良さと、生活環境整備を実現してちょうだい。


ほんで、給食の話。
福島県は東西に長く、太平洋側から浜通り、中通り、会津の3つのエリアに分かれてる。
浜通りと中通りの間には阿武隈山脈、中通りと会津の間には奥羽山脈が横たわってて、原発から遠く離れた会津は、関西と変わらんぐらいに低い線量やと聞いた。
そやから、会津産のお米を使用してくれてはることについては、外気の線量が異常に高いとこで今も暮らしてる子どもらにとっては、ギリギリの、最悪よりちょっとはマシな選択やと思てた。
それがなんで、年が変わったからいうて……。


さらに、双葉町の町長さんの件については、また後日、まとめて書きたいと思てる。
以下↓は、双葉町のホームページに載せられた町長さんからの言葉からの抜粋。
『中間貯蔵施設については、議論をしないまま、調査だから認めろと言いますが、この費用の出どころを確かめることが重要です。
この施設は、30年で県外に出す、と国は言っていますが、約束は我々とはまだ出来ていません。
この施設の周りには人が住めません。
六ヶ所村では、2km以内には民家がないようで、双葉町では、町の中心部が殆ど入ってしまいます。
では、どうするのかの議論が先です。
ボーリング調査を行うのは着工です。
予算の構成を見ますと、整備事業の下に調査費が付いています。
これは、行政判断としては着工になります。
着工の事実を作らせないために、私は非難覚悟で止めていることをご理解ください。
十分すぎるほど議論して、町民の皆さんの理解の下に進めるべきです。
日本初の事業です。
双葉町最大の損害で、確かな約束を求める事をしないまま進めては、やがて子供たちに迷惑をかけます。
新政権とじっくり話し合いをして、子供たちに理解を貰いながら進めます。
このように、私たちには大きな損害があることをご理解ください。
寒さが一段と厳しくなりました、風邪や体力の低下に気をつけて予防を心がけてください。
これからもお伝えします』

平成24年12月20日 双葉町長 井戸川 克隆


↑以上、転載おわり


原発も然り、原発関連施設も然り、今まではこうやって、無理矢理ゴリ押ししたり、騙しの手を使たりして工事が始まり、建てられてきた。
反対するもんは生活を脅かされたり、職を追われたり、冤罪をふっかけられたり、極端な場合は自殺に追い込まれたりして、社会から消されてきた。
こんなことはいったい、どないしたら、抵抗する事ができるんやろう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。