ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

あきらめたらおしまいだもの

2011年04月17日 | 日本とわたし
活断層の上に建つアメリカの原発は2基。
そのうちのひとつ、カリフォルニア中部の沿岸に建つディアブロキャニオン原発は、パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(PG&E)の持ち物。
同社の広報担当者は、原子炉は発電所周辺のサンアンドレアス断層の活動によるM7.5の地震にも耐えられる構造になっているとのこと。
つまりマグニチュード7以上だとダメだということです。
そしてふたつめ、カリフォルニア州北部のハンボルトベイ発電所は、地震の懸念により1976年に操業を停止しましたが、使用済み燃料の一部はまだ敷地内に残されています。

今回の原発事故を受け、米カリフォルニア州のディアブロキャニオン原子力発電所の運営企業PG&Eが、周辺地域の耐震調査が行われるまで運転許可の更新を申請しないことを決定し、米原子力規制委員会(NRC)への書簡で、免許更新の申請を先送りする方針を表明しました。 
なので、とりあえず、今後この2基の操業は停止されるということになります。

1979年のスリーマイル島原子力発電所事故以来、ここアメリカでは新規の建設はストップしています。
けれども、いまだ世界最大の原発大国として他国に大差をつける存在であることは事実。
保有する104基の原子炉の発電量は、2位フランスと3位日本の合計をも上回っているのですから。
それでも、この国の莫大な電力需要の20%を賄うにすぎないのだそうです。

北アメリカプレートと太平洋プレートが衝突する西部は、東部と比較して地震危険度が約5倍高いそうなのですが、
アメリカ中西部の地震危険度に対する認識が変化している最新の科学的知見から、その中で、原子炉が集中する中部および東部の一部でも、地震の危険は存在するという意見も出始めています。
例えば、サウスカロライナ州チャールストン、マサチューセッツ州ボストン、ミズーリ州ニューマドリッドの付近で、大規模な地震が過去に発生しています。
うちからあまり離れていない所(80km)にある、ニューヨーク州のインディアンポイント原発もそのうちのひとつに入っています。

福島第一事故のはるか前からアメリカでは、エネルギーと核の規制当局や非営利の業界団体「電力中央研究所(EPRI)」が、中央部・東部の新たな震源地の特徴を調査していました。
作業は今年後半に完了する予定なのだそうです。
なお、アメリカで最も地震が多いアラスカ州に原発は一基もありません。



地震国日本の、それも活断層の真上に原発施設を建設しようと考えた人。
どういう見解からだか全く理解ができないけれど、それを許可した役人。
それがどんなに危険なことかわかっていたのに、その暴走を止められなかった、あるいは止めようともしなかった学者や有識者。
札束をちらつかし、時には宥め、時には脅かし、時には冷酷になって、思い通りに事を進めていった人。
工事全般において、中心になって関わった人。
それを後押しした下請け会社の役員。
ほんの小さなミスや失敗が、とても深刻な事態を招く発端になることを説明しなかった工事責任者。
危険極まりない、とても人に頼めそうもない作業をさせるため、暴力団のような組織を使って作業員集めをした電力会社の役員。

そして、今この時に至っても、
「あんたらができないのなら僕がやる。
けれども、実際の話、僕ひとりではとても力が足りないから、誰でもいい、東北というかけがえのない日本の国土をこれ以上傷つけないために、政治家生命をかけて支援活動に取り組もうと思う人、集まって欲しい。
知恵を出し合って、この手と足を使って、1時間でも早く、この国に生まれて良かったと思ってもらえる環境を作ろう。
もう派閥も党も意味がない。
これは国まるごとの危機なのだ。
そんな時に、なんの意味もない議論や足の引っ張り合いなどしている場合か!
今までの何十年もの間、ウソで塗り固めて増やし続けてしまった原発のために、国が丸ごと、さらには近辺のよその国まで汚染してしまうという恐ろしい結果になってしまうかもしれない。
その大罪の償いは、これまで政治に関わってきたすべての政治家と、原発を推進した電気会社の重役が負わなければならない。
全員の名前を公表して、裁判にかけてやりたいぐらいだが、今はそんなことをしている暇などない。
とにかく動く。とにかく償う。とにかく正しく修正された方向に、一歩でも前に進もう!」
と、大きな力強い声で公言できる人が出てこない。

でも……、
ここアメリカだってそうです。
世界的に注目され、ノーベル平和賞まで引っさげて、腐り切った政局の改革に乗り出した若い大統領でさえも、足をすくわれ、引っ張られ、あるいは巧妙に説得され、改善や改革の旗をたなびかせていた船を、あちこちで座礁させたままなのです。
アホな政治家は、どこの国にもいっぱいいます。
そして、アホの度合いが高いほど、なぜだか影響力が強かったりします。それでもってしつこい。

けれどもあきらめたくなんかありません。
あきらめたらおしまいだもの。

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